はじめて学ぶ人のための超入門講座
第2回-3

芦原 睦 (中部労災病院心療内科)

 

「交流分析」とはどのような事を可能にする心理学なのか。勉強するとどう役に立つのでしょうか。

 交流分析の理論と技法を日常の診療・治療に実際に役立てて効果を上げておられる中部労災病院心療内科の芦原睦先生に、連載の第3回目-3として、交流分析理論の内の「時間の構造化」についてお書きいただきました。



人生の時間の使い方(時間の構造化)

 次に、時間の構造化とは、人の時間の使い方のことで、、「閉鎖(引きこもり)」「儀式」「雑談(ひまつぶし)」「活動」「ゲーム」「親密」の6種類があります。「閉鎖」「儀式」「雑談」「活動」の順で、ストローク交換は濃厚なものになって行きます。「閉鎖」とは、自閉的でストローク交換のない状態、「親密」とは恋人同士や家族団欒などのように密接で濃厚なストローク交換と言えます。よって、対人距離も近くなり、破綻すれば双方傷つくことも多くなるというわけです。
 この時間の構造化のなかで特別な位置を占めるのが「ゲーム」です。「ゲーム」とはゲーム分析につながるものですが、その定義を5・7・5・7・7に詠んでみましたので、これも覚えてしまいましょう。


 ゲームとは 人の狭間で
  繰り返す 懺悔後悔 悪い癖なり

 私たちが、不愉快な感情に陥っているとき、よく考えてみるとそこには一定のパターンがありませんか?  人も場所も異なっているのに、私たちは「自分のお気に入りの(?)不愉快な感情」に浸っていることに気付きませんか?

 その感情は過去に何度となく繰り返された、その人特有の不快感であることが多いのです。

そんな時私たちはゲームを演じていることが少なくありません。
ゲームから脱却し、前向きで創造的な毎日を送るために、自分の日々の時間の使い方を分析するのが、時間の構造化理論です。



第1回-1:交流分析って何?
第1回-2:交流分析(TA)の哲学
第2回-1:3つの欲求理論と4つの分析理論
第2回-2:ストローク
第2回-3:時間の構造化
第3回-1:構造分析
第3回-2:自己成長エゴグラム
第4回:基本的対人関係の構え
第5回-1:交流パターン(やりとり)・ゲーム分析
第5回-2:脚本分析
 
 
 

「交流分析」の入門編として様々な書籍が出ています。
TA学習参考図書一覧をご覧ください。
 
   





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