二次的構造分析

 

 構造分析は、個々のパーソナリティの分析で、P、A、Cの記号を用いて、自我状態を詳しく学ぶ方法です(図1)。


図1 自我状態


 まず P、A、Cのそれぞれをはっきり区別できるように練習し、次に、自我状態エネルギーの供給の障害から生じる病的な自我状態(汚染、除外)について学んでみて下さい。

 構造分析の目的は、現実原則に従う自我状態が、人格の主導権を握ることによって、セルフ・コントロールされた自由な自己を実現することにあります。 現実には、汚染や除外が頻繁に行われセルフ・コントロールがうまくいっていない方が多いようです。それによって、対人関係がギクシャクしたり、内面化して心身症になったりしています。

 構造分析には精神内界の力動を明らかにするためのP、A、Cの二次的構造も含まれます。

 二次的構造分析は、自我状態PとCの中がどのような内容であるかを検討する方法で、通常、従来の構造分析でいうP、A、CをP2、A2、C2とし、それぞれの構成部分を図2のように分類します。


図2 二次的構造モデル



 「親の自我状態」(P)を二次的構造分析で見た場合、その内容を表わすのが P2 です。P2の中の一群のP3、A3、C3 は、内在化した養育者(例:父、母、祖母)の自我状態を意味します。
 
 例えば、8歳の子供のPの内容は、図2のように父母を中心とした何人かの親的人物のとり入れからなります。
 
 エリック・バーン はこれらの親的人物のとり入れを「心理・生物学的構造」と呼んで、発達途上の子供が選択したものではなく、むしろ生物学的、自動的なものと考えました。
 
 これに対してグールディング夫妻は、個人が選択してとり入れ、かつ人生を通じて創り上げるものも含まれているとしました。
 
 Pの中に異なる自我状態があることを知ることは、再決断療法におけるインパスの解消に重要な役割を果たすとされています。

 子供の自我状態(C2)の内部は、以下の三つに分けられます。


   1. P1:権威者に対応する部分としての「魔力を持つ親」
   2. A1:直観と生存の知恵に富む「小さな教授」
   3. C1:早期の無条件の反応としての「身体的な子供」



 二次的構造分析では「子供の自我状態」(C) を構造的に図2のように示しますが、A1 はCの中で自分と環境を観察しつつ発達する“早期の大人”をいいます。

 A1 は「小さな教授」(LP)とも呼ばれ、非言語的ではあるが直観力、創造力に富んでいます。幼い子供として、自分が依存する人とどう対応していくのが一番よいかを決めるのもA1 です。なお、二次的構造分析ではCはC2 と呼ばれます。

 ご自分の構造分析をやってみて、気づきを深めて下さい。





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