Transactional Analysis News 171

index No.18

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第171号     2010/02/26
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2158名に発行
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 みなさま、こんにちは。

 今更なのですが、ネット上でうれしいニュースを発見したのでお知らせしま
 す。

 「まぐまぐ大賞2008 ロングラン部門」において、当マガジンが紹介されて
 いました!(最近気がつきました[苦笑])当時、創刊10年以上継続していた
  322誌の内の一つということです。
  http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/lr08.html 

 1998/9/4創刊後、前任者から引き継いだ私も、今年の6月で丸6年を迎えま
 す。「継続は力なり」という言葉をかみ締めています。
 今後も、みなさんに役立つメルマガを配信していく所存です。
 どうぞ今後とも、ご愛読よろしくお願いいたします。    (森山貴代)

 

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)エーブ・ワグナー氏直接指導
     「よりよい人間関係とコミュニケーションスキル 
       BCBベーシックコース」【再掲:時間変更】

  (2)杉田峰康先生と学ぶ
     「統合的アプローチによる新しいTA
      〜自己理解と共感的交流の実際〜」【再掲:追加情報】


【2】コラム:「会話型ロボットは“人間”にどこまで迫れるか?」


【3】お知らせ:TA研究部会主催講座のご案内




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 セミナー情報(1)よりよい人間関係とコミュニケーションスキル
           BCBベーシックコース
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  「BCB(Breaking the Communication Barrier)」とは、TA(交流分析)と
  NLPのスキルを用いて『コミュニケーションバリア』を切り開く方法を学ぶ
 セミナーです。

 エーブ・ワグナー先生の開発した「BCBプログラム」は、わかりやすい対
 人関係と自己理解の心理学「交流分析」と、自分が望む良い状態を手に入れ
 るための心理学「NLP(神経言語プログラミング)」を組み合わせた、実
 践的なコミュニケーションスキルです。

 「BCB」は、「あの人」の考え方や行動の意味を理解し、「あの人」を変
 えるのではなく、「あの人との関係を変える」プログラムです。

 交流分析を有効に活用したい方にお勧めです。

 次のコース 『ファシリテータ養成コース』 に進むには、本コースを修了し
 ていることが条件です。

 当初のご案内から予定時間が変わりましたので、再度お知らせいたします。


   講 師:エーブ・ワグナー
       ( BCBプログラム開発者、国際TA協会教授会員) 
       ( NLPマスタープラクティショナー、社会学修士 )

   通 訳:楯 江里奈
          
   日 時:平成22年3月20日(土)10:00〜18:00
                  21日(日) 9:30〜18:30
                  22日(月) 9:30〜14:00


   会 場:ゆうぽうと カルチャープラザ 5Fたちばな(東京都)
   
   参加費:ホームページにて申込受付 1名83,000円(資料代・消費税込)
       一般(電話・FAX・郵送申込)1名85,000円(資料代・消費税込)
       【いずれも予約前納制】
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/cp/MMT-S1821-10022X-A.html   


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  内容:
   1.人の行動を理解する  〜自我状態〜
   2.人の考え方を理解する 〜視覚、聴覚と触運動感覚のチャンネル〜
   3.典型的なコミュニケーションのパターン 〜相補交流〜
   4.非効果的な人間関係のパターン 〜相互依存〜
   5.モチベーションのキー 〜ストローク〜
   6.スマートに問題を指摘する 〜建設的な対応(フィードバック)〜
   7.難しいケースにおいての対応 〜交差交流とペース合わせ〜

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

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 セミナー情報(2)杉田峰康先生と学ぶ
          「統合的アプローチによる新しいTA
           〜自己理解と共感的交流の実際〜」
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 本セミナーはTAを学習された方限定で、より深くTAのスキルとノウハウを学
 習していただけるようになっています。

 現在、杉田先生はセミナーに向けて新たなテキスト原稿を執筆中です。

 先生が考えている内容の一部をご紹介しましょう。


    ・自己心理学から見た禁止令
    ・ベアトリスのケース(*)の詳細な解説
    ・二次構造分析の詳細な解説


  (*)書籍「交流分析 〜心理療法における関係性の視点〜」
     (日本評論社発行)内の「ベアトリスの物語」
     
     ベアトリスというクライアントのケースには、ドライバー、禁止令、
     ラケット、ゲーム、再決断療法など、交流分析のさまざまな概念が
     含まれています。


 カウンセリングや心療内科的治療、看護、保育、教育に従事されている方は
 もちろん、研修講師としてご活躍の方々のご参加をお待ちしています。



   講 師:杉田峰康(福岡県立大学名誉教授・同大学大学院講師)
           (日本交流分析学会理事長)
            
   日 時:平成22年3月27日(土)〜28日(日)  

   会 場:日本工業大学神田キャンパス 8F 801教室(東京都)
   
   参加費:ホームページからの申込の場合 1名53,550円(資料代・消費税込)
       一般(電話・FAX・郵送申込) 1名55,650円(資料代・消費税込)
       杉田塾塾生の方は 51,450円(資料代・消費税込)
       【いずれも予約前納制】
   
   備 考:限定24名、交流分析を学習されて基礎知識のある方対象
               
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/cp/MMT-S1822-10022X-A.html  


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  内容:
   1.統合的アプローチとしての交流分析 
   2.関係性モデルへの発展の背景を学ぶ(1)
   3.関係性モデルへの発展の背景を学ぶ(2)
   4.心理ゲームと転移
   5.統合的アプローチとしてのTA・ゲシュタルト療法
   
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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 




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   コラム:「会話型ロボットは“人間”にどこまで迫れるか?」

   ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★
      ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
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 2010年2月2日付けネットニュース記事によりますと、
 神奈川県の企業が「小型の人間型ロボット」を開発したとのこと。


