Transactional Analysis News 142

index No.15

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第142号     2007/09/28
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,500名に発行
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 みなさま、こんにちは。
 中秋の名月、ご覧になられましたか?秋ですね。
 私の住む神奈川県の自宅周辺では、わずかな草原に銀色のススキの穂や赤い
 ヒガンバナの花を見つけることができ、季節の移り変わりを楽しんでいます。

 今回は、以前にご案内したセミナーの会場が決定したという情報や、周辺領
 域のセミナーなどをご紹介します。 
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)杉田峰康先生の
     「交流分析基礎理論」会場決定

  (2)有滝功先生の
     「NLPライフコーチングとコミュニケーション」会場決定

  (3)メンタルヘルス・マネジメント2種対策講座&検定試験

  (4)百武正嗣先生の
     ゲシュタルト・ワークショップ 「今、ここで」の気づき


【2】イベント情報
  
   日本交流分析学会 特別講習会
   「Vann Joines 先生による人格適応論の基礎と応用」


【3】コラム:「“C”のエネルギー」



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 セミナー情報(1)杉田峰康先生の
          「交流分析基礎理論」会場決定
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  140号でご案内した、「交流分析基礎理論」セミナーの会場が決まりました
 ので、あらためてご案内いたします。

 講座の詳しい内容は、
 ・バックナンバー( http://www.iryo.co.jp/ta-net/ta-mm/back-no/141.htm )
 ・下記詳細ページ
 を、ご覧下さい。
 

   講 師:杉田 峰康(福岡県立大学名誉教授・同大学大学院講師)

   日 時:平成19年12月1日(土)〜2日(日)  

   会 場:あうるすぽっと3F 会議室B(東京都豊島区)
   
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q386.html 



 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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 セミナー情報(2)有滝功先生の
         「NLPライフコーチングとコミュニケーション」会場決定
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  140号でご案内した、「NLPライフコーチングとコミュニケーション」セミ
 ナーの会場細が決まりましたので、あらためてご案内いたします。

 講座の詳しい内容は、
 ・バックナンバー( http://www.iryo.co.jp/ta-net/ta-mm/back-no/141.htm )
 ・下記詳細ページ
 を、ご覧下さい。


   講 師:有滝 功(慶應丸の内シティキャンパス客員コンサルタント) 
   
   日 時:平成19年12月9日(日)  

   会 場: あうるすぽっと3F 会議室B(東京都豊島区)
   
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q333.html 



 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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 セミナー情報(3)メンタルヘルス・マネジメント2種対策講座&検定試験
          −組織内における、
           上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進−
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 交流分析を学んでいる方の中には、この理論をメンタルヘルス(心の健康管
 理)と関連づけて学びを深めている方もいらっしゃることでしょう。

 現在、働く人たちの心の病による休職や離職、自殺の増加が深刻な社会問題
 となっています。その様な中で、2006年から、大阪商工会議所の主催で、
 職場のメンタルケアを目的とした検定試験が開始されました。

 職場内のそれぞれの立場の方々がメンタルヘルス対策に必要な知識・技術・
 態度を幅広い分野から体系的に習得できるカリキュラムになっています。
 
 チーム医療は、独自の特徴とノウハウを活かして、心療内科医、カウンセラー、
 安全衛生管理者などの各分野の専門家による試験範囲を網羅した講義と検定
 試験対策を行います(開催地、名古屋および東京)。

 講義終了後に、検定試験をその場で実施致します。



 【名古屋】
   講 師:芦原 睦(中部労災病院 心療内科部長)
       新井典生(山一電機株式会社 総務部長)
       倉成 央(敬愛ビジネス学院 学長)
       梅本和比己(株式会社チーム医療 代表取締役)
   
   日 時:平成19年10月19日(金)〜20日(土)
 
   会 場:愛鉄連厚生年金基金会館(名古屋市内)  
   
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q349.html 
       2日目対策講座の終了後、試験を実施いたします



 【東京】
   講 師:江花 昭一(横浜労災病院 心療内科部長)
       新井典生(山一電機株式会社 総務部長)
       倉成 央(敬愛ビジネス学院 学長)
       梅本和比己(株式会社チーム医療 代表取締役)
   
   日 時:平成19年11月10日(土)〜11日(日)
 
   会 場:新宿NSビル(東京都新宿区内)  
   
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q373.html 
       2日目対策講座の終了後、試験を実施いたします



 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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 セミナー情報(4)百武正嗣先生の
         ゲシュタルト・ワークショップ 「今、ここで」の気づき
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  「再決断療法」を可能にし、「NLP」を生み出した、
            ゲシュタルト療法による問・題・解・決 


