Transactional Analysis News 157

index No.16

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
 ■■■ ■
  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第157号     2008/12/25
  ■ ■■■ 
  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,440名に発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 みなさま、こんにちは。2008年も間もなく終わろうとしています。
 みなさんにとって、この1年はどんな年でしたか?

 ある忘年会で「この1年で一番思い出に残ったこと」というテーマで語り合う
 機会がありました。私にとってそれは、ここ数年毎年訪れている八重山諸島の
 旅で撮影した写真が、フォトコンテストに入賞したことでした。
 そんな楽しかった(というより感激した)思い出を語ると、またその時の喜び
 がよみがえり、きつかったこともあったけれどもいい1年だったと、満足感が
 沸いてきました。

 嫌なことがあったとしてもそれにとらわれ続けるのではなく、楽しかったこと、
 うれしかったことの方を思い出す方が、元気になれますね。
 あたりまえのことですが、1年を振り返るこの時期に、あらためてそう感じま
 した。                          (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)「ゲシュタルト療法1日入門セミナー」〜「今、ここ」での気づき〜
  
  (2)杉田峰康先生の「交流分析1日入門」
 
【2】お知らせ:
 
  (1)TA関連商品(セミナー、書籍、 DVD)キャンペーン:1/12まで

  (2)書籍:「笑顔は心のオアシス」〜母親笑顔教室の20年〜 

  (3)訃報:グールディング氏(再決断療法)

【3】コラム:「とりあえず聴いてみよう」



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 セミナー情報(1)「ゲシュタルト療法1日入門セミナー」
           〜「今、ここ」での気づき〜
-----------------------------------------------------------------------


  NPOゲシュタルトネットワークジャパン理事・講師である百武正嗣先生直々
 にご指導いただく、またとないチャンスです。

 ゲシュタルト療法は、「今、ここ」での気づきを重視する実践的な心理療法
 です。ゲシュタルトとは、まとまった全体という意味のドイツ語です。人間
 の外部の世界をバラバラな寄せ集めとして認識するのでなく、意味のある一
 つのまとまった全体像として知覚(気づき)します。 

 そのことを通して、「今、ここ」に生きる、「今、ここ」での気づきを重視
 する実践的な立場をとっています。

 ゲシュタルト療法はまた、交流分析では「TAゲシュタルト」「再決断療法」
 として脚本分析へのアプローチの方法として用いられています。

 交流分析の応用編として、知識やスキルを身につけていけるワークショップ
 です。


   講 師:百武正嗣(東京理科大非常勤講師)
           ( NPOゲシュタルトネットワークジャパン理事・講師)

   日 時:平成21年2月11日(水・祝)  

   会 場:きゅりあん 5F 第2講習室(東京都品川区)
   
   参加費:1名 通常価格 21,000円(資料代、税込)
       ホームページからの申込みの場合 18,900円(税込)
       【いずれも予約前納制】
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1158.html  


  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   1.ゲシュタルト療法について
     ゲシュタルト療法を学ぶ3つの原則
     ゲシュタルト療法の理論
     気づきの3つの領域  

   2.ゲシュタルト療法の「体験レッスン・ワーク」
     気づきのレッスン
     気づきの3つの領域のレッスン
     からだへのアプローチ
     からだ・感情などの焦点(フォーカシング)の当て方

   3.個人ワーク

  -------------------------------------------------------


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 セミナー情報(2)杉田峰康先生の「交流分析1日入門」
-----------------------------------------------------------------------


 「わかりやすい自己理解と対人関係の心理学」といわれる交流分析は、文字
 通り人と人との交流を分析する実践的心理学です。初めて触れる方にはわか
 りやすく、また学習すればするほど奥の深さが分かってきます。

 このセミナーは、皆様にもっと交流分析に親しんでいただくため、特別に参
 加費を 3,000円とさせていただきました。

 ご講演は、ご存じ日本における交流分析の第一人者・杉田峰康先生です。
                            (チーム医療)


   講 師:杉田峰康(福岡県立大学名誉教授・大学院講師)
           (日本交流分析学会理事長)
   
   日 時:平成21年2月22日(日)  

   会 場:あうるすぽっと 3F 会議室(東京都豊島区) 
   
   参加費:1名 通常価格  3,000円(税込)
                   
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1256.html  


  -------------------------------------------------------
  
  内容:(検討中:交流分析の基本の理解をねらいとしています)
                             
