心理学がブームのような今、自分をしっかり持って望まないと、ちょっとあぶない物もあるようです。女性週刊誌などにもいろいろと特集があるようですが、どれを信じて勉強すれば良いのかさえもわからなくなりそうな状況です。あなたは大丈夫ですか。
さて、そのような状況の中で、「交流分析」は安心して使える技法の一つだと思います。
「交流分析」とはどのような事を可能にする心理学なのか。勉強するとどう役立つのか。
心療内科で日々診療に応用されていらっしゃる芦原睦先生に5回に渡って連載して戴くことになりました。
今回は、その第1回目として、交流分析の基本的な考え方についてお書きいただきました。初心の方だけでなく、少し勉強された方も復習の意味でぜひお読み下さい。
はじめに
交流分析(Transactional Analysis:TA)は、1957年アメリカの精神科医エリック・バーンによって創られた人間の交流や行動に関する理論体系で、同時にそれに基づいて行われる治療技法です。TA理論は簡単で誰にでも親しみやすいため、精神分析の口語版とか普及版と言われています。現在では、心療内科や心理臨床の場で、患者さんの理解や治療に使われているのみならず、教育や産業の場でも幅広く応用されています。
それは、TAが自分発見の方法として、また対人関係を円滑にするために、わかりやすく、かつ学んだ所まですぐに使えるという利点を有するためでしょう。
「TAって何?」と聞かれた時、私は「TAとは、わかりやすい自分発見の方法で、やさしい対人関係の科学です。」と答えています。
第1回-1:交流分析って何?
第1回-2:交流分析(TA)の哲学
第2回-1:3つの欲求理論と4つの分析理論
第2回-2:ストローク
第2回-3:時間の構造化
第3回-1:構造分析
第3回-2:自己成長エゴグラム
第4回:基本的対人関係の構え
第5回-1:交流パターン(やりとり)・ゲーム分析
第5回-2:脚本分析
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