Transactional Analysis News 138

index No.14
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
 ■■■ ■
  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第138号     2007/05/25
  ■ ■■■ 
  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,496名に発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 みなさま、こんにちは。
 夜道を歩いていると、「ジーーーーー・・・」というオケラの鳴き声が草む
 らから聞こえるようになりました。アジサイの花芽も日に日に大きくなり、
 もうすぐ衣替えの季節です。

 今回は、講座のご案内のほかに、TAネットワークのホームページの情報もご
 紹介します。
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)好評再開! 小林展子先生の
     「ストレス・マネジメント・ワークショップ」
  
  (2)杉田峰康先生、江花昭一先生の
     「交流分析の新しい展開
         〜ブリーフセラピーからスピリチュアルまで〜」 

  (3)【再掲】残席わずか 杉田峰康先生の 
     「脚本分析と再決断ワークショップ」
 


【2】お知らせ:TAネットワークのホームページに新コーナーが誕生しました


【3】コラム:「相手に対する信頼と尊重」



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 セミナー情報(1)好評再開! 小林展子先生の
          「ストレス・マネジメント・ワークショップ」
-----------------------------------------------------------------------

 認知療法の考え方を用いたストレスマネジメントのセミナーです。

 自分自身の「認知」、自分の枠組みについて理解しそれを修正することで気 
 持ちが楽になるというアプローチは、交流分析でいう「A」を働かせて、よ
 り現実的・合理的なものの見方を身につけていくことということができます。



 【小林先生からのメッセージ】
 
  現在はストレスの時代だといわれています。この激しい時代の変化の中で
  誰もが心のやすらぎを求めています。人生で出会うさまざまな出来事、人
  間関係でのトラブルの中で心身共に健やかに過ごすためにはどうしたら良
  いのでしょうか。

  この研修では、米国で注目を浴びている認知療法を分かりやすく紹介し、
  日常生活のストレス状況への応用を目標にしています。物の見方、考え方、
  行動を変えることによって、ストレスに対処し、不安、怒り、落ち込みな
  どの否定的感情から抜け出す具体的な方法を学びます。
                                   

   講 師:小林 展子(こばやし のぶこ)
       (ポンティキュラス心理研究所代表/心理学博士、臨床心理士)
   
   日 時:平成19年7月8日(日)9:30〜16:30  

   会 場:かんぽヘルスプラザ東京(東京都豊島区)

  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   ・ストレスとは 【チェックリストの体験を含めて】
   ・認知療法とは
   ・自分の感じ方、考え方、行動のパターンに気づく
   ・ストレスを生じる認知 【体験学習を含めて】
   ・成長を妨げている自分の枠組み 【体験学習を含めて】
   ・ストレスを生じやすい認知の歪みを修正する

                            など
  -------------------------------------------------------
  

  ●詳しい内容・お申込みはこちらから
    http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/1621.htm 


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp




■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 セミナー情報(2)杉田峰康先生、江花昭一先生の
          「交流分析の新しい展開
            〜ブリーフセラピーからスピリチュアルまで〜」 
-----------------------------------------------------------------------

 <わかりやすい自己発見の方法で、対人関係の心理学>交流分析がアメリカ
 で誕生して半世紀。日本に根づいた交流分析は一つの転換点を迎えようとし
 ています。

 今回のセミナーでは、横浜労災病院心療内科部長の江花昭一先生に、昨年名
 古屋で好評を博した「交流分析とブリーフセラピー」について、日本交流分
 析学会理事長の杉田峰康先生に「交流分析の新しい展開」についてご講演い
 ただきます。

 交流分析の実践的活用方法と新しいとらえ方をご提供できればと思います。



  講 師: 杉田峰康氏(福岡県立大学名誉教授・同大学大学院講師
             日本交流分析学会理事長)
       江花昭一氏(横浜労災病院 心療内科部長
             日本交流分析学会常任理事)

  日 時: 平成19年7月29日(日)

  場 所: 新宿NSビル 3F(東京都新宿区西新宿)
  


  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   ● ブリーフセラピー入門
   ● 交流分析とブリーフセラピー
     <講師> 江花 昭一 

   ● 心理療法(含カウンセリング)はどう発展してきたか?
   ● 交流分析におけるパラダイムの転換
     <講師> 杉田 峰康(すぎたみねやす)

  -------------------------------------------------------
  

  ●詳しい内容・お申込みはこちらから
    http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/1625.htm 


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp




■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 セミナー情報(3)【再掲】残席わずか 杉田峰康先生の 
          「脚本分析と再決断ワークショップ」 
-----------------------------------------------------------------------

 残席があと数席となりました。 
 ご関心をお持ちの方は、お早目のご検討をおすすめします。

 交流分析の理論、ゲシュタルト療法の手法エンプティチェアなどを用いて、
 参加者自身の抱えている問題や悩みを題材に、実際にワークをしながら、
 脚本分析や再決断の理論・手法について理解を深めていきます。



  講 師:杉田峰康(福岡県立大学名誉教授・同大学大学院院講師)

  日 時: 平成19年8月4日(土)〜5日(日)

  場 所: 住友スカイルーム 4(新宿住友ビル47F:東京都新宿区)

  参加費: 1名 52,500円(消費税込)


  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   ● 「脚本分析」の理論について
   ● ワークショップで取り上げる問題(例)
   ● ワークショップで用いる技法のいくつか
                            など

   ※ 参加者から問題を提示していただき、グループの中での個人ワーク
     を行ない、続いてディスカッションによって学習を深めます。

  詳細: http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/1630.htm 
  -------------------------------------------------------


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp




■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 お知らせ:TAネットワークのホームページに新コーナーが誕生しました
-----------------------------------------------------------------------


