ストローク

 

 ストロークとは「ある人の存在や価値を認めるための言動や働きかけ」と定義されています。

 人が生活する上で、あらゆる場面でストロークの交換がなされています。たとえば、朝起きた時の「おはよう」という挨拶もそうです。何かを失敗した人に対して「ダメねえ」と否定的なメッセージを送るのもストロークの一つです。



 さて、交流分析では「人が生きるためにはストロークが欠かせないもの」と考えています。

 私たちはだれでも、ほかの人から親しみのこもった表情であいさつされたり、ほめられたり、感謝されたり、自分の性格や仕事ぶりなどを高く評価されたりすると、良い気分になりますし、とてもうれしいものです。

 さらに「あなたはなんとすばらしい人なんでしょう!」などと自分の全存在を好ましく思われたりすると、それこそ天にも登る心地がするものです。

 しかし、人は肯定的なストロークを得られない状態が続くと、否定的なストロークをその代用として求める行動を取るとされています。

 たとえば、子どもが親から肯定的なストロークをもらえないと、ことさら人がいやがるような事を言ったり、行ったりして関心をひこうとします。そして、「うるさいわね」とか「なんでお前はいつも・・・・」とか否定的なストロークを得るようになります。

 子どもにとって否定的なストロークをやり取りする状態が止まらないとゲームに発展してしまいます。



 ストローク言語的レベル、身体からの非言語的レベル、心理のレベルで交換されますが、一般に次の四つに分類されています。

1.肯定的
  ストローク
愛撫する、褒める、ほほえむ、好意を示す、感謝するなど、それを受けると快適な気持ちになるもの。
2.否定的
  ストローク
なぐる、嘲笑する、非難する、皮肉る、ひねくれるなど、それをもらうと不快感や苦痛を味わうもの。
3.条件付き
  ストローク
相手の行為や業績と引換に与えるもの。
4.無条件の
  ストローク
その人の存在や人格そのものに対して与えられるもの。



 まとめとして、ストロークに関する次の
法則を覚えておきましょう。 

1.人は肯定的ストロークが不足して心理的飢餓状態になると、否定的ストロークを求めて補う。 

2.人は変容に対して肯定的ストロークを受けたことへの反応として、変化・成長する。
 気持ちのよい肯定的なストロークを日常のあらゆる場面で交換できるよう心掛けたいものです。





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