Transactional Analysis News 182

index No.19

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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○○■○■○■○ ●交流分析メールマガジン 第182号     2011/01/28
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○○■○■○■○ http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,154部に発行
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 みなさま、こんにちは。
 新しい年は厳しい冷え込みや大荒れの天気でスタートしましたが、みなさん
 いかがお過ごしですか?
 私は、年末年始の冷え込みで、久しぶりに足にしもやけを作ってしまいまし
 た。
 道中で、膨らみつつある木の芽や春先に咲く花の蕾を見つけて、寒さのゆる
 むのが待ち遠しい今日この頃です。
 
 今号もどうぞお楽しみください。
                             (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)杉田峰康先生による
     「統合的アプローチによる新しいTA(3)」
      〜ハーガデン&シルズ著「交流分析」の症例の徹底研究〜
 
  (2)エーブ・ワグナー先生の直接指導!
     「よりよい人間関係とコミュニケーションスキル」
      BCBベーシックコース

  (3)杉田先生による「脚本分析と再決断ワークショップ」
 


【2】コラム:「新型うつの人へのTA的コミュニケーション」




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 セミナー情報(1)杉田峰康先生による
          「統合的アプローチによる新しいTA(3)」
           〜ハーガデン&シルズ著「交流分析」の症例の徹底研究〜
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 杉田先生による特別セミナー第5回です。

 杉田峰康先生の特別セミナー、今回はハーガデン&シルズ著「交流分析」 
 (日本評論社刊)の中でとりあげられている症例を徹底研究します。

 自己心理学の観点からみた症例=「自己の病」を、杉田先生と一緒に丁寧に
 ひもといていきましょう。皆様のご参加をお待ちしております。

 カウンセリングや心療内科的治療、看護、保育、教育に従事されている方は
 もちろん、研修講師としてご活躍の方々のご参加をお待ちしています。



   講 師:杉田 峰康
       (福岡県立大学名誉教授・同大学大学院講師
        日本交流分析学会理事長) 
          
   日 時:平成23年3月5日(土)、6日(日)

   会 場:日本工業大学神田キャンパス 3F 多目的ホール(東京都)

   参加費:ホームページにて申込受付 1名53,550円(資料代・消費税込)
       一般(電話・FAX・郵送申込)1名55,650円(資料代・消費税込)
       【いずれも予約前納制】
   
   詳 細:  http://www.iryo.co.jp/cp/MMT-S1884-A1.html  


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  内容(予定):
   復習 1)構造分析の二次モデル、2)D.スターンの理論(自己感)
   1.自己の発達
   2.作業同盟
   3.転移
   4.逆転移
   5.性愛的転移
   6.共感的な交流
   7.より大きな理論への発展

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 




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 セミナー情報(2)エーブ・ワグナー先生の直接指導!
          「よりよい人間関係とコミュニケーションスキル」
           BCBベーシックコース
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  「 BCB(Breaking the Communication Barrier)」とは、TA(交流分析)と
  NLPのスキルを用いて『コミュニケーションバリア』を切り開く方法を学ぶ
 セミナーです。

 エーブ・ワグナー先生の開発した「BCBプログラム」は、わかりやすい対
 人関係と自己理解の心理学「交流分析」と、自分が望む良い状態を手に入れ
 るための心理学「NLP(神経言語プログラミング)」を組み合わせた、実
 践的なコミュニケーションスキルです。

 「 BCB」は、「あの人」の考え方や行動の意味を理解し、「あの人」を変
 えるのではなく、「あの人との関係を変える」プログラムです。

 交流分析を有効に活用したい方にお勧めです。

 *次のコース 『ファシリテータ養成コース』 に進むには、本コースを修了
  していることが条件です。



   講 師:エーブ・ワグナー
       ( BCBプログラム開発者、国際TA協会教授会員) 
       ( NLPマスタープラクティショナー、社会学修士 )

   通 訳:楯 江里奈
          
   日 時:平成23年3月19日(土)9:30〜17:00
             20日(日)9:30〜17:00
             21日(月・祝)9:30〜16:00



   会 場:ゆうぽうと カルチャープラザ 5Fむらさき(東京都品川区)
   
