Transactional Analysis News 195

index No.20

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○○■○■○■○ ●交流分析メールマガジン 第195号     2012/02/29
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○○■○■○■○ http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,048部に発行
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 みなさま、こんにちは。
 2月最後の日は、関東地方は雪となりました。東京は、1月・2月より、3
 月に雪の降ることが多いと聞いたことがあります。寒い時期と暖かい時期が
 交互にやってくる気候になってきて、少しずつ春が近づいてきます。
 今日の雪を見ながら、春もそう遠くない・・・と思いました。
 
 今号でご紹介するセミナーは5月開催のもの。その頃はもうすっかり季節は
 変わっているのでしょうね。
 
                             (森山貴代)


■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)「ブリーフセラピーと交流分析
       〜しっかりと前を向いて歩むために〜」

 
【2】コラム:「ヒューマンエラーの権利」と「CP」 
 


【3】おしらせ:

  (1)「杉田塾が目指すもの」 〜杉田峰康先生からのメッセージ(2)〜



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 セミナー情報(1)「ブリーフセラピーと交流分析
              〜しっかりと前を向いて歩むために〜」
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 「交流分析」はパソコンを例にとって喩えると、アプリケーションソフト。 
 「ブリーフセラピー」は、アプリケーションを動かすための Windowsのよう
 なOSにあたると言われます。

 2009年9月に発行された「現代のエスプリ」の中で、江花昭一先生はこう書
 かれています。

  『効果的な要因を最大限に引き出すことを意識的に行うための新型OSが
   ブリーフセラピーである』。

 そして、

  『ブリーフセラピーでは、解決像(治療のゴール)を明確にし、そのリソー
   ス(資源)を探り、それを共有化する』、(交流分析は)『ブリーフセ
   ラピーとの共通点が多いことに気づくことができる』

 カウンセリングの中で、クライアントが問題解決へと目を向けるために、ど
 のような視点をもたれたのか、実際にかけた言葉は何だったか、といった内
 容もお話しいただく予定です。

 交流分析とブリーフセラピーの相乗効果による、問題解決への効果的な関わ
 り方を学びませんか。
                              チーム医療
 

 

   講 師:江花昭一
       (神奈川大学 健康科学スポーツ支援部 健康管理課 特別教授
        産業医)
     
   日 時:平成24年5月13日(日)10:00〜16:30

   会 場:きゅりあん 4階 第1特別講習室(東京都品川区)
   
   参加費:早割価格 18,900円(資料代・消費税込)
            (3月30日(金)17:00まで)
       ホームページにて申込受付 1名21,000円(資料代・消費税込)
       一般(電話・FAX・郵送申込)1名23,100円(資料代・消費税込)
       【いずれも予約前納制】
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q3297.html


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  内容:
   1)ブリーフセラピーとは
       〜ソリューション・フォーカスト・アプローチを中心に
   2)交流分析とは
       〜シンプルな交流分析と自律性の交流分析
   3)心理療法の明日のために
       〜しっかり前を向いて歩むこと

   ■参考図書「現代のエスプリ 506 交流分析の新たな展開」〔ぎょうせい〕

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 





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 コラム:「ヒューマンエラーの権利」と「CP」

   ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★
      ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
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 先日、チーム医療主催の平木典子先生の「アサーション(自己表現)トレー
 ニング」講座に参加しました。

 「アサーション権」についてのお話の延長で、「ヒューマンエラーの権利」
 についての話があり、それがとても印象に残りました。

 「アサーション権」の一つに「誰でも、過ちをし、そのことに責任を持って
 よい」というものがありますが、平木先生は最近「ヒューマンエラーの権利」
 について考えることがあるとのことです。

 「人は人間であるということ自身が、誤りや失敗をすることから免れない。」
 「人は失敗したら、完全には償えないかもしれないが、“償いたい”と自然
 と思うのではないだろうか?」ということのようです。

 ヒューマンエラーの権利の例として、先生は、ドイツでは、エラーはあると
 いう事が前提で、「エラーが起こったらどうするか?」を考えるが、日本で
 は、ヒューマンエラーの権利は念頭になく、「絶対にエラーがないように動
 く」傾向があると、違いをお話くださいました。

 厳罰にすると、試行錯誤もできないし、更生もできないのではないか? 
 ヒューマンエラーが義務のように償いを要求される世の中だから、エラーを
 しても開き直る人が出てきたのではないか? という投げかけもありました。

 
 
 奇しくもその日の夜、帰宅してネットニュースの色々な記事を見ていたら、
 「日本にヒューマンエラーの権利が念頭にない」といえるのかもしれない
 例を発見しました。

 
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 日本の家電各社が「ルンバ」を作れない理由 国内製造業の弱点はそこだ!!
 (MSN産経west 2012年2月11日)
  http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/120211/wec12021118000001-n1.htm     
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 その記事によりますと、今、円盤型掃除ロボット(ルンバなど)がとても人
 気であるにもかかわらず、日本の家電メーカーが発売していない理由として、
 次のようなことが書かれていました。

 少し長いですが、引用します。
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  「技術はある」。パナソニックの担当者はこう強い口調で話しながらも、
  商品化しない理由について「100%の安全性を確保できない」と説明
  する。

