Transactional Analysis News 150

index No.15

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第150号     2008/05/25
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,552名に発行
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 こんにちは。自宅仕事デーにこのメルマガの原稿を仕上げていると、開け放っ
 た窓の外から、地域の防災放送が聞こえてきました。光化学スモッグが発生し
 たと。そんな季節になってきたのですね。

 それを聞いて窓を閉めました。しかし、実は、窓を閉めたら放送はほとんど聞
 こえません。

 いつぞやの台風の時も、何度か防災放送を耳にしたことがありました。が、窓
 が閉めていたので、音声は聞き取れても内容は聞き取れませんでした。

 「これでいいのかな? このしくみ・・・」と、私の「A(考える私)」がつ
 ぶやいた昼下がりでした。                  (森山貴代)



■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)自分も相手も元気になる「聴く&訊く」コミュニケーション

  (2)よりよい人間関係とコミュニケーションスキル
     エーブ先生直接指導 BCBベーシックコース 東京
     
     エーブ先生の動画コーナー、ファシリテーターブログのご案内

  (3)TA研究部会 2008年度講座年間スケジュールのご案内

【2】杉田峰康先生新DVD 発売されました!
   「自己理解と対人関係の心理学 〜本格的に学ぶ交流分析の基礎理論〜」

【3】コラム:「“自殺対策に関する意識調査”を読んで」



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 セミナー情報(1)自分も相手も元気になる
             「聴く&訊く」コミュニケーション
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 【有滝先生からのメッセージ】
 
 「自分も相手も元気になるコミュニケーション」は、コミュニケーションス
 キルの中心である「聴く」&「訊く」の二つのスキルでかなりの部分をカバー
 できます。

 この「カウンセリング」と「コーチング」のスキルを中心にコミュニケーショ
 ンを再確認しませんか。
 
「聞く」のではなく共感性の発揮をして「聴く」。そして「訊く」ことで相手
 の気づきやリソースを引き出す。このことを体験を通してスキルアップしま
 しょう。
 
 研修終了後に「何だか元気になりました!」と感じてくださったら幸いです。
 必ず職場や家庭などで活かせる内容です。 



  講 師:有滝 功(慶應丸の内シティキャンパス客員コンサルタント)
      
  日 時: 平成20年6月22日(日) 9:30〜17:30

  場 所: 島根イン青山 2F・パインコート (東京都港区) 

  参加費: 1名 25,200円(資料代・消費税込)
        webからのお申込は1名23,100円(資料代・消費税込)
       いずれも【予約前納制】



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  内容:
    1.共感性とコミュニケーション
    2.「聴く」コミュニケーションを磨く
    3.「訊く」コミュニケーションを磨く
    4.「目標の明確化」スキルを使ったコーチング演習
    5.まとめと質疑応答 

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  詳細・お申込みはこちらから: http://www.iryo.co.jp/q556.html 



 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療
   http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us




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 セミナー情報(2)よりよい人間関係とコミュニケーションスキル
          エーブ先生直接指導 BCBベーシックコース 東京

       エーブ先生の動画コーナー、ファシリテーターブログのご案内
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 エーブ・ワグナー先生の開発したBCB(Breaking The Communication Barrier)
 とは、
  ・わかりやすい対人関係と自己理解の心理学「交流分析」
  ・自分が望む良い状態を手に入れるための心理学「NLP(神経言語プロ
   グラミング)」
 を組み合わせた効果的で実践的なコミュニケーションスキルです。

 今回は、米国でマネジメント・コンサルタント、リーダー訓練、著述、講演
 などで幅広く活躍しているエーブ・ワグナー先生から直々に指導を受けられ
 るまたとないチャンスです。

 講座の内容のみならず、エーブ先生ご自身の姿からファシリテーターとして
 のあり方を学べる貴重なセミナーです。



 また、このたび、エーブ先生に指導を受けたファシリテーターたちのブログ
 紹介コーナーができました。各人のお人柄をうかがえます。ぜひご覧下さい。

     「 BCBファシリテーターのブログ紹介コーナー」
        http://www.bcb.jp/facili/bloglist-main.html  




  講 師:エーブ・ワグナー(国際TA協会教授会員・ NLP教授)  
     「エーブ先生からのメッセージ」
      http://www.bcb.jp/abemessage.htm 
     「エーブ先生の動画」
      http://www.iryo.co.jp/qtaandnlp

