Transactional Analysis News 125

index No.13
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第125号     2006/04/25
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,488名に発行   
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 みなさま、こんにちは。
 東京ではソメイヨシノはみずみずしい若葉の葉桜となり、今は八重桜の満開
 の時期が過ぎようとしています。
 新年度が始まり、交流分析の講座情報もいろいろ目にするようになってきま
 した。今回はTAネットワークの地方会などのご案内をいたします。
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────

【1】心理テストの紹介:「新版TEG2」

【2】セミナー情報1:東海交流分析研究会・例会
          TAネットワーク名古屋地方会

【3】セミナー情報2:杉田先生のワークショップ

【4】イベント情報:日本TA協会 第19回大会
      
【5】セミナーレポート:「よりよい人間関係とコミュニケーションスキル」

【6】コラム:「“心の器”の中身(10):「ある」ということに気づく」


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【1】心理テストの紹介:「新版TEG2」
        (Tokyo University Egogram New Ver.2 = 東大式エゴグラム2)


 
 4月、金子書房より、定番のTEGがバージョンアップして登場しました。
 2005年に再標準化をし、信頼性と妥当性がさらに高まったようです。

 適用範囲は15歳〜成人。1セット30部。
 学校や企業などで、またカウンセリングや研修の場面でご活躍ください。

 別売りの手引き書もあります。



   ●「新版TEG2」
    (Tokyo University Egogram New Ver.2 = 東大式エゴグラム2)

   編集:東京大学医学部心療内科TEG研究会

   発行所:金子書房  発行日:2006年4月
   定価:7,980円(本体7,600円+税5%) 1セット30部


   ●新版TEG2ご利用の手引き

   定価:1,260円(本体1,200円+税5%)



 株式会社チーム医療でお求めいただけます。
  http://www.iryo.co.jp/teamiryo/p_test/teg2.html 



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【2】セミナー情報1:東海交流分析研究会・例会
           TAネットワーク名古屋地方会

 
 TAネットワーク名古屋地方会の日程が決まりましたので、ご案内します。
 詳細は、決まり次第、当メルマガにてお知らせします。


  日 時:平成18年10月21日(土)
 
  場 所:名古屋(詳細検討中)



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【3】セミナー情報2:「脚本分析と再決断」
             〜杉田峰康先生ワークショップ〜



 毎年冬と夏の2回行なわれる、恒例の杉田先生のワークショップ日程が決まり
 ました。詳細は追ってご案内いたします。
 30名限定、参加者自身の事例を取り上げるこのワークショップは、今回も中身
 の濃い2日間となることでしょう。



  講 師: 杉田峰康(福岡県立大学名誉教授、同大学院講師)
         (日本交流分析学会理事長)

  日 時: 平成18年8月5日(土)、6日(日)

  場 所: チーム医療研修室(東京都豊島区)

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  詳細  http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/1543.htm 
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 ▼ お申込み・お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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【4】イベント情報:日本TA協会 第19回大会


 日本TA協会の第19回大会が開催されます。
 非会員の参加も可能です。6日(月)には会員のみの研修もあるようです。


  日 時: 平成18年6月3日(土)、4日(土)

  場 所: 早稲田大学国際会議場

  参加費: 大会のみ 会員10,000円 非会員14,000 学生7,000円

  詳細は事務局にお問い合わせ下さい。
   [TA協会ホームぺージ] http://www.taaj.gr.jp/index.html 

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  内容:6月3日
     ・基調講演「精神科医の精神療法」 
       松浪克文(虎ノ門病院 精神科部長)
     ・ワークショップ1「知っている自分」と「知らない自分」
       柴崎武宏(埼玉大学講師)
   
     6月4日
     ・ワークショップ2「Learning is living,living is learning」
      ローズマリー・ナッパー
       (ヨーロッパTA協会 教授会員;組織 教育分野)

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【5】セミナーレポート:「よりよい人間関係とコミュニケーションスキル」
             BCB・Breaking The Communication Barrier
             1日入門セミナー  


 株式会社チーム医療セミナー運営者による、セミナーレポートコーナーです。
 TAを中心に、コミュニケーション・スキルアップ、よりよい人間関係に役
 立つセミナーが、いったいどういう内容で行われているのか、紹介していく
 予定です。