  -------------------------------------------------------


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 お知らせ(1)TA関連商品(セミナー、書籍、 DVD)キャンペーン:1/12まで
-----------------------------------------------------------------------


 長年交流分析関連のセミナー実施、書籍・ DVD販売などで実績を積んできた
 株式会社チーム医療が、創業30周年記念キャンペーンとして、交流分析関連
 のキャンペーンを実施中です。1月12日まで、セミナー、 DVD、書籍がキャ
 ンペーン価格で提供されます。


  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   ・セミナー:杉田峰康先生の「交流分析1日入門」
   ・講演会:アルフォンス・デーケン先生の「死生学入門」
   ・杉田峰康先生のDVD 「目で見る自己像と人間関係」
   ・杉田峰康先生のDVD 「あなたのゲームと脚本を探る」
             「自己理解と対人関係の心理学」
   ・倉成 央先生の新刊
    「大人たちのいじめ対策講座 子どもの心を守るために」
                         
   (詳細: http://www.iryo.co.jp/ 「交流分析キャンペーン」)
  -------------------------------------------------------


 ▼ お問合せ: http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 お知らせ(2)書籍:「笑顔は心のオアシス」〜母親笑顔教室の20年〜
-----------------------------------------------------------------------


 交流分析を学んだ人の多くが、理論はわかっても実践は難しいと言われます。
 この本には、交流分析理論の中でも、人間関係に最も活かせる“ストローク”
 の理論をわかりやすく説明してありますし、学んだ人たちから寄せられた実
 践記録や座談会での生の声が集められています。正に生活に活かせる交流分
 析ともいえる本です。

 著者は、CHR研究所の小山田治子氏。
 親子関係や職場の人間関係に交流分析が活かされれば社会全体が変わってくる
 と信じ、企業内教育30年、母親教育20年のキャリアで、人間関係、心の健康に
 関する予防教育を実践していらっしゃいます。



   著 者:小山田治子(CHR研究所 所長  http://www.c-h-r.com/ )
   定 価:1,800円(税込み)
   発 行:CHR研究所 2008年12月 (自費出版)

 

  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   ・笑顔は心のオアシスの上梓に寄せて
   ・母親笑顔教室20年をふりかえって
   ・小山田治子と話そう
   ・仲間からの寄稿
   ・心の強い子どもを育てるには
   ・笑顔のちから・笑顔は人生の花
   ・CHR母親笑顔教室のアルバム  
                         
   (詳細: http://www.c-h-r.com/book.htm )
  -------------------------------------------------------


 ▼ お問合せ:CHR研究所 http://www.c-h-r.com/from.html 



-----------------------------------------------------------------------
 お知らせ(3)訃報:メリー・グールディング氏(再決断療法)
-----------------------------------------------------------------------


 去る12月7日、再決断療法を開発したメリー・グールディング氏がお亡くな
 りになりました。
 
 交流分析の理論に、ゲシュタルト療法、行動療法などを併用させたこの再決
 断療法で、幼い頃の早期決断に伴う思い込み(禁止令)に気づき、新たな効
 果的な解決方法を選択することを決意し実践している方も、数多くいらっしゃ
 ることでしょう。

 ご冥福をお祈りいたします。



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
コラム:「とりあえず聴いてみよう」
-----------------------------------------------------------------------


 あるところで、思春期のお子さんとのコミュニケーションに悩む方のお話を
 うかがいました。

 子どもが学校でのできごとなどを話しかけてくるけれども、若者言葉や略語
 の意味が分からないので問い返すと、「もういいよ・・・」と、そこで話が
 中断してしまうとのこと。



 その場にいた他の方々はそんな時どう対応しているのか聞いてみたところ、
 いろいろな経験談が出てきました。

  「子どもが『もういいよ』と話をやめても、『そういわずに教えてよ、聞
  かせてよ』と興味を示して粘ってみる。」

  「言葉の意味は分からなくとも、とりあえず話をある程度まで聞く。
  それから、相手が一番伝えたいのだろうと思われる部分や気持ちについて
  の感想を『詳しくはわからないけど・・・のようね』などと述べた後から、
  分からないところを尋ねると、『そんなことも知らないの?』と教えてく
  れる。」

  「本人の気持ちと関連のありそうな言葉の場合、その意味が分からなくて
  も、とりあえずはその言葉をくり返し反応しながら話を聞いてみる。
  その後で、聞ける時はその意味を聞く。または、後から他の子どもや同世
  代の子どもを持つ人などに教えてもらうこともある。」

 そうすることで、会話が続くのだという例があがりました。



 なるほど! 

