Transactional Analysis News 223

index No.23

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News 
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○○■○■○■○ ●交流分析メールマガジン 第223号     2014/06/27 
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○○■○■○■○ http://www.iryo.co.jp/ta-net       1,910部に発行 
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 みなさま、こんにちは。 

 このところ関東地方は、天気が不安定でなおかつ激しい雷雨に見舞われるこ
 とが続きました。

 梅雨がないと言われる北海道で長雨があったり、非常に多い雨量が短期間で
 降った地域もあるようで、生活に支障の出るような影響を受けている方も少
 なくないかもしれませんね。お見舞い申し上げます。 
                             (森山貴代) 


■CONTENTS■────────────────────────── 


【1】セミナー情報: 
    
  (1)「よりよい人間関係とコミュニケーションスキル
       BCB(TA+NLP)ベーシックコース  

  (2)「気持ちが楽になる考え方のコツをつかもう
       〜認知行動療法の基本〜」
 
【2】コラム:「愛とは相手のために時間を使うこと」
  


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 セミナー情報(1)「よりよい人間関係とコミュニケーションスキル
           BCB(TA+NLP)ベーシックコース  
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   「 BCB(Breaking the Communication Barrier)」とは、TA(交流分析)と
  NLPのスキルを用いて『コミュニケーションバリア』を切り開く方法を学ぶ
 セミナーです。

 交流分析と NLPという「人間理解に優れた効果を発揮する心理療法」から、
 特によりよい人間関係を築くために役立つアイデア/スキルを融合させまし
 た。それがBCBです。

  BCBの講座において、各テーマは

  1)どういう意味なのか
  2)何のために役立つのか
  3)どんな場面で使えるのか
  4)デモンストレーションと体験実習

 という順番でレクチャーを進めるため、わかりやすく身につきやすいのです。

 「 BCB」は、「あの人」の考え方や行動の意味を理解し、「あの人」を変
 えるのではなく、「あの人との関係を変える」プログラムです。

 交流分析を有効に活用したい方にお勧めです。



   講 師:梅本和比己
       (ICNLP認定マスター・トレーナー)
       (ICC認定国際コーチ)

       佐々木啓
       (ICNLP認定トレーナー)   
          
   日 時:2014年7月26日(土)10:00〜17:30
            27日(日) 9:30〜16:30 

   会 場:日本工業大学神田キャンパス4F 401教室(東京都千代田区)
   
   参加費:ホームページにて申込受付 1名47,520円(資料代・消費税込)
        一般(電話・FAX・郵送申込)1名49,680円(資料代・消費税込)

       「心のスペシャリストの秘訣」スペシャリスト(有料)会員、
      及びメンタルヘルス協会会員 1名42,768円(資料代・消費税込)

       【いずれも予約前納制】


               
   詳 細:  http://www.iryo.co.jp/cp/MMT-S2073-A1.html   


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  内容:
   1.人の行動を理解する 〜自我状態〜
   2.人の考え方を理解する 〜視覚、聴覚と触運動感覚のチャンネル〜
   3.典型的なコミュニケーションのパターン 〜相補交流〜
   4.非効果的な人間関係のパターン 〜相互依存〜
   5.モチベーションのキー 〜ストローク〜
   6.難しいケースにおいての対応 〜交差交流とペース合わせ〜
   7.スマートに問題を指摘する 
      〜建設的なフィードバックのための12の方法〜

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



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 セミナー情報(2)「気持ちが楽になる考え方のコツをつかもう
          〜認知行動療法の基本〜」 
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 私たちの気分は出来事そのものではなく、その出来事をどう考えた(認知し
 た)かによって大きく影響されます。

 多くの場合私たちは物事を客観的、全体的に捉えるのが難しく、自分なりの
 偏り(歪み)で捉える傾向にあり、その結果気分が否定的になるというのが
 認知行動療法の基本的な考えです。

