はじめて学ぶ人のための超入門講座
第2回-2

芦原 睦 (中部労災病院心療内科)

 

「交流分析」とはどのような事を可能にする心理学なのか。勉強するとどう役に立つのでしょうか。

 交流分析の理論と技法を日常の診療・治療に実際に役立てて効果を上げておられる中部労災病院心療内科の芦原睦先生に、連載の第3回目-2として、交流分析理論の内の「ストローク」についてお書きいただきました。


ストロークについて

 ストロークとは、人の存在を認めるための一単位と定義されていますが、「心の栄養」や「承認欲求」などと表現したほうが分かりやすいかもしれません。

 ストローク 心の栄養 それは愛

と5・7・5にしましたので、覚えてしまいましょう。
 朝、起きて家族に「おはよう」の一言、「おはよう」の一言が返ってくる。こんなありふれた会話でも私たちはストロークを交換したことになるのです。

 ストロークには、相手をいい気持ちにさせる「陽性のストローク」と、相手を不愉快な気分にさせる「陰性のストローク」があります。勿論、陽性のストロークが人をはぐくみ、成長さるものに他なりません。

 また「無条件のストローク」と「条件付きのストローク」という分類もあります。

 「無条件のストローク」とは相手の存在に与えられるもので、「あなたがいるだけで幸せです。」や「君は僕にとって大切な人なんだよ。」などが例としてあげられます。
 一方、「条件付きのストローク」は、相手の行動に対して与えられるものです。

 「算数で100点とったら、おもちゃを買ってあげよう。」などのしつけや、「ハンドバッグを買ってくれるのなら、付き合ってもいいわよ。」などの取引に使われます。
 人は誰でも「無条件の陽性のストローク」を求めて、生涯行動していると考えるのがストローク理論です。



第1回-1:交流分析って何?
第1回-2:交流分析(TA)の哲学
第2回-1:3つの欲求理論と4つの分析理論
第2回-2:ストローク
第2回-3:時間の構造化
第3回-1:構造分析
第3回-2:自己成長エゴグラム
第4回:基本的対人関係の構え
第5回-1:交流パターン(やりとり)・ゲーム分析
第5回-2:脚本分析
 

 
 

「交流分析」の入門編として様々な書籍が出ています。
TA学習参考図書一覧をご覧ください。
 
   





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