 今回は、4月16日に行われたチーム医療セミナー「よりよい人間関係とコミュ
 ニケーションスキル・1日入門セミナー」についてです。



 ┌────── セミナーレポート: ─────────────────┐
 │        よりよい人間関係とコミュニケーションスキル    │
 │                    1日入門セミナー      │
 └─────────────────────────────────┘


  今回は、去る4月16日(日)に開催いたしました「よりよい人間関係とコミュ
 ニケーションスキル・1日入門セミナー」のセミナー風景をお届けします。


  このセミナーは、米国の著名なコミュニケーター、マネジメント・コンサル
 タントであるエーブ・ワグナー氏が開発した「BCBプログラム(Breaking 
  The Communication Barrier)」を基にしています。1日だけの入門セミナー
 ですが、そのスキルの有効性を体験していただくために企画しました。


  「よりよい人間関係を築くためのコミュニケーションスキル」というものを
 学習されている方は大勢いらっしゃると思います。ですが、実際どうやってそ
 のスキルを使ったらよいのか、とお悩みの方も多いのではないでしょうか? 
 「BCBプログラム」では体験実習を重要視します。スキルの学習はすべてロー
 ルプレイを行いながら進んでいくのが特徴です。


  BCBファシリーテータの梅本和比己トレーナーも、まずは参加者同士のラ
 ポールを築くための「ジャンケン他己紹介」、自我状態の自由な使い分け「ハ
 イ、タダイマ」、いつもの脳=行動のパターンに気付くための「後出し負けジャ
 ンケン」と午前中は実習にすべて費やしました。これらの実習はTA(交流分
 析)で言うところの「子供の自我状態・FC」を刺激することによって、楽し
 みながら学習を容易にするという効果もあります。


  午後からは理論の学習を含めた実習が続きます。そしてセミナーで紹介した
 スキルを使ったデモンストレーションで、実際に参加者の方の解決したい問題
 を具体化・明確化して、効果的であると思われるコミュニケーションスキルを
 提示する所まで行いました。そのスキルの一部は「BCB・ベーシックコース」
 で学習するものも含んでおり、参加者の皆様に「BCBプログラム」スキルの
 多様さをご提示できたと思います。


  6月にはエーブ・ワグナー氏が来日し、「BCBプログラム・ベーシックコー
 ス」を開催いたします。このプログラムに興味をお持ちの方は、自らよりよい
 コミュニケーションを体現しているエーブ氏のセミナーを体験されることを是
 非お勧めいたします。

  詳しくはこちら http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/1529.htm



  最後に恒例の梅本トレーナーによる「印象に残る一言」です。


  ◆ 自分の自我状態に気付いていることはとても重要です。それによって、
    問題を解決するのに最も適した自我状態を選択できます。つまりは行動
    選択の自由度が高まります。

  ◆ 怒っていることを必ずしもCP(批判的な親の自我状態)で伝える必要
    はありません。「私はあなたに腹を立てています」というように、A
    (大人の自我状態)で伝えてもいいのです。
    これが行動選択の自由度が高まるということです。


                                       
            文責・佐々木 啓(後出しジャンケンは難しいです)
           ご意見・ご感想をお寄せ下さい sasaki@iryo.co.jp


 ・セミナー参加者の声:  
     http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/questionnaire.html#1531 



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【6】コラム:「“心の器”の中身(10):『ある』ということに気づく」

 
  「心が、体験やそれにまつわる気持ちを貯めていく器だとしたら…?
 それぞれの人の“心の器”には、どんなものがどれくらい入っているのかな?」
 
 時々そんなことを考えたりします。



 今回は、「『ある』ということに気づく」についてです。



 前号のセミナーレポートで紹介されていた杉田峰康先生のお言葉、みなさんは
 憶えていらっしゃいますか?
 