 子どもが話しかけてきて、こちらが話の途中で言葉の意味を尋ねた時に子ど
 もが面倒がったりすねてしまう場合、もしかしたら子どもは、話の細かい意
 味よりも先に、自分の体験の大枠、気持ちを理解して欲しくて話しているの
 かもしれませんね。

 子どもの話の中に分からない言葉が出てきた時すぐに確認したくなる行為は、
 親御さんとしては、子どもが言っていることの意味や話の内容をちゃんと理
 解したいという気持ちのあらわれなのでしょう。

 しかし、話している子どもにしてみれば、もしかしたら、いちいち話の腰を
 折られるようなことになっているのかもしれません。

 

 私は、学生時代に1週間のホームステイが含まれるアメリカ旅行に行った時
 のことを思い出しました。英語が不得意なのに海外旅行への憧れで行ってみ
 たはいいものの、会話にはほとほと困りました。

 相手がどうしても伝えたそうなキーワードが分からなかった時は、「ちょっ
 と待って」と、英和辞書を見せてその言葉を指し示してもらいました。が、
 重要でなさそうなところでも自分の不安解消のためにイチイチそれをやると、
 相手もうんざりしてくるのが分かりました。
 そういう時は、なんとなく、声の調子や表情などから、楽しい話なのかまじ
 めな話なのかなどを判断して、それに合わせた表情で対応していました。
 
 結局話の細かいところは分からずじまいなのですが、その人がどんな気持ち
 の話をしたかったのかはなんとなく通じた気がしていました。

 

 言葉がまだ未発達の小さな子どもと話すときも、同じようなことをしている
 なぁと、ふと思い出しました。

 小さい子が何かを要求している話の時は、何を要求しているか理解してあげ
 ないといけないなぁと思う一方で、「ただ話したいんだな、ただ聞いてほし
 いんだな」というのが分かる時は、細かい言葉の意味より、その子の「話し
 たい、聞いてほしい」ということそのものに応えていることもあるなぁと。

 後者の場合であっても、小さな子の言っていることが分からない時、「え?
 なぁに?」と聞き返すこともありますが、相手の言った口ぶりや表情を真似
 て「〜なのねぇ」と応えると「うん。そう。」などと言ってお話は終わりま
 す。その子は、案外それで満足そうだったりすることがあります。



 思春期の子どもの場合にも、このようなことが当てはまるのではないかと、
 みなさんと話していて思いました。

 子どもは子どもで、若者言葉ではない言葉で話そうとしてもその語彙が少な
 かったり、自分軸で話し、相手の立場に立って相手にわかりやすく伝えると
 いう意識が低いという、彼らにとっての課題もあるかと思います。

 大人側、特に親や指導者的な立場にいると、ついそれを矯正したり伝えたく
 なることもあるのかもしれませんね。

 また、大人側には時に、ちゃんと理解したい(といっても結局はその人なり
 に、なのですが)、全てを理解しないといけない、理解した上で反応せねば
 ならない、といった動機が存在する場合もあるでしょう。

 しかし、それらに基づいた反応や要求をするよりも先に、彼らの「話したい、
 ただ聞いてほしいだけ」というニーズに応えて、話を途中で折らずに「まず
 は耳を傾けてみる」のもいいのではないでしょうか?

 大人の側が、子どもの話のへの理解が多少あいまいであっても、理解しよう
 という姿勢を示し、その話の背景にある「気持ち」を受け止めることができ
 た時、子どもはもっと話したくなったり、相手にもっとわかってもらおうと
 補足や話し方の工夫をするのではないだろうか?
 そんな風に考えたできごとでした。



 冬休みや年末年始は、普段より家族で話をすることも多いかと思います。
 楽しい会話が弾むことをお祈りしています。



 今年一年も、ご愛読ありがとうございました。
 良いお年をお迎え下さい。 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
 moriyama@iryo.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
 このメールマガジンの他に『まぐまぐ』からの『ウィークリーまぐまぐ』も届
 くようになります。ご了承下さい。必要のない方は『まぐまぐ』のホームペー
 ジから解除できます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
  
 


index No.16