   参加費:ホームページにて申込受付 1名83,000円(資料代・消費税込)
       一般(電話・FAX・郵送申込)1名85,000円(資料代・消費税込)
       【いずれも予約前納制】
                
   詳 細:  http://www.iryo.co.jp/cp/MMT-S1885-A1.html   
        ジョークが大好きなエーブ氏の講義中の動画も見ることがで
        きます。

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  内容:
   1.人の行動を理解する  〜自我状態〜
   2.人の考え方を理解する 〜視覚、聴覚と触運動感覚のチャンネル〜
   3.典型的なコミュニケーションのパターン 〜相補交流〜
   4.非効果的な人間関係のパターン 〜相互依存〜
   5.モチベーションのキー 〜ストローク〜
   6.スマートに問題を指摘する 〜建設的な対応(フィードバック)〜
   7.難しいケースにおいての対応 〜交差交流とペース合わせ〜

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 





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 セミナー情報(3)杉田峰康先生によるワークショップ
          「脚本分析と再決断 
              〜自己成長・臨床技法ワークショップ〜」
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   「人間は成長していく過程で、
  “いないことにされた私”を外に出して祝福してあげる必要があるんです」

                               杉田峰康



 ここでいう「脚本」とは、子供時代に親の影響のもとで発達し現在も進行中
 のプログラムのことです。

 人生のもっとも重要な局面でその行動を指図するもの、と言われています。
 いわば「無意識の人生計画」、「自分の生き方の癖」のようなものです。

 そして、その脚本に気づくための作業を「脚本分析」と言います。
 
 気づいた自分の「脚本」が、これからの生き方に必要なのかどうか判断し、
 もし必要がないのなら、よりよい生き方に軌道修正することを「再決断」と
 いいます。

 このワークショップでは、仕事上での悩みや人間関係の問題など、今あなた
 が直面している事柄を題材にした「脚本分析」や「再決断」の実体験から、
 本当の自分が見えてきます。

 また、共に語り共に学ぶこの勉強会は、お話を聞くだけの講習では得られな
 い実践的な技法修得を助けます。

 


   講 師:杉田 峰康
       (福岡県立大学名誉教授・同大学大学院講師
        日本交流分析学会理事長) 
          
   日 時:平成23年3月26日(土)13:30〜17:00
             27日(日) 9:30〜16:00

   会 場:ゆうぽうとカルチャープラザ 5Fはまゆう(東京都品川区)
    
   参加費:ホームページにて申込受付 1名50,400円(資料代・消費税込)
       一般(電話・FAX・郵送申込)1名52,500円(資料代・消費税込)
       「杉田塾」塾生の方は   1名48,300円(資料代・消費税込)
       【いずれも予約前納制】

                
   詳 細:  http://www.iryo.co.jp/cp/MMT-S1887-A1.html   
        「変わるパワーはあなたの中にある」〜杉田先生からの動画メッ
        セージ〜 も見ることができます。



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  内容:
   1.「脚本分析」の理論について
   2.ワークショップで取り上げる問題(例)
   3.ワークショップで用いる技法のいくつか

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us




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   コラム:「新型うつの人へのTA的コミュニケーション」

   ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★
      ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
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 今回のコラムは、書籍ナナメ読みシリーズです。
 
  タイトル:『あなたの身近な人が「新型うつ」かなと思ったとき読む本』
  著者:倉成央(くらなり ひろし)氏、すばる舎発行。



 最近、従来の「うつ病」と違った症状が現れる「新型うつ」という名称を、
 よく見聞きするようになって来ました。

 本書では、経営コンサルタントとして、また、カウンセラーとして、企業で
 働く人たちなどのカウンセリングの現場に関わってきた倉成氏自身が、その
 有効性を感じておられる「新型うつ」へのアプローチが述べられています。



 そもそも、「新型うつ」とは一体どんなものなのでしょうか?