 認知行動療法を学ぶと、自分の考え方のクセを知ることができます。
 クセに気づくことで今までとは違った気持ちや行動へと変えていくことが出
 来ます。

 認知行動療法の特徴は「症状の改善が早いこと」、「教育的モデルに従って
 いるため、クライアント自身がどうして自分の問題症状が起きたかのダイナ
 ミックスを理解することができること」。そして、「自分で自分の感情や症
 状を管理できるようになること」が大きいと言えます。

 近年では、うつ病治療にも認知行動療法は用いられるなど、広く知られてき
 ています。

 このセミナーは認知行動療法の基礎知識、認知の偏り、どのように介入して
 いくか等を実習をまじえて行っていきます。

 

   講 師:小林展子
       (ポンティキュラス心理研究所代表)
       (心理学博士、臨床心理士)
          
   日 時:2014年8月23日(土)10:00〜17:00
                        24日(日)10:00〜16:30

   会 場:ゆうぽうと カルチャープラザ 5Fはまゆう(東京都品川区)
   
   参加費:ホームページにて申込受付 1名43,200円(資料代・消費税込)
        一般(電話・FAX・郵送申込)1名47,520円(資料代・消費税込)

       「心のスペシャリストの秘訣」スペシャリスト(有料)会員、
      及びメンタルヘルス協会会員 1名38,880円(資料代・消費税込)


               
   詳 細:  http://www.iryo.co.jp/cp/MMT-S2081-A1.html   


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  内容:
   ・認知療法とは
   ・自己観察エクササイズ
   ・認知と感情
   ・状況、感情、自動思考、行動を引き出すための質問例
   ・認知の偏りと修正
    −ストレスを創りやすい認知の傾向
    −認知の偏りの修正
    −分離と連合
    −事実に基づく ほか
   ・スキーマとは

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 




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 コラム:「愛とは相手のために時間を使うこと」

   ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★ 
      ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp 
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 最近のネットニュースで興味深い話題がありました。

 「高学歴親が子どもを追い詰める 理論攻めで子どもの逃げ場なし」
 (「dot.(ドット)朝日新聞出版)
  http://dot.asahi.com/news/domestic/2014061000043.html

 親子のコミュニケーションのズレの事例を紹介しているものでした。


 次のようなくだりがありました。
 
  −−−−−
  どこからを高学歴と呼ぶかはともかく、大卒の親の子育ては難しい」と話
  すのは、「子育て科学アクシス」を主宰する小児心理医の成田奈緒子さん
  (文教大学教育学部特別支援教育専修教授)。
  
  小児心理外来で長年親子の悩みを聞いてきたが、患者の多くが高学歴親の
  家庭だ。
 
  自分ができたことはわが子もできるという根拠のない思い込みをもち、子
  が別の人格であることを認識できない。

  自分のメンツを繕うことに執心するあまり、わが子に寄り添えていないケー
  スが目立つ。
  
  「高学歴は弁が立つ人が多いため自分のしゃべる時間がつい長くなり、子
  の意見を聞いていません。子どもの自発性、積極性が強化されづらい。そ
  こが鍛えられない彼らは自発的に動かないので、親はさらに焦る。悪循環
  なのです」(成田さん)
  −−−−−


 私が気になったのは、

 「子が別の人格であることを認識できない。」
 「子どもの意見を聞いていません。」

 という点です。

 上記の小児心理医の成田氏は、「いい子過ぎることが問題。子どもに感情を
 表出させる機会を与えていない。」と指摘されています。



 この事例と対応策を、交流分析の言葉を使って説明するとどうなるでしょう
 か? 