 TAネットワークのホームページに、杉田峰康先生ご執筆の「心理療法とTA」
 コーナーが誕生しました。 http://www.iryo.co.jp/ta-net/th-ta/index.htm 

 かつてTAネットワークより発行していた機関誌のために、当時理事でいらし
 た先生が書き下ろしてくださったものです。



 このコーナーでは、「交流分析」が心理療法の中でどのような位置づけにあ
 るのかを、お書きいただきました。

 あまりたくさんの技法を勉強して、どうしたら良いか分からなくなる事は避
 けなければなりませんが、「交流分析」ただ一つだけでは、難しい面もあり
 ます。

 他の心理療法にどんなものがあるのかを勉強するきっかけにしていただけれ
 ば幸いです。

 また、その中で「交流分析」の良さも再認識していただけたらと思います。



 さらに、セミナー情報(2)でご案内したように、7月下旬には、日本にお
 ける交流分析の最新事情を知る機会もあります。
 
 この機会に、交流分析とその周辺領域について理解を深めてみてはいかがで
 しょうか?



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
コラム:「相手に対する信頼と尊重」           
-----------------------------------------------------------------------


 今回は、人は「信頼されている、尊重されている」と実感できると持ってい
 る力を発揮できる、プラスの期待を感じるとそれに応えようとするのだとい
 うことを、実感したエピソードのご紹介です。

 

 夫と中学生の一人息子との3人家族のAさんは、「うちの男どもは、私が病
 気でしんどい時も何も手伝ってくれない」と嘆いていました。

 例えば寒気がしてしんどいと言っても、「早く寝たほうがいいよ」「食器を
 洗うのは明日でいいよ」などと言うだけ。
 しんどそうなら布団を敷くのを手伝うとか、まだ片付いていない食器を洗う
 とかしてくれたらいいのに、とAさんは思うらしいのですが、それは口にせ
 ず、ムッとして自分で布団を敷いて寝てしまうのだそうです。

 そういう状況なので、とても安眠はできません。「夫は冷たい」とか「誰も
 手伝ってくれない」と布団の中でイライラしてきて、「こんなにしんどいの
 に」とぶつぶつと彼らに聞こえるように文句を言い続け、しまいには起き出
 して気になってしかたがない食器を自分で洗ってしまっていたのだそうです。



 その時の文句を言っている状態をご本人に再現していただいたら、とてもし
 んどい人には見えませんでしたし、ぶつぶつ文句は言うけれど最終的にAさ
 んが自分でやるのだと表現しているように見えました。
 
 この話を一緒に聴いていた他の方から、「家族に自立して欲しいと期待しな
 がら、自立を妨げている言動をしているようにもとれる」とフィードバック
 をもらったAさんは、何か感じたようでした。

 そこで、今後同じような状況になったら、

 ・本当にしんどいから手伝って欲しいと協力を依頼する

 ・相手が動かないことに対する批判より、
  何をやって欲しいか具体的に伝える

 ・やってくれたことに対しては、
  でき具合を評価するよりもまずはお礼を言う

 ということを試すことになりました。



 そしてある日・・・
 Aさんは体調を崩してしまいました。
 その日、しんどい状態の中ではあったけれども、先述のようなコミュニケー
 ションをとってみることを試したのだそうです。

 「食べた後の食器が翌朝まで残っていると、落ち着かなくて眠れないから洗っ
 て欲しい」と息子さんにお願いしました。

 すると、息子さんは今まで食器を洗ったことがなかったのですが、Aさんの
 寝床からの指示に従い、やってのけたのだそうです! Aさんはお礼を伝え
 ました。

 やれた達成感や信頼されていると感じたのでしょうか、翌日には「ご飯作る
 元気がない」と言うAさんに、彼はパンを買ってきてくれたそうです。
 育ち盛りの年頃もあり、油っこいカレーパンだったそうですが、Aさんは彼
 の気持ちがうれしかったようです。そして、「次回は、おかゆが食べたいと
 リクエストして、作り方を教えてみようと思う」と笑っていました。

 また、「息子はどうも、『自分がお母さんの面倒を見ているんだ、看病して
 いるんだ』という自負していたようです。」と、Aさんはその時の様子を振
 り返りながらうれしそうに語っていました。



 息子さんに対して、「あの子はやってくれない」とか「(やっても)期待以
 下のことしかやれない」としか思っていると、口から出る言葉にもそういう
 ニュアンスが乗っかっていき、お子さんにも伝わることでしょう。

 そうではなく、Aさんが「あの子はあの子なりにやれるだろう、それを尊重
 しよう」と思ったからこそ、息子さんもその信頼や期待に応えたのではない
 だろうかと、私は思いました。



 コミュニケーションの「言い方」「かかわり方」はテクニックで身につけて
 も表面的なもので終わってしまい、根底に相手に対する信頼や尊重があるか
 らこそ相手の心に響く。そのマインドがあれば、多少不器用な表現であって
 も、相手に伝わるのではないか? そんな気がしました。
 


 Aさんにとっては気持ちの向け方、表現の仕方を変える練習の機会だったの
 が、息子さんも一歩成長するという思わぬ機会となり、Aさん自身もよりよ
 いコミュニケーションが取れる自信がつき、うれしかったようです。

 Aさん自身が息子さんへの見方を変えたことで、Aさんの心の中の息子さん
 のイメージも「手伝わない息子」から「頼もしい息子」になりました。

 

 変わったのは、相手? それとも・・・?


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
 moriyama@iryo.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
 このメールマガジンの他に『まぐまぐ』からの『ウィークリーまぐまぐ』も届
 くようになります。ご了承下さい。必要のない方は『まぐまぐ』のホームペー
 ジから解除できます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
  
 


index No.14