  通 訳:楯 江里奈

  アシスタント:梅本和比己( BCBファシリテーター)
     
  日 時: 平成20年5月30日(金) 10:00〜17:00  ※全3日間
             31日(土)  9:30〜17:30
           6月1日(日)  9:30〜16:00

  場 所: 新宿NSビル3F 南ブロック 304会議室(東京都新宿区)

  参加費: 1名 85,000円(資料代・消費税込)
        webからのお申込は1名 83,000円(資料代・消費税込)
       いずれも【予約前納制】


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  内容:
     1.人の行動を理解する 〜自我状態〜
     2.人の考え方を理解する 
        〜視覚、聴覚と触運動感覚のチャンネル〜
     3.典型的なコミュニケーションのパターン 〜相補交流〜
     4.モチベーションのキー 〜ストローク〜
     5.非効果的な人間関係のパターン 〜相互依存〜
     6.難しいケースにおいての対応 〜交差交流とペース合わせ〜
     7.スマートに問題を指摘する 
        〜建設的な対応(フィードバック)〜

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  詳細・お申込みはこちらから: http://www.iryo.co.jp/q453.html 



 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
   http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us




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 セミナー情報(3)TA研究部会 2008年度講座年間スケジュールのご案内
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 TA研究部会は、産業界へのTA普及に貢献された社会産業教育研究所 故岡野
 嘉宏所長主催で1983年に発足し、2000年から会員有志から成るボランティア
 の運営委員会で企画・運営されている、TA(Transactional Analysis :交流
 分析)とその隣接領域について学ぶ自主勉強会です。

 そのTA研究部会の2008年度講座年間スケジュールが発表されました。

 各分野でご活躍の先生方をお招きしてTAと周辺領域について学ぶ講座が、ほ
 ぼ毎月1回開催される予定です。


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  講座例:
   第1回 6月14日(土)   TAエクササイズ 2008
            〜カラダとココロで感じるTA〜
   第2回 7月12日(土)   メンタリング・プログラム
            〜異世代間交流による生涯発達支援〜
   第3回 8月9日(土)   より自分らしく生きる
            〜カウンセリングとアサーションを通して〜
   第4回 9月13日(土)   TAと臨床
            〜よりよいラポールを作るために〜
   第5回 10月11日(土)   精神分析とTA
            〜これからのTAと心理療法を含めて〜
   第6回 11月8日(土)   家族療法
            〜個と家族と集団をつなぐ 見立てと技法〜
   第7回 12月13日(土)   
       「自分のこころの声」をきく 「孤独力」を身につける
            〜人間性心理学にもとづいて〜
   第8回 1月10日(土)   論理療法とTA
            〜エリスとバーン、両博士の治療哲学を基にして〜

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  詳細:TA研究部会のホームページ  http://www.ta-kenkyubukai.jp/ 




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 杉田峰康先生新DVD 発売されました!
   「自己理解と対人関係の心理学 〜本格的に学ぶ交流分析の基礎理論〜」
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 去る4月26日に発売された、杉田峰康先生による交流分析の誕生から治療的
 自己の確立までを完全解説した DVDは、おかげさまでご好評をいただいてお
 ります。
 
 「あの内容のボリュームであの価格!」とのお声もあるその DVDの内容の一
 部を、無料視聴していただけます。(ご視聴いただくには、 WEB登録、ログ
 インが必要になります)
 
  「エゴグラム入門」(無料視聴)
  http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=demovideo1 
 