 杉田峰康先生の書籍「あなたが演じるゲームと脚本」 150ページに、先に触
 れた記事に登場する親に似たようなタイプと考えられる事例と、ストローク
 の大切さが示されています。

 この節のタイトルは「愛とは相手のために時間を使うこと」です。
 少し長いですが、引用します。

  −−−−−
  愛とは相手のために、相手本位に時間を与えることにあると考えます(T・
  ブラトエー)。
  
   〜略〜

  子供が成長する上でも、こういう「徹底的に自分本位の時間」を、親が共
  有してくれる体験が必要なのです。  

  不登校や心身症の親子関係を見ると、この「子ども本位の時間」が欠けて
  いることが少なくありません。

  親子の間に膨大な時間が費やされていたとしても、その時間のほとんどが
  親ペースで独占されているのです。

   〜略〜

  こうして一方通行的な交流のもとでは、子どもは自分の心中を訴え、理解
  してもらうための時間をまったくといっていいほど与えられません。

  その結果、不登校、問題行動、心身症という形で自分を訴えることになり
  ます。
  
  では、子ども本位の時間を親子が共有するとは、どういうことでしょうか。

  これに応えるためには「ストローク」という言葉の説明から始めなければ
  なりません。

  ストロークとは、もともと「なでる、さする」など体を愛撫する意味の言
  葉です。

  これに精神的な意味を加えたものを、交流分析では「ストローク」といい
  ます。

  言葉で褒めたり、目で同意を示すと言った動作や、もっと広く「私は、あ
  なたがそこにいるのに気づいていますよ」「あなたは、かけがえのない大
  事な人なのですよ」と、相手の存在や価値を認めるようなさまざまな刺激
  をストロークと呼びます。
  −−−−−

 この後、ストロークを与えたりもらったりする手段は3つあると、杉田先生
 は続けます。(同書、 151ページ)

  −−−−−
  1)スキンシップ:
    子どもを抱きしめたり、なでたりする。
    また、成人の間での握手や肩をたたき合うようなこと。

  2)言葉によるストローク:
    挨拶や話しかけたりしてその存在を認め、褒めたり励ましたりする。

  3)いずれでもない手段(著者注「態度」とでもいいましょうか):
    まなざし、うなずきなどで相手の存在を認める。
    何もいわずに、じっくりと相手の話に耳を傾ける。
  −−−−−

 したがって、「相手本位の時間=愛」とは、親が相手は自分とは違う存在と
 しての子どもを認め、何もいわずにじっくりと子どもの話に耳を傾け、温か
 いまなざしやうなずきで子どもの存在を認める時間を持つ、という形にまと
 められると思います。

 すなわち、思春期など大きくなってくると言葉や態度で、小さい子にはそれ
 に加えてスキンシップ(スキンシップも言葉以外の愛情表現ですね)で「そ
 の子が求めていること」を与えるというようなことです
 
 先の小児心理医成田氏が「子どもに感情を表出させる機会を与えていない。」
 ということが問題であると指摘しているところと、まさに表裏一体で一致し
 ています。



 交流分析では、傾聴は「最大のプラスのストローク」と言われるくらい、相
 手の存在を認めるパワーを持っています。

 傾聴の間は、相手を理解しよう、合意しかねる考えなどがあっても相手の存
 在そのものは認めようとする態度で、その人のために時間を使っています。

 それはまた、子どもも大人も持っている健全な甘えのニーズ(人に愛された
 い、受け入れられたいなど)を満たす行為・態度でもあります。

 親から「愛されている」「受け入れられている」と実感できる子どもは、他
 者への信頼感や自己肯定感へを抱けるようになり、それを土台として積極性
 や挑戦、自立などが生まれるのではないでしょうか?



 また、子どもに感情を表出させる機会を与えないという態度は、見方を変え
 ると、「子どものニーズを無視し、自分のニーズ・期待だけを満たそうとす
 る態度・関係」ともいえましょう。

 親自身の自分本位の時間は、子どもで満たすのではなく、親自身の世界・居
 場所にいる大人同士の人間関係で満たすことが必要なのではないでしょうか?

 喜怒哀楽を社会に適応している範囲で表現し、そんな感情も含めた話をじっ
 くり聴いてもらえて「受け入れられた、認めてもらえている」と感じること
 のできる人間関係(交流分析でいう「親交・親密」)を、親自身が作ってい
 くことが大切なのでしょう。



  
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 発行元:インターネット交流分析研究会 
 発行責任:森山貴代  moriyama@iryo.co.jp 
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 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928 
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