 本書によりますと次のような特徴があるようです。

 従来型のうつは、自責の念が強かったり、四六時中落ち込みがちで、自分が
 辛くても「きちんとしなきゃ」というマジメさがあり、そのマジメさゆえに
 さらに辛くなるという悪循環になるといわれています。

 しかし、「新型うつ」は、他罰的で、うつ的な気分の状態の時はありますが
 休日や趣味など楽しめる元気な時があったり、やるべきことや納期・規則を
 守ることを回避しがちだといいます。

 従来型うつの人は、頑張りすぎる傾向があるので、「がんばらなくてもよい」
 「じっくり休養したらどうか」というコミュニケーションが効果的といわれ
 ますが、倉成氏によれば、新型うつにはかえって逆効果となることもあるそ
 うです。

 また、新型うつは、従来型うつの治療の王道である服薬と休養による回復が
 あまり見られない場合もあるといいます。

 

 では、どうしたらいいのか?



 本書では、交流分析の考え方を基本とした「コミュニケーション・スタイル」
 による新型うつの慢性化打開へのアプローチが紹介されています。

 まず、やりとり分析における、特に発信者側の5つの自我状態のどこで相手
 とコミュニケーションをとるのが有効なのか、5つのコミュニケーションス
 タイルの特徴と、従来型うつ・新型うつそれぞれへの有効性がまとめられて
 います。

 そして、具体的な様々な事例を、職場編と職場以外の身近な人編に分け、各
 事例に具体的なコミュニケーション例(基本となる考え方、セリフ例、など)
 が盛り込まれています。


 
 読み進めていくと、従来型うつと共通する部分もありますが、従来型うつへ
 のアプローチとは全く違った部分もあり、これからは新型うつについて理解
 を深めることの必要性を感じました。
 
 従来型うつと一緒で、一人一人が新型うつ病についての理解と、うつ病の人
 への関わり方の知識・スキルを身につけることが、職場や職場以外の日常生
 活で自分自身が過剰なストレスを感じなくてすむようになる方法の一つだと
 思いました。

 
 
 まとめとして最終章で、倉成氏は次のように述べています。

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   私は、「新型うつ病」は、「その人個人の病気」という問題だけでは
  なく、「社会全体のさまざまな問題のシグナル」である気がしてならな
  い。
   今こそ、私たちがこの問題に向き合わなければならないと、警鐘を鳴
  らしているのではないだろうか。
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 私も共感しました。

 職場や家族の悩み相談事例として、病気を発しているその人が「問題」のよ
 うに、しかもその人“だけ”が問題のようにみなしているケースを耳にする
 ことが少なくありません。

 その人さえよくなれば(=たいていは、「それを問題と思っている人の期待
 通りに変われば」)、問題は解決するのだと。
 
 確かに本人にも取り組む課題はあるだろうということは、私も否定しません。
 
 しかし、システム論的な考え方をすると、システムの中の要素は互いに作用
 しあってその状態を作っているわけですから、発症した人はそのシステムの
 歪みを何らかの形で表面化していると見ることもできるわけです。

 倉成氏は、「その人とよりよい状態を、そしてよりよい人間関係を作る絶好
 の機会にしてほしいと願っている。また、しなければならないと、私は思っ
 ている。」と締めくくっています。

 当人だけを「問題」として解決に当たろうとするのではなく、その人を含む
 職場や家族、人間関係そのものを見直していく必要があるのではないかと思
 います。



 私は最近、うつの人とのかかわりだけでなく、自分にとって不快なできごと
 やスッキリしないコミュニケーションがあった日は、なるべく次のようにふ
 りかえることを試みています。(先月のコラムの「怒り」の対処法として)

 「自分はいったい、このできごとの何に不快を感じているのだろう?」

 「なぜ、そういう感情をいだくのだろう? 
  その背景にどんな考え・価値観・期待があるのだろう?」

 「このできごとから私が学ぶことは何だろう?」

 「次に同じようなことが起こったとして、その時今回よりもおだやかにいら
 れるとしたら、どんなふうにしたらそうなれるだろう?」
 
 不快なできごとの引き金となった相手に対し、他責感情を抱くことで済ます
 ことは簡単です。

 しかしそれでは、毎回自分が不快になるだけで、何の進展もありません。

 どうせ心のエネルギーを消耗するのなら、自ら感じる不快感情によってでは
 なく、そうならないためにはどうしたらいいか考えるために、また、自分自
 身の成長のために使いたいものです。
 


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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代  moriyama@iryo.co.jp
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 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
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