  例えば、掃除ロボットが仏壇にぶつかり、ろうそくが倒れ、火事になる 
  ▽階段から落下し、下にいる人にあたる ▽よちよち歩きの赤ちゃんの
  歩行を邪魔し転倒させる−などだという。 

  家庭で使う家電製品の第一条件は「安全性」だ。一方、日本の製造業は
  「リスクを極端に嫌う」傾向が強いため、開発の技術力がありながら、  
  獲得できる市場をみすみす逃しているケースも指摘されている。

  例えば、医療機器は製品の欠陥が人の生命に直結することが多い。事故
  を起こせば、メーカーに大きな打撃となり、会社の存続を揺るがす事態
  に発展することもある。

  医療機器に使うという理由で、リスクに対する懸念から部材メーカーが
  材料供給を躊躇(ちゅうちょ)する「部材供給拒否問題」も起きており、  
  経済産業省などが実態調査や対策に乗り出すといった動きもある。

  また、日本では「製造者だけでなく、製造・販売を許認可した国にも責
  任がある」として裁判で、国が被告となるケースが日本では少なくない。
  医療機器をめぐっては日本は欧米などと比べると規制が厳しく、複雑な 
  のが現状で、日本の医療機器産業発展の妨げの一因ともみられている。

  パナソニックの担当者は「日本企業は完璧(かんぺき)を求めがちだが、
  その過程の一部にも実はビジネスになるものがたくさんある」と指摘し
  た上で「海外企業をみていると、ときとしてアグレッシブにやることも
  必要だと感じる」と本音を明かす。
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 日本の製造業の品質の良さ(=ある意味、失敗を許さないものの見方)を
 象徴するアメリカンジョークもあります。

 アメリカ企業が日本企業に、不良品の割合を1000個の内1(または3)個
 以下にするようにと言ってきた際に、日本企業は、
 「不良品の設計図がないので送って欲しい」とか
 「そのような能力の会社が見つからなかったので、貴国の下請け会社に発
  注した」などと回答をよこす。というものです。
 

 ・・・交流分析にあてはめると、これのような「ヒューマンエラーの権利」
 を認めていないようにもうけとれる状態は、「厳しすぎるCP」なのでしょ
 うか?

 「CP」といえば、行き過ぎると他者否定の傾向を見せ、他者や失敗などを
 「許さない」こともありますが、自分の「AC」との行き詰まりに陥ると、
 厳しすぎる「べき」に自分自身が身動き取れない状態で苦しむことになり
 ます。

 最近、すぐ安易に「許さない」と大人だけでなく子どもの口からも耳にす
 る事があります。

 また、自らによるさまざまな「べき」で、自分らしさや自信を無くしてし
 まっている人にも出会うこと少なくありません(そういうことに陥ること
 のある自分も含めてですが)。

 一方、「CP」が低すぎて、道徳やルール、マナーを守らないルーズだった
 り他者への迷惑を顧みないようなできごともよく見聞きします。

 
 先述の「ヒューマンエラーの権利」についてもそうですが、もしかしたら現
 在の日本には「ほどよいCP」が上手く機能していないのではないだろうか?
 ・・・そんな感想を持ちました。


 「ヒューマンエラーの権利」とCPの関係について、今後も折に触れて考え
 ていきたいと思います。




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 おしらせ:(1)「杉田塾が目指すもの」 
          〜杉田峰康先生からのメッセージ(2)〜
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 前号で、杉田峰康先生ご自身による「杉田塾へのお誘いメッセージ」をご
 紹介しましたが、さらに先生ご自身から新たなメッセージをいただきまし
 た。

  「杉田塾の目標」
     ・・・杉田塾が目指すもの、学びの内容
 
  「あなたのご参加をお待ちします」
     ・・・交流分析理論の変遷と現状の紹介


 その一部をご紹介します。(「杉田塾の目標」より)

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   杉田塾は、統合的心理療法としての交流分析を学ぶことを目標とし、
   以下の内容について学びます。

   1.交流分析の基礎になっているPAC、ラケット感情、ゲーム、禁
     止令、対抗禁止令、脚本分析の母型などの理論をもう一度しっか
     りと復習します。

   2.精神分析の「自我心理学」から「自己心理学」への変遷と、乳幼
     児期の心の発達に関する理論の主なものを紹介し、新たな交流分
     析のアプローチの中核となる「転移」について学びます。
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 交流分析を動画で学ぶ通信教育「杉田塾」では、2009年、2010年に開催し
 たセミナー「統合的アプローチによる新しいTA」の内容を収録、再編集
 した動画を、毎月インターネットで公開します。

 視聴期間は2012年の一年間です。

 いつ入塾されても2012年に公開される動画はすべて視聴することができま
 す。

 時間に縛られることなく、あなたのペース、スタイルで学習して下さい。

 杉田塾のホームページには、今年毎年配信予定の動画の一部を試聴してい
 ただけるようになっています。ぜひご覧ください。

   http://www.iryo.co.jp/q3022.html  

 



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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代  moriyama@iryo.co.jp
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 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
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