 現在「エゴグラムの説明とつけ方」「エゴグラムの見方」「エゴグラムの活
 用方法」が視聴可能です。
 自己理解を深め、よりよい人間関係のためにご活用下さい。



  DVD 「自己理解と対人関係の心理学
        〜本格的に学ぶ交流分析の基礎理論〜」  

  監 修:杉田峰康 
  収録時間:約8時間30分 
  定 価:21,000円(本体20,000円+税5%)
       http://www.iryo.co.jp/q642.html 

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  内容:
   1.交流分析の背景にあるもの
   2.構造分析
   3.自我状態の機能分析
   4.人間関係を良くするために:相性を探る
   5.交流分析の目的
   6.ストローク理論
   7.基本的な構え(人生の立場)
   8.時間の構造化
   9.交流パターン分析
   10.健全な人間関係を阻むラケット感情
   11.治療的自己(池見、杉田)
  
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  詳細・お申込みはこちらから: http://www.iryo.co.jp/q642.html 




 【既存DVD との比較】

  ●「あなたのゲームと脚本を探る −より深く学ぶ交流分析−」
    (2007年12月発売) 詳細: http://www.iryo.co.jp/q405.html 
   
   交流分析の真髄ともいえる「人生脚本」と「ゲーム」に特化した内容に
   なっています。今回発売の「自己理解と対人関係の心理学 〜本格的に
   学ぶ交流分析の基礎理論〜」には、この部分はほとんど含まれていませ
   ん。
   姉妹版の位置づけになっていますので、セットで学習されることをお勧
   めします。

  ●「交流分析/ふれあいの心理学」(2002年10月発売) 
   詳細・視聴: http://www.iryo.co.jp/q131.html 

   交流分析の入門編です。
   構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析、脚本分析の基本を学ぶこと
   ができます。




 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療
        http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us




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コラム:「“自殺対策に関する意識調査”を読んで」
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 今月中旬、内閣府から初めての自殺に関する全国的な意識調査の結果が発表
 されました。

  「自殺対策に関する意識調査」
     http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/survey/report/index.html 




 その結果によると、成人の約2割(19.1%)が「今まで本気で自殺したいと思っ
 たことがある」という問いに「はい」と答えていたそうです。
 特に、20代・30代ではその比率がさらに高くなるという結果だったそうです。

 さらに、「ある」と答えた人に、そのとき誰に相談したか聞いたところ、相
 談した相手としての順位は以下の通りでした。

  1.「友人」(17.6%)
  2.「同居の親族(家族)」(13.9%)
  3.「同居の親族(家族) 以外の親族」(4.9%),「医師」(4.9%)
  5.「職場関係者」(3.2%)

 となっており、カウンセラーや、公的機関、民間機関の相談員への相談経験
 は、その後に続きます。

 これは、お互いに心の交流があるような対人関係に支えられるという点から、
 ソーシャルサポートの情緒的サポートと考えられるでしょう。身近な関係で
 信頼できる人がいることがいかに大切かを感じさせる結果だと、私はとらえ
 ました。




 興味深いことに、「自殺」というレベルではなく「悩みやストレスに関する
 こと」というレベルで「不満や悩みやつらい気持ちを受け止め、耳を傾けて
 くれる人がいるか」については、
  
  1.「同居の親族(家族)」(69.1%)
  2.「友人」(51.9%)
  3.「同居の親族(家族)以外の親族」(27.4%)
  4.「近所の知り合い」(8.3%)
 
 という順位でした。

 精神的苦痛が不満や悩みといったレベルを通り越し、自殺したい気持ちほど
 までに自分が苦しくなった時は、同居の親族には心配かけまいという気持ち
 が働くのでしょうか・・・?




 しかしながら、もっと注目すべきは、自殺を考えたときに「相談したことは
 ない」と答えた人が6割を占め、相談したことがある人(32.7%)を大きく
 上回っていることです。




 この結果を見て、私は最近のできごとを思い出しました。




 親しい先輩の一人が1年ほど前「うつ」になり職場を休職されました。
 日頃とても元気で、仕事とオフタイムの時間のバランスをとるのもとてもう
 まい方だと思っていましたが、そういう方がうつ病と診断され、驚いたもの
 です。

 私がメンタルヘルスなどの勉強もしていることを知っていて、時々状況を知
 らせてくださっていました。気になってこちらから様子を聞くこともありま
 した。

 その方は一度復職しましたが、再発し、そしてまた復職し、現在は「抜け出
 せた」と自ら確信を持っていえるほどの状況まで来られたようです。

 2〜3ヶ月前だったでしょうか、「一時は歯磨きしたりお風呂に入ることす
 ら億劫で動きたくなかった時期があった」と初めて聞きました。

 それだけでも驚いていたのですが、最近、「実は死んでしまいたいと思った
 時期もあった」と、初めて聞かされたのでした!