 ゲシュタルト療法は交流分析では「TAゲシュタルト」「再決断療法」として
 脚本分析へのアプローチの方法として用いられています。 NLPは3人の天才
 (ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、家族療法のバージニア・サティ
 ア、医療催眠のミルトン・エリクソン)の臨床場面の技法から生まれました。
 このようにゲシュタルトは様々な心理療法、コミュニケーション技法のもと
 になったものです。

 今より「もっとカウンセリングの技術をアップしたい」、「実践的な技法を
 習得したい」「ビジネス、教育、社会福祉の現場のコミュニケーションを効
 果的にしたい」という人たちのためのワークショップです。
                             (講師より)



   講 師:百武 正嗣(NPOゲシュタルトネットワークジャパン理事)  
   
   日 時:平成19年10月27日(土)〜28日(日)

   会 場:あうるすぽっと3F(東京都豊島区内)
   
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q393.html 


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  内容:
   1.ゲシュタルト療法の理論について
   2.気づきの3つの領域
   3.ゲシュタルト療法の技法のいくつか
                            など
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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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 イベント情報:日本交流分析学会 ヴァン・ジョインズ先生特別講習会
        「Vann Joines 先生による人格適応論の基礎と応用」
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 「TA TODAY」の著者であるヴァン・ジョインズ先生が来日し、「人格適応論」
 についての講習会が実施されます。
 


   講 師:Vann Joines Ph.D(ヴァン・ジョインズ)
       通訳/白井幸子
   
   日 時:平成20年3月22日(土)〜23日  

   会 場:日本大学文理学部百周年記念館国際ホール(東京都世田谷区)

   主 催:日本交流分析学会/日本交流分析学会渉外委員会

   詳 細: http://www.js-ta.jp/event-080322.html 




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コラム:「“C”のエネルギー」           
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 9月後半、“C(子どもの自我状態)”のエネルギーの強さを実感したり、
 その強いエネルギーの健康的な解放の必要性を感じた日々でした。



 16歳の少女が手斧で父親を切り殺したという痛ましい事件が起こりました。

 この事件に限らず、犯罪のニュースでは時折、犯人について描写する近所の
 人や関係者の口からは、「まじめな人だったのに」とか「あんなにおとなし
 い人が・・・」と語られることが少なくありません。

 今回の事件の少女もまた、周囲からはそのようなタイプに見られていたよう
 です。

 様々なニュース記事から少女のイメージ像を探ってみると・・・
 
  近所の人からは「きちんとあいさつができる子」「おとなしい子」、
  中学校の教師からは「“本当に”まじめな子(「“”」筆者加筆)」、
  中学の先輩からは「反抗したり、きれたこともない、普通の子」

 などと本人像が語られたようです。

 取調べをしている警察でもまた、「おとなしく、礼儀正しい」という印象が
 あるようです。

 小学校高学年のころ既に「お父さんにたたかれる。嫌い」と同級生にもらし
 たことが明らかになってきていたり、中学時代の同級生の一人は「たまに訳
 のわからんキレ方をしてた。教室で女友達が普通に使う言葉にキレてた」と
 振り返っていたようです。

 しかし、このコラムを書いている現在では、少女が父親を殺すに至った経緯
 はまだ不明瞭な点が多いようです。家族もまた事件直後の事情徴収では、母
 親は「父親が嫌いということは以前、聞いたことがあったが、信じられない」
 という趣旨の話をし、長女は「父はすごく優しくて暴力など無かった」と述
 べたそうで、少女の心の世界になにが起こっていたのか、家族も分からない
 ようです。



 他者から見て「まじめでおとなしい子」は、本当にまじめでおとなしくして
 いたかったのだろうか?・・・ふとそんなふうに思いました。

 幼時決断という点から見ると、何かをきっかけにそのようなスタイルで他者
 とかかわることを、「本人が選択した」とみなすこともできるのかもしれま
 せん。
 しかし、そういう振る舞いをしないと自分の居場所がなくなったり、ストロー
 クが得られないからという苦渋の選択だったとしたら、不本意なことなのか
 もしれないと考えてみたりしました。



 もっと自由な自己表現がしたい、だけど(相手がどんな反応をするのか分か
 らないので、不安で)「できない」。
 自由な自己表現をしてこなかったから、やり方が分からない。
 私自身の思春期の頃を振り返ると、そんな風にもがいていた姿があります。

 人を殺めるという行為には、かなりのエネルギーを要する気がします。
 それほどまでに、少女の中にはエネルギーがあったのでしょうか。

 少女に限らず私達は、いやな気持ちを感じたとき、もっと、その場か早いう
 ちに、そして、小出しに表現できるチャンスが必要ではないでしょうか。
 また、それに耳を傾けを受け止めてくれる存在も必要ではないでしょうか。