   ◆ 人間は成長していく過程で、“いないことにされた私”を外に出して
     祝福してあげる必要があるんです。 
        http://blog.mag2.com/m/log/0000006928/107108773?page=1#107108773 

 私はとても印象に残りました。

 「いないことにされた私」を外に出し、祝福し、その「私」と私自身が統合さ
 れることの大切さを知りました。

 その最初のステップとして、自分の心の中にその「存在」が「ある」というこ
 とに気がつくことが必要なのだと思いました。



 自分の中の「いないことにされた私」に限らず、他者や他国、自然や伝統、世
 界の人々の暮らし、自分を取り巻く世界にもさまざまなものが「ある」という
 ことを認識しなければ、それらが「失われていく」「傷つく」「破壊される」
 事などにも気がつかないのではないか・・・?最近ふとそんなことを思うこと
 がありました。

 それは、2週間ほど前に自然体験活動に参加した時のことです。
 今年は、さび付いた感覚(「ない」ことにはしていない)を磨くため、ちょっ
 と心理学とは離れた世界のセミナーやワークに参加しています。

 大のおとな達が、道端にしゃがみこんで雑草の観察をしたり、まだ水の張って
 いない田んぼの草で笛を作ってピーピー鳴らしながら散歩したり、笹舟を作っ
 て用水路で競争した時は、まるで子どものように歓声を上げながら走って舟を
 追いかけたり・・・まさにFC全開でした。



 その際に、そこの地域の歴史や伝統などのお話も聞きました。
 聞いたことで、「ここには、そういう伝統があるのか。こういう自然の中で人々
 は生きてきたのか。」と、思いました。
 その場所に初めて訪れたことで、こういう里山の懐かしさを感じる場所がある
 のだということにも気がつきました。

 今年は、何度かそこを訪れる予定です。
 
 それまでは、あることすら知らなかったその場所が身近になりました。
 天気予報やニュースなどでも、今までは関心を持っていなかったその地域に目
 が行くようになりました。
 もし、その里山で悲しい事件が起こってしまったり、自然が破壊されたりとい
 うできごとが起こったとしたら、私はきっと心を痛めるでしょう。 

 そういう場所が「ある」ということに気づいたからです。
 自分と「つながり」ができたからです。



 ところで、本の世界に「ネイチャーライティング」というジャンルがあるのを
 ご存知ですか? 私は最近知りました。
 自然が主人公という文学、もしくは自分と自然との距離をはかり、自然につい
 て考える、といったジャンルなのだそうです。(参考:「自然学校をつくろう」
 岡島茂行著、山と渓谷社)
 日本の代表的な作家といえば、宮沢賢治や松尾芭蕉などがそうらしいです。
 
 アメリカではネイチャーライティングというジャンルの本もかなり人気のよう
 ですが、アメリカで売れた本の翻訳本を90年代はじめに日本の大手出版社数社
 が出版したものの、あまり売れなかったというのです。
 
 岡島氏は、ネイチャーライティングの本の中で事細かに描写される川の流れや
 森や山の風景は、似たような感動をした人にとってはその場面を共有すること
 ができるが、行ったことのない人やアウトドア体験のほとんどない人にとって
 は、まったくつまらない描写になるだろうと考察しています。

 驚いたことにアメリカでは、子どもの自然体験学習がかなり浸透し、大人も含
 めたアウトドア活動・レクリエーション人口が、日本と比べて非常に多いのだ
 そうです。

 自然とふれあう体験・感動があるとそういったジャンルの物語を楽しみ共感で
 きるのだとすれば、そのような本が売れない今の日本人の心の器の中には、何
 がどれくらい入っているのでしょう・・・?、
 


 今、先日の自然体験活動に参加し今年何度か再会する人たちと、メールで「身
 近な春探し」の報告をしあっています。

 それまで意識しなかった道端の草や、この季節ならではの日々の自然の変化に
 目を向けるようになりました。

 かの里山で教えてもらった雑草が、実は私の自宅のすぐそばにもあって花を咲
 かせていることに気がつきました。

 気がつくと、なんだか親しみがわいてきました。

 「ある」ということに気がつかないままだったら、その小さな草花の命の営み
 は知らないまま日々が過ぎていくところでした。
 知ったところでどうなるんだ?と言われたら答えようがないのですが、私自身
 は「ある」ということに気づいたことをうれしく思っています。



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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
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