DVD ゲシュタルト療法の理論と夢のワーク

私にとって、ゲシュタルトセラピーの夢のワークは宝島への冒険の旅のようなものです。

普段の生活では意識にのぼってこない、自分から自分への大切なメッセージに気づくことができるからです。

楽しい夢だけでなく、怖い夢であっても、悲しい夢であっても、大丈夫。

ワークの中で、これまで聞こえてこなかった自分からのメッセージを聞いたとき、現実の世界がこれまでとは違って見えてくるのです。うまくいっていなかった人との関係がとても愛おしくなったり、あることに対して自信をもてたり、優しい気持ちになれたり･･･。

夢は自分から自分への大切なギフト。ゲシュタルトの夢のワークを体験するたびにそんなふうに感じています。

このＤＶＤの夢ワークの内容は、創られたものではありませんし、演技も入っていません。このため、クライエントをしている私は、そのときの私そのままです。涙を流す場面も、変なことを言っている場面もありますし、自分の内面がそのまま現れています。そういう意味ではＤＶＤにするのは、はずかしく、ためらいもありました。けれども、そのためらいを超えてでも、ゲシュタルトの夢のワークやゲシュタルトセラピーの素晴らしさを多くの方に知っていただけるとうれしいという想いが育ってきました。

また、ゲシュタルト療法のDVDを作りたいと思うようになった理由はもう一つあります。

ここ数年、大阪で岡田法悦さんのゲシュタルトセラピーのトレーニングコースを開催していますが、その中で必ず出るのが「岡田さんがあの場面で○○○と言われたのはどういう理由からですか？」という質問です。

私自身も、岡田さんのファシリテートのもとでワークをする人（クライエント）が、ご自分にぴったりのペースで変化されていくミラクルを見続けて、岡田さんが発せられる言葉全てについてその意味を知りたい！そして、それを自分の力にしていきたいということを強く思いました。

そして、１つワークの中で、岡田さんが発せられる言葉のできるだけ多くの部分に、ファシリテーターが「クライエントの何を見・聞き・感じ」、そして、「何をやっているか」という解説が入ると、とても深い学びが出来るのではないだろうか？そんな想いもこのDVDを作りたいと思うようになったきっかけです。

このDVDは画像や音声は完璧ではないと思います。けれども、ゲシュタルトセラピーがどんなものなのかの一部を垣間見、そして、ファシリテーターとしても学ぶ材料としていただけるとしたらとてもうれしく思います。

私にとってゲシュタルト療法は、生き方の治療法というイメージがあります。

私は、これまで少なくとも２回、自分自身の生き方を変える、あるいは自分の生き方を見つけるために自分自身がクライアントになりました。

かなり自分らしく生きているという気持ちがありながら、それでもどこかしっくりこない生きにくさを感じることがありました。

いろいろな心理療法を学ぶにつれて、それがゲシュタルト療法のいう「未完了の仕事」らしいということに気づきました。

そこで、思い切ってクライアントになってワークを受けましたが、いずれのワークでも涙ながらの体験になりました。しかし、未完了の仕事は、その場で完了し、長い間の悩みであった居心地の悪い思いがすっかり消えてしまったことを、今でもはっきりと覚えています。

私の体験は、両方ともゲシュタルト療法でいう「未完了の仕事」のワークですが、ゲシュタルト療法には、もう一つの魅力的なワークがあります。

まったく思いがけない形で、その「夢のワーク」のDVDを作りたいという話を、NLPやゲシュタルト療法を共に学んでいる定満さんからいただいた時は心底驚きました。しかも、クライアントは定満さん自身だというので、2度びっくりです。

ゲシュタルト療法のワークは、クライアントの自己開示なってしまうだけに、いかに素晴らしいワークでも、それを公開するには勇気が必要です。そのために、ゲシュタルト療法を学べる教材をつくりたいと思いながら、なかなか実現しませんでした。

岡田さんが述べているように、およそ２０年前にポーラ・バトムに学ぶメンバー達が集まってゲシュタルト療法の解説DVDを制作しました。つまり、２０年間その機会がなかったことになります。

「夢のワーク」のDVDは、定満さん、岡田さん、そして私梅本のそれぞれの思いが、まるで２０年間の必要な時間を経て強い一つの思いになって出来上がった、そんな気さえする特別なDVDです。