 自分を自由に表現できないケースには、本人側の課題もあるでしょうけれど、
 させない関係・雰囲気がある可能性も考えられます。
 AC(あわせる私)が高い人は、学校や家庭などの周囲の雰囲気や、また特
 定の個人との関係において、そういうことを敏感に感じ、ますますそれに
 「あわせる」ことで、自分の居場所を確保してきたのではないだろうか。

 生きづらさをかかえていた自分を振り返ると、そんな風に思えてきます。

 私の場合は、そのエネルギーは他人に向かず、自分に向きました。
 今思うと「うつ状態」だったと思います。物悲しく、むなしく、自分も大嫌
 いで。自分のことを大切にしていませんでした。自分が何が好きで、なにが
 嫌いで、何がうれしくて、どうしたいのかも、あまり分かりませんでした。
 人には、すぐ謝ってばかりいました。

 自分を殺める という行為にはおよびませんでしたが、そうしたいような思
 いに覆われてしまった時期もありました。

 自分自身のケースにもまた、健全にうまく放出されていないエネルギーを感
 じます。

 
 「C」の持つエネルギーは、安全に、健全に、建設的・創造的に、自分の内
 外に流れていけるようにしたいものだ、と、今回の事件について思いをめぐ
 らせました。



 ところで、最近の私は、「C」のエネルギーを安全に健全に放出できた体験
 をしました。9月の最後の3連休に、田んぼを題材にして「伝えるスキル」
 を学ぶ環境学習系の体験学習に参加してきたのです。

 目的の「伝え方」を学ぶこともはたせましたが、副産物で、童心に返って
 「C」のエネルギーを解放し、自然や人からまたエネルギーをいただくとい
 ううれしいお土産もついてきました。



 はだしで池の中に入り、ゲンゴロウやタイコウチ、ミズカマキリなどの水生
 昆虫を参加者同士で競争して捕まえ、水槽に入れて観察しました。

 虫取り網でチョウやトンボを追いかけました。私は捕まえられませんでした
 が、捕まえた人に見せてもらいました。チョウにもトンボにもいろんな種類
 がいるのがわかりました。また、羽や体や目の色のなんと美しいことだろう!
 と感激しました。誰にも教えられずに、綺麗な模様を体にまとい、夕日が透
 ける透明な羽をつくり・・・。自然の創造主は偉大です。

 かえるは捕まえませんでしたが、私が歩くたびにピョンピョンとあわてる様
 がおかしくて、笑っていました。

 無視に夢中になっていると見落としてしまうような、小さな草花をじっと観
 察しました。虫眼鏡で見ると、その整然としたつくりに感動します。

 収穫間近の、水を抜いた田んぼの隙間にもぐりこんで、仰向いて寝転がって
 みました。

 私の全身を稲穂が見下ろし、風が吹くたびに、まるで「こんにちは」と言っ
 ているように会釈を繰り返してくれました。
 私を取り囲む稲の間から、空に雲が流れていくのが見え、時折鳥やトンボが
 ツーーと視界を横切っていきました。

 

 自分が見たこと、感激したこと、びっくりしたこと、発見したことを、参加
 者の仲間達と共有する楽しさ。

 他者の、自分とは違う視点や発想に刺激をうける楽しさ。

 ペアで「伝える」実習を考えてやってみる面白さ。

 体験を絵日記にしたり、俳句にしたり、施設の敷地にある森の木の実や枝で
 工作をしたり・・・。創造的な時間はワクワクしてきました。



 「C」のエネルギーを健康的に使うことにより、他の人たちもいろいろな気
 づきがあったようです。

 自分がこんな体験にワクワクしたり驚くということを発見した人。
 
 かえるを人生ではじめてさわってうれしかったという人。

 仕事で伝える役割をやっている人が行きづまって自信をなくしていたが、ワ
 クワク・ドキドキ・驚きを伝える実習をやってみて、自分はやっぱり伝える
 ことが好きだと再確認した人・・・。

 
 
 わくわくうれしい暖かい感情として心のエネルギーが解放されるのは、気持
 ちがいいですね。また、創造的な活動や建設的な関係作りに使われるのも、
 とても気持ちがいいものでした。
 あらためて実感しました。

 悲しいことや怒りなどは感じない3日間でしたが、軽い違和感や、軽い不満
 は、ためこまずに軽いうちにさらっと伝えて、その場に置いてきました。
 気分すっきりです。

 日常でも、こんな風に心のエネルギーを上手に使いたいものです。
 
 
 
 心のエネルギーが負の要素を帯びて心の中に滞らないようにするには、ため
 こまないこと、言える関係、受け止めてくれる存在、が大切です。

 夏の田んぼは、水がたまっているけれども、それは常に少しずつ入れ替わっ
 ているとのことです。だから、水が腐ることなく、稲も生き物もイキイキす
 るのですね。

 心も同じように、腐らないように、ヘドロがたまらないようにしたいもので
 す。


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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
 moriyama@iryo.co.jp
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 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
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