   身長40センチの人間型ロボット発表、「シニア世代の話し相手に」
   /富士ソフト 2月2日16時15分配信 カナロコ
    http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1002020010/ 
 
 
 まずは工業高校や大学など教育機関を対象に、プログラミング教育など向け
 に先行発売され、来年度には一般向けにも販売の計画があるそうです。

 私がこの記事で興味を引いたのは、社長が会見で語った「シニア世代の話し
 相手や子どもの教育向けなどを想定している」言葉です。
 
 

 「話し相手」・・・どんなレベルの会話を想定しているのだろうか?
 というのが、最初の興味でした。

 「時間の構造化」でいえば、「儀式」的な挨拶、返事をするくらいなら可能
 だろうか?
 「雑談・ひまつぶし」の相手は、表面的な言葉への反応ならできるのかもし
 れない。
 しかし、「親交」まではいかない気がする。

 ・・・そんな風に、交流分析の視点から想像してみました。



 二つ目の興味は、お年寄りが求めている話し相手とは、どんな相手なのだろ
 う? ということでした。

 交流分析では、人はなぜ交流するのか? に対する理由の一つに「ストロー
 クを求める」というものがあります。

 交流分析でいうところのストロークとは、「その人の存在や価値を認めるた
 めの言動や働きかけ」を意味しています。

 そこには、あいづちや挨拶、名前を呼ぶといったことから、傾聴や親密度の
 深い性的表現まで含まれるといいます。時間の構造化でいう「親交」におけ
 る、二人がお互いに信頼しあい、相手に対して純粋な配慮を行う真実の交流
 も、もちろん含まれます。

 相手の話の表面的な言葉のやり取りに反応するなら、ロボットでも可能かも
 しれません。しかし人は、それだけではなく心の触れ合いを求めているので
 はないかと考えると、話し相手としては物足りなさを感じるかもしれないと
 思ったわけです。



 書籍「自己実現への道 交流分析(TA)の理論と応用」の「第三章 ストロー
 クおよび時間の構造化に対する人間の欲求」には、ストロークのレベルにつ
 いて次のように説明されています。

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 ポジティブなストロークには、相手に会ったときにいつも「こんにちわ」と
 いう挨拶を交わす程度の「現状維持ストローク」と呼ばれるものから「肝胆
 相照らす」といったきわめて親密なものまで価値はさまざまである。
 
 ストロークといってもごく表面的な触れ合いもある。それは現状維持のスト
 ロークとでもいうべき単純な交流である。それは通常それほど深い意味はな
 いが少なくとも承認を与え、コミュニケーションを開放的なものにし、そし
 て相手の側の生きているという感覚を維持する効果を持っている。(p.69)
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 相手の言葉に耳を傾けるということは人に与えることの出来るストロークの
 中で最もよいものだ。

 積極的な傾聴は熟考的な傾聴ともいわれ、相手が述べたことや相手の行為の
 内容に関する言語的なフィードバックを相手に与え、その言われたことばや
 行為の裏にある感情の推測を伴うものである。こうした事は言葉で表現され
 るものである。

 真の傾聴は必ずしも相手に対して同意を示すことを意味しない。相手の気持
 ちやその人の視点を明確にし理解してやることを意味するだけである。
 (p.72,73)
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 また、人の「表現」は複雑です。

 言葉だけでなく、声のトーン・テンポ、顔の表情や身体の態度でも表現しま
 す。時に、言葉と言葉以外のものが不一致な場合もあります。

 例えば、「顔で笑って心で泣いて」、「イヤよイヤよも好きのうち」、など
 真に伝えたいこととは別の表現をする場合もありますよね。

 現代の技術でどこまでそれを汲み取れるのかにも、興味があります。



 かつて読んだことのある手塚治虫の漫画「火の鳥・復活編」では、量産され
 た事務ロボットが人間と交流を重ねるうちに恋愛感情を抱くようになります。
 
 未来には、心を通い合わせることのできるレベルに到達するロボットの出現
 も可能性としては否めません。



 そんなこんなつらつらと、交流分析の視点から会話ロボットのことを考えな
 がら、私はいずれ年老いても、生身の「人」と言葉を交わし、時に語り合い
 もして心を通わせたいと強く思いました。
 
 決してロボットを否定しているわけではありません。
 むしろ、ロボットもいまや現状維持ストロークに近いものを与えることがで
 きるかもしれない時代に、人と人が、いえ、私自身が他者ともっとよりよい
 関係・コミュニケーションを築けないでどうする? と思ったのです。

 表面的な話ができる人しかいない老後を想像すると、とてもさびしい気持ち
 になりました。

 そうならないためにも、今、身近にいる家族や友人、仕事・勉強仲間との交
 流を大切にしよう、とあらためて思いました。 
 



 参考:「ふれあいの心理学」 桂 戴作、杉田峰康著、チーム医療

    「自己実現への道 交流分析(TA)の理論と応用」
      M.ジェイムス、D.ジョングウォード著
      本明寛,織田正美,深沢道子訳、 社会思想社

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 お知らせ:2010年度 TA研究部会主催講座のご案内
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  TA研究部会(東京)では、来年度の講座を企画中です。

 予定されている主なテーマは、ストローク、脚本とナラティブ・ブリーフセ
 ラピー、ラケット、交流分析とストレス対処行動、ディスカウントなどです。

 また、10周年特別イベントも行われるとのこと。

 詳細は、3月下旬から4月中旬にかけて、ホームページに公開されます。

 会員以外の参加も可能です。
  

 ▼詳細: TA研究部会  http://www.ta-kenkyubukai.jp/




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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代  moriyama@iryo.co.jp
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