Transactional Analysis News 167

index No.17

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第167号     2009/10/29
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2166名に発行
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 みなさま、こんにちは。

 近所のスーパーでは、今月早々から「年賀状印刷予約」「おせち予約」など
 ののぼりが立っていました。「早いなぁ」と思っていましたが、10月も下旬
 になってくると、そうでもないように思えてきます。

 年末に向けてだんだんとあわただしくなってくる時期ですね。そんな時だか
 らこそリラックスする時間を作りませんか?        (森山貴代)



■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)「いつでも、どこでも、リラックス! 自律訓練法」
      〜 お手軽! 夜間2時間セミナー 〜

 
【2】コラム:「“上から目線”って?」




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 セミナー情報(1)「いつでも、どこでも、リラックス! 自律訓練法」
           〜 お手軽! 夜間2時間セミナー 〜
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  「自律訓練法」は、1932年にドイツの精神科医のシュルツ教授によって体系
 化されました。自律神経のバランスを回復させる治療技法として、心療内科
 や精神科などの医療現場でも使われています。

 また、体に意識を向けて心へ働きかけることで、心身の緊張を解くリラクセー
 ション法として有効で、心身へのさまざまな効果が実証されています。

 身体的効果:疲労が回復、眠りが良くなる、血圧、胃腸などの機能が好転、
       免疫力が高まり病気を予防
  
 精神的効果:ストレスを解消、イライラが解消し落ち着く、不安が軽減し穏
       やかになる、脳が活性化し集中力・判断力が向上

 エゴグラムの形でFCが低くACが高くかつその差が大きい、いわゆる心身症患
 者に見られがちなパターンの方や過剰適応の傾向がある方にもおすすめです。

 
 今回は、お仕事帰りに気楽に立ち寄っていただける夜間2時間講座で、自律
 訓練法の練習・実践に役立つ気づきのワークを中心に行います。



   講 師:新井典生(電機メーカー、人材開発、メンタルヘルス関係業務)
         (大阪商工会議所メンタルヘルスマネジメント検定第1種)

          
   日 時:平成22年1月22日(金)18:30〜20:30【夜間】  

   会 場:日本工業大学神田キャンパス 3階 多目的ホール(東京都)
   
   参加費:ホームページにて申込受付 1名3,000円(資料代・消費税込)
       【予約前納制】
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q2033.html  


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  内容:
   ・「受動的注意集中(*) 」を体感する
   ・自律訓練法の標準練習
   ・セミナー終了後の個人での練習方法について

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   (*)「受動的注意集中」とは、能動的でなく受身的に、「さりげなく、ぼん
   やりと対象に注意を向ける」ことです。
   自然に湧いてくる雑念や外界からの雑音を、そのまま味わい、ながめ、
   受け入れていくような状態になります。からだの変化に気づきやすくな
   ります。


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 




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コラム:「“上から目線”って?」

   ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★
      ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
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 最近「上から目線」という言葉を見聞きするようになりました。
 みなさんご存知ですか?

 私はその意味を未だによく理解していません。
 
 興味を持ってちょっと使われ方をネットで見てみたら、いろいろな解釈があ
 るようです。


 ・自分のことを棚にあげて相手より上の立場のような視点からものを言う
 ・相手のことをよく理解せずに勝手な思い込みで意見を押し付ける、または、
  決め付ける
 ・自分の方が偉いように聞こえる物の言い方、相手を見下した態度

 ・・・など。

 時に、プロに対する一般人からの批評や評価のコメントを読んだファンの人
 が、発言者に対して「上から目線だ」と批判したりすることもあるようです。



 「上から目線」と相手に対して言う人は、相手の何からそれを感じるのでしょ
 うね。
 
 態度? コンテンツ(話している事柄)? その言い方や使う言葉?

 自分はそのつもりがなく話したのに、相手から「あなたは上から目線だ」と
 言われて戸惑った体験例なども出ていました。

 
 
 「上から目線」とはいったいどういうことなのか、交流分析的に考えたくな
 り、世の中や他者を批評する人に対して言われるケースではなく、「話し手」
 と「聞き手」との会話においてということに限定して考えてみました。(あ
 えて「聞」の字にしておきます)

 様々な体験談を読んでみて感じたことは、「上から目線」という言葉は、ど
 うやらディスカウントと関係がありそうだということです。

 話し手が聞き手をディスカウントしているか、もしくは、話し手は対等のつ
 もりや親切のつもりであっても、聞き手の劣等感が刺激された場合にも使わ
 れているような印象です。

 前者の場合は、「上から目線だ」と言われても仕方がないのかもしれません。
 
 

 後者はちょっと面倒ですね。そして、ちょっとわからなくなりました。みな
 さん一緒に考えてみてください。

 ここで、TAではおなじみの、自我状態の特徴と「やりとり分析」の図を思い
 出してください。

 「A」の自我状態でいることを判断する手がかりの一つに「対等な話し合い」
 という特徴があります。AとAで行われる会話は対等と言えるでしょう。
 
 やりとり分析の図でも、AがPとCの間にあって、A同士の会話は並行した
 矢印で示されます。

 では、次の会話は対等なのでしょうか?
 PからC、PからA、AからCへの発信は、矢印が上から下に向きます。
 これが対等とはいえないのであれば、何なのでしょうか?



 これらの発信の全てが、相手をディスカウントしているわけではないと思う
 のですが、「上から目線」という言葉を使う人たちは、もしかしたらこういっ
 た矢印が上から下に向かうやりとりに、何かこだわりがあったり敏感なのか
 もしれないと思いました。

 その感覚ゆえに、たとえば、親切や励まし、評価やリードする相手に対して
 「上から目線」と感じているともいえないでしょうか?

 もしそうだとすると、この場合は話し手の問題ではなく、聞き手、すなわち
 「上から目線」という言葉を安易に使う方に何かがありそうです。



 「上から目線だ」という言葉の前に、何を含んでいるのか気になります。つ
 まり「(  は)上から目線だ」の( )の部分です。

 「あなたの今の言い方は、その考え方は」という部分否定ならまだしも、も
 し、「あなたは」という意図が含まれているのだとしたら、それは建設的な
 人間関係という点から考えると望ましいことではないでしょう。

 「あなたは」という言葉で始まる人格否定は、無条件のマイナスのストロー
 クであり、それはディスカウントにつながると考えます。
 ですから、「(あなたは)上から目線だ」と言う人がいたとしたら、言って
 いるその人自身が上から目線なのではないかと思うわけです。

 ディスカウントとしてこの言葉を使うことは、相手が自分より上の立場にな
 ることが許せないこと(あるいは対等さえも)に通じ、その人の人間関係観
 に「対等」ではないものを感じます。



 また私は、「上から目線」という言葉を安易に使うことには賛成しません。
 問題をすり替えているようにも思えるからです。

 話し手が、何か問題や話題を共有したくて発信しても、それを「上から目線
 だ」と相手そのものに矛先を向けることで、話し合いが中断されたり話題が
 それてしまい、結果として聞き手は問題そのものから目をそらしてしまうの
 ではないか? と思うからです。

 この言葉が、人と向き合わない、問題と向き合わない常套句として使われな
 いことを祈ります。



 みなさんは、「上から目線」についてどんな考えや意見をお持ちですか?



 「上から目線」から、「ディスカウント」ややりとり分析における「対等」
 について考えてみましたが、そこは私の推測の域を出ず中途半端で終わって
 しまいました。この点については自分の中で復習しようと思います。



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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代  moriyama@iryo.co.jp
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