はじめて学ぶ人のための超入門講座
第3回-2

芦原 睦 (中部労災病院心療内科)

 

「交流分析」とはどのような事を可能にする心理学なのか。勉強するとどう役に立つのでしょうか。

 交流分析の理論と技法を日常の診療・治療に実際に役立てて効果を上げておられる中部労災病院心療内科の芦原睦先生に、連載の第3回目として、交流分析理論の内の「構造分析」「自己成長エゴグラム」についてお書きいただきました。


構造分析

2.自己成長エゴグラム(SGE)について

 
自己成長エゴグラム(Self Grow-up Egogram:SGE)は、交流分析学会理事長の桂戴作先生が創案され、名古屋の私どものグループ(中京心身医療ワークショップ)で改良を加えたエゴグラムです。SGEの特徴は次の3点に要約されます。



(1)未だ商品化していないので、誰でもコピーして増やして使用できる

  →TAの普及・啓蒙に役立つと考えています。



(2)思考や信念を表す項目を除外し、行動を示す質問項目より、構成されているので、×のついた質問項目を逆にすれば、誰でも適切な助言ができる

 →ここがまさに、桂先生の御発想なのですが、
  TAの初心者(開業の先生方、企業の保健婦等)でも
  使って頂きやすいと思います。


(3)標準化されているので、心理テストとしての信憑性が高い。

  →心理テストに詳しい心理の先生方にも
    納得して使って頂けます。



 どうぞ、本稿をお読みになられた方は、家庭で職場でSGEを使ってみてください。
 お使いになれば、SGEの使い勝手の良さが分かって頂けると思っています。


*代表的なエゴグラムパターンについては、
第4回:基本的対人関係の構え にて紹介します。




参考文献
 「自分がわかる心理テストPart2」
 芦原睦監修
 講談社ブルーバックス



第1回-1:交流分析って何?
第1回-2:交流分析(TA)の哲学
第2回-1:3つの欲求理論と4つの分析理論
第2回-2:ストローク
第2回-3:時間の構造化
第3回-1:構造分析
第3回-2:自己成長エゴグラム
第4回:基本的対人関係の構え
第5回-1:交流パターン(やりとり)・ゲーム分析
第5回-2:脚本分析
 

 

「交流分析」の入門編として様々な書籍が出ています。
TA学習参考図書一覧をご覧ください。
 
   





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