 詳しくは突っ込みませんでしたが、その話を聞いた時のご本人の語る雰囲気
 や口調から、そういう状態に陥っていた時誰にも相談しなかったであろうこ
 とが容易に想像できました。




 なぜ誰にも相談しなかったのか? どうやって最悪の状態から抜け出せたの
 か? いずれまた機会があったら聞いてみたいと思っていますが、今はとも
 かく、先輩がまた生きることに希望を持って日々を過ごしていらっしゃるこ
 とに、本当にうれしく思います。

 


 ・・・今回の自殺に関する調査結果を読み、私はまた、こんなことを思いま
 した。

 自殺する人の精神状態は孤独である、と、どこかで聞いたことがあります。
 
 また一方で、「こころの絆療法」(誠信書房:稲村博著)には、たとえ話を
 聴いてくれた人が見ず知らずの電話相談員であっても、死のうとしている自
 分のことを真剣に思ってくれている人が一人でもいるとわかった時、人は自
 殺を思いとどまるといったようなことが書かれていた記憶があります。

 偶然最近ナナメ読みした「自殺者のこころ 〜そして生きのびる道〜」(誠
 信書房:E・S・シュナイドマン著、白井徳満+白井幸子訳)には、シュナイ
 ドマン博士の自殺の理解の核心にあるものとして、「自殺者は死ぬことをめ
 ざして死ぬのではなく、耐えることのできない精神的苦痛(サイキエイク)
 から逃れようとして死ぬ」という思想があると書かれていました。

 そういう意味では、自殺しようとしている人は死にたくて死ぬのではない、
 死なずにすむ方法が見つかれば生きていきたいのかもしれないとも考えるこ
 とができるのかもしれません。
 
 しかしながら、“本人にとって”は、生きたいけれどもう生きていられない、
 死という形でしかその苦痛から自分を守ることができないくらい追い詰めら
 れた状況なのであろうとも考えられるのではないかと。




 本当は生きたいからこそ、身近な人やいのちの電話などへ SOSのサインを送
 る人もいる一方で、残された身近な人たちによる「何も気づかなかった」と
 いう話も耳にします。

  SOSのサインは、当の本人が発信しない場合もあれば、発信していても周り
 が気づかないこともある・・・。人間関係、コミュニケーションの難しさを
 感じます。

 受信する側・キャッチする側も、心身のコンディションが整っていて心に余
 裕や安定感がないと逃してしまうのだろうなと思ったりもしました。

 今の世の中は、自殺者が3万人を超え続けているだけでなく、一見普通に暮
 らし勤めているような人たちの中にも、かなり疲労度が蔓延しているような
 印象があります。

 自殺、自殺の引き金にもなるうつ病の早期発見早期予防のために、「サイン
 をキャッチしよう」とよく言われますが、キャッチする側に疲労感がつのり
 心の余裕がなくなっている状態だとしたら、キャッチが難しい状況となるで
 しょう。

 昨今メンタルヘルスの「セルフケア」ということが推奨されてきていますが、
 たとえ世の中の構造的な問題があったり個々人でできることに限界はあるに
 しても、精神的危機に陥らない予防対策は、やはり一人一人がストレスケア
 や支えあう人間関係をつくる努力を惜しまないことが基本のような気がしま
 した。

 そして、相手の立場に立って相手を理解できるような心の感受性を高めてお
 くことも必要だなとあらためて思いました。

 

 
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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
 moriyama@iryo.co.jp
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 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
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