Transactional Analysis News 160

index No.16

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第160号     2009/03/25
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2261名に発行
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 みなさま、こんにちは。そろそろ各地で桜開花の便りが聞こえ始めましたね。

 学校や企業などの年度の切り替わりの大半がこの時期であるせいか、お正月
 とはまた違った「新しい1年のスタート」という気分になります。

 今年は、ワークライフバランスを考え、健康に留意した生活スタイルを試み
 たいと思っています。昨年度後半、自分に無理を課しすぎたせいで、今月後
 半にとうとうたまっていたストレスに限界が来て、体調不良で寝込んだ3連
 休となりました。ストレス発散にと忙しいさなかでも遊びの日程を確保し、
 FCは存分に活躍してくれていましたが、身体を休めるということをしなかっ
 たツケでした。                     (森山貴代)



■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)「産業保健スタッフ・管理職のための
        メンタルヘルスの基礎」
  
  (2)「栄養指導のためのコミュニケーションスキルアップ講座」
        〜交流分析(TA)とその効果的な活用〜
 
【2】コラム:「相手に“添う”ということについて」



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 セミナー情報(1)「産業保健スタッフ・管理職のための
              メンタルヘルスの基礎」 
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  現代は「ストレスの時代」とも言われており、「こころの問題」がクローズアッ
 プされています。そして、働く人の「こころのコミュニケーションやメンタル
 ヘルス」の大切さが叫ばれています。

 患者さんを全人的に(身体面も心理面も社会面も合わせて)診ていこうとする
 のが心療内科ですが、メンタルヘルス活動は予防、早期発見、復職、再発予防
 が目標です。

 このセミナーでは、メンタルヘルス活動をされている産業保健スタッフや管理
 職の方々に、ストレスコントロールの観点から自律訓練法や効果的なコミュニ
 ケーションスキルを含めて、メンタルヘルスに役立つ知識をわかりやすく解説
 すると同時に、メンタルヘルスの実践のしかたをご提供します。
 


   講 師: 芦原睦(中部労災病院心療内科部長)
           (同院勤労者メンタルヘルスセンター長) 
           (日本心身医学会理事・日本心療内科学会理事)

               梅本和比己(株式会社チーム医療 代表取締役)
             (日本交流分析学会認定交流分析士)
             (サンタフェNLP/発達心理学協会認定トレーナー)

   日 時:平成21年5月23日(土)  

   会 場:あうるすぽっと 3F 会議室B(東京都豊島区)
   
   参加費: 1名 通常価格 25,200円(資料代・消費税込)
       ホームページからの申込みの場合 23,100円(資料代・消費税込)
       【いずれも予約前納制】
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1374.html   


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  内容:
    ●働く人のストレスと対処行動【芦原睦】
     1)働く人とストレス
     2)ストレスへの対処とメンタルヘルスケア
    
    ●うつ病と復職支援【芦原睦】
     1)うつ病と予防・診断
     2)治療・復職・再発予防

    ●ストレスコントロールと自律訓練法(AT)【芦原睦】
     1)AT概論、標準練習
     2)産業領域への導入のしかたと実践

    ●人間関係のストレスとよりよいコミュニケーション【梅本和比己】
     1)信頼関係と関係性づくり
     2)フィードバックと承認
     3)自発性と目標の明確化

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



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 セミナー情報(2)「栄養指導のための
             コミュニケーションスキルアップ講座」
           〜交流分析(TA)とその効果的な活用〜
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 栄養指導における交流分析の効果的な活用法を、交流分析の普及につとめて
 いらっしゃるお二人の先生から学びます。

 芦原睦先生は、「自己成長エゴグラム・SGE」開発者のおひとりであり、
 また、書籍「心の中の5人家族 〜彼らが織りなす人生ドラマ 〜交流分析
 における構造分析と脚本分析の活用〜」の著者でいらっしゃいます。 
 日本交流分析学会理事(認定交流分析士、認定研修スーパーバイザー)でも
 おられます。

 梅本和比己先生は、日本交流分析学会認定交流分析士でもあり、これまで、
 交流分析を始めとした他のコミュニケーション技法も含めた栄養士指導をさ
 れてきました。著書に「栄養指導のためのコミュニケーション技法」があり
 ます。


   講 師: 芦原睦(中部労災病院心療内科部長)
           (同院勤労者メンタルヘルスセンター長) 
           (日本心身医学会理事・日本心療内科学会理事)

               梅本和比己(株式会社チーム医療 代表取締役)
             (日本交流分析学会認定交流分析士)
             (サンタフェNLP/発達心理学協会認定トレーナー)
   
   日 時:平成21年6月27日(土)  

   会 場:全国町村会館ホールA  (東京都千代田区)
   
   参加費: 一般 19,950円 
        臨床栄養実践塾・各都道府県栄養士会会員の方 17,850円
        チーム医療ホームページからのお申込みの方 16,800円
       (いずれも資料代・消費税込)
            
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1364.html  


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  内容:

      ●栄養指導に役立つ効果的なコミュニケーションの技法
     受容と共感 
     信頼関係をつくる 
     栄養指導に役立つTA、NLPほか 

   ●患者理解に役立つ交流分析理論
     交流分析の哲学 
     3つの欲求理論とその応用 
     構造分析と交流パターン分析 

   ●エゴグラムを用いた行動変容と患者さんへの対応
     自己成長エゴグラム・SGE 
     エゴグラムの読み方と活用法 

   ● 栄養指導に役立つ自己理解
     気づきとは 
     指導・援助者自身に必要な気づき 
     どのようにして気づくか 
     気づいた分だけよい指導、援助ができる 
     患者さんとの関係は変えることができる
 
   ※内容は変更になる場合もあります。 
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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



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コラム:「相手に“添う”ということについて」

      ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★
             ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
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  先日体調を崩してしまい、事情があっていつもと違う大きな総合病院に行きま
 した。初診受付のコーナーに行って並んでいると、横から30歳前後と思われる
 母親のとげとげしい声が聞こえてきました。

 「泣かないの! 何度言ったらわかるの!」

 私も具合が悪くてそこにいるのですが、体調がよくないときにこういうトーン
 の声を聞くと、ますますしんどい気分になります。

 さすがに真横にいるであろう母親に首を向けるのはあからさまだろうと思い、
 横目で弱々しい泣き声のする方向を見ました。そこには、バギーに乗った3才
 前くらいの男の子。涙をぽろぽろ流して弱々しく泣いていました。

 母親はとてもいらだっていて、「泣かないの! 静かにしなさい!」とまた言
 います。子供は辛いのを受け止めてもらえないからか、とうとう「痛いよー」
 と泣きながら訴え始めました。

 母親はますます腹立たしそうに、「泣かないの! 病院に来る人はみんな痛い
 の! しんどいの!」 と言うばかり。子供はますます泣くだけでした。 やり
 とりを聞いている私の方も切なくなってきます。

 子どもとしては、NPの心で「痛いのね、辛いのね。」と言って、抱っこしてほ
 しいところでしょう。言葉も身体感覚も、暖かいストロークがなくて辛そうで
 した。

 その段階で私が受付から呼ばれたので、母子がそれ以降どうなったかはわから
 ないのですが、私は「この母親自身が、幼い頃辛かったり痛かった時にその気
 持ちに添ってもらえなかったのかなあ」などと、想像しました。

 そう思うと、この女性が苦しがる子どもに向かってとげとげしい反応をしてい
 ることを、それまでよりは穏やかに受け止めている自分がいました。

 「子どもの苦痛を受け入れない人」というレッテルを貼るのではなく、普段は
 優しいところもあるのだろうけれど、「子どもの苦痛に対して、今日はこのよ
 うな反応が精一杯の何か事情があるかもしれない人」ととらえることで、その
 人への気持ちが和らぎました。

 と同時に、このお母さんも子どもに対して「苦痛が我慢できない子」と決めて
 しまうのではなく、「“今日は”我慢できないほどの苦痛がある子」と、時期
 限定や、部分批判(全人格的に批判するのでなく)でその子を見ることができ
 たら、どう対応したのだろう? と思いました。



 「〜〜(悪いこと)〜をする子」「〜〜(良いこと)〜をしない子」とあるタ
 イプに当てはめてしまうと、その子に対して、それが前提の言動しか発せなく
 なります。相手を「だめな子」と思っていると、自然とストロークもマイナス
 ばかりになることでしょう。
 
 しかし、子どもを「何らかの事情や欲求で、〜〜(悪いこと)〜という表現し
 かできない子」「何らかの事情や欲求で、〜〜(良いこと)〜をしないという
 形でしか表現できない子」という風にとらえて相手に添おうとすると、怒る側
 も相手に逃げ道を与えないほど冷徹に詰め寄ったり、ばっさり切り捨てるよう
 な対応はしないですむのではないか?

 相手に対する見方の違いは、コミュニケーションの違いに現れ、そのようなコ
 ミュニケーションの積み重ねの差は「関係」の質の違いにもなっていくだろう。

 相手が子どもに限らず、大人であっても・・・。

 ・・・診察の順番を待ちながら、そんなことを考えていました。


 
 親から「だめな子」という見方が前提でのストロークをもらい続ける子どもと、
 「だめな子のような言動でしか何かを訴えられない子」というとらえ方での関
 わってもらえる子どもとでは、本人の自己イメージもずいぶん変わるような気
 がします。
 
 先日、卒業式を前に急に学校に行けなくなった子どもさんの話を耳にしました。
 その子の親御さんは、その子を「学校に行けない子」としてその行動を問題に
 して責めるようなことはせず、「学校に行けないという言動でしか何かを訴え
 られない子」として、その現象の背景にある気持ちの理解につとめようとした
 そうです。
 
 すると、その子は学校でのできごと、勉強や友だちに対する悩みなどをぽつり
 ぽつりと語ってくれたそうです。それは、日頃のその子からは想像もできなかっ
 たことで、親御さんは話を聞いて初めて「ひとりで抱えていたんだね」と思っ
 たのだそうです。

 その子が親御さんに話ができたのも、親御さんがその子に「添おう」としたこ
 とが伝わったからだろうな、と思いました。



 進級・進学、入社、転居など、新しい環境に身を置く人も多いこの季節には、
 それに慣れるまでに不安や戸惑い、恐れなどを感じていたり、人によっては体
 調不良になったりそこへ行けなくなったりすることもあるかもしれません。

 そんな時、その現象だけを見て「だめな子(人)」と決めつけず、そのような
 形で何かを訴えている人というふうにとらえて、その子(人)に「添って」み
 てはいかがでしょうか?



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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代  moriyama@iryo.co.jp
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 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
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