Transactional Analysis News 123

index No.13
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第123号     2006/02/22
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,506名に発行   
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 みなさま、こんにちは。
 インフルエンザが流行っているようですが、いかがお過ごしですか?
 都内ではようやく梅の花が咲き始めました。
 まだまだ雪深い地域もありますが、季節は少しずつ春に向かっているようです。
 当メールマガジンも、春のセミナー・イベントをご案内いたします。
 
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:TAネットワーク東京地方会
           (杉田峰康先生によるセミナー)

【2】イベント情報1:日本交流分析学会 中央研修会2006春【詳細情報】

【3】イベント情報2:第31回 日本交流分析学会学術大会

【4】セミナーレポート:「コミュニケーション・スキルアップ・セミナー」

【5】学習教材情報:DVD「医療コミュニケーション」

【6】コラム:「“心の器”の中身(8):相手の中のどこにアクセスするか」
        


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【1】セミナー情報:TAネットワーク東京地方会
            (杉田峰康先生によるセミナー)



 テーマなど詳細は未定ですが、取り急ぎ日程が決まりましたことをご案内いた
 します。次号で詳細をお知らせする予定です。


  日 時:平成18年5月14日(日)
 
  場 所:全共連ビル会議室(東京都千代田区)
       http://www.jankb.co.jp/frame_kaigi.htm 

  参加費:一般          18,900円
      TAネットワーク会員  16,800円

  
  -------------------------------------------------------
  内容:人生脚本の理解とその対応
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  講師:杉田峰康(福岡県立大学名誉教授、同大学院講師)
         (日本交流分析学会理事長)
     
            
 ▼ お申込み・お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp




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【2】イベント情報1:日本交流分析学会 中央研修会2006春【詳細情報】


 日本交流分析学会中央研修会2006春の予定が決まりました。
 今回は、3つのワークショップが行われ、交流分析の入門コースから応用編ま
 で様々なランクの内容が用意されています。参加者それぞれのレベルに応じた
 コースを選ぶことができます。
 
 
 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ 日本交流分析学会 中央研修会2006春       ┃
 ┃                         ┃ 
 ┃ 日 時:平成18年3月25日(土) 13:00〜17:00 ┃
 ┃           26日(日) 9:30〜16:30 ┃
 ┃                         ┃
 ┃ 場 所:九州ルーテル学院大学 人文学部     ┃
 ┃ 総合受付:4号館1階 学生ラウンジ       ┃ 
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


  ●ワークショップ1「ゲーム理論とその対応」
  
   講 師: 杉田峰康氏(福岡県立大学名誉教授、同大学院講師)
             (日本交流分析学会理事長)
   
   日 時:平成18年3月25日(土) 13:00〜17:00
             26日(日) 9:30〜16:30
   定 員:25名
   会 費:会員17,000円、非会員20,000円、学会認定資格会員15,000円
 

  ●ワークショップ2「再決断療法の理論と実際」
  
   講 師: 新里里春氏(琉球大学教育学部教授)

   日 時:平成18年3月25日(土) 13:00〜17:00
             26日(日) 9:30〜16:30
   定 員:25名
   会 費:会員17,000円、非会員20,000円、学会認定資格会員15,000円
  

  ●交流分析基礎コース「人間関係に役立つ交流分析」
   (3時間単位のコースが3つ行われます)

   講 師:岡本茂樹氏 (九州ルーテル学院大学 人文学部) 
 
   ・基礎コースA「今すぐ使える心理学−交流分析入門」

    日 時:平成18年3月25日(土) 14:00〜17:00
    定 員:150名 
    会 費:会員3,000円、非会員4,000円、学生2,000円

   ・基礎コースB「今すぐ使える心理学−交流分析入門」(Aと同内容)

    日 時:平成18年3月26日(日) 9:00〜12:00
    定 員:150名 
    会 費:会員3,000円、非会員4,000円、学生2,000円

   ・基礎コースC「自分が変わる心理学−交流分析の応用」

    日 時:平成18年3月26日(日) 13:30〜16:30
    定 員:150名 
    会 費:会員3,000円、非会員4,000円、学生2,000円


 申込方法: http://iryo.co.jp/ta-net/jta/2006haru.html#entry 



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【3】イベント情報2:第31回 日本交流分析学会学術大会


 今年の大会は、2006年国際サイコセラピー会議イン・ジャパンおよび第3回ア
 ジア国際サイコセラピー会議と併催で開催されます。
 (8月28日(月)〜9月1日(金)5日間のうち、本大会は30日(水))

 同期間内に、臨床催眠学会、自律訓練学会、内観学会など、様々な学会大会が
 開催されるのも珍しく、この機会に様々な分野の情報を得るのもいいかもしれ
 ません。

 
  期 日:平成18年8月30日(水)
       http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/program.html#3 

  会 場:京王プラザホテル 南館4階・錦(東京都内)

  大会長:村上正人(日本大学付属板橋病院心療内科科長)

  会 費:大会のみ参加(1日参加)事前登録 10,000円、当日登録 10,000円 
      期間内3日以上参加   事前登録 30,000円、当日登録 40,000円 
     
      事前参加登録詳細・お問合せ
       http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/registration.html 
  

  ◆一般演題(ポスター発表)募集中 
    演題登録締切日 平成18年3月31日(金)
     http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/callforpapers.html 




  ▼お申込み・お問合せ:
    2006年国際サイコセラピー会議イン・ジャパン
    および第3回アジア国際サイコセラピー会議 事務局
     http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/contactus.html 


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【4】セミナーレポート:「コミュニケーション・スキルアップ・セミナー」


 株式会社チーム医療セミナー運営者による、セミナーレポートコーナーです。
 TAを中心に、コミュニケーション・スキルアップ、よりよい人間関係に役立
 つセミナーが、いったいどういう内容で行われているのか、紹介していく予
 定です。

 今回は、1月下旬に行われたTAネットワーク東京地方会「コミュニケーショ
 ン・スキルアップ・セミナー」です。


 ┌  セミナーレポート:コミュニケーション・スキルアップ・セミナー  ┐
 └─────────────────────────────────┘

  今回は、去る1月28日(土)〜29日(日)に開催いたしました「TAネット
 ワーク東京地方会/コミュニケーション・スキルアップ・セミナー」のセミ
 ナー風景をお届けします。


  「5人の先生方に5つのアプローチ方法で、コミュニケーション・スキル
 をテーマにご講演いただく」という企画のこのセミナー。「コミュニケーショ
 ン・スキル」の重要性が叫ばれて久しいですが、 100名を超える方々にご参
 加いただいたこともあり、皆様の関心の深さや真に効果的なスキルや考え方
 を必要とされているのだなあ、との実感を新たにしました。


  2日間の講演に参加して思ったことは、

 「“よりよいコミュニケーション”に到達するためにいろいろな方法(スキ
 ルや考え方)があるけれど、見る角度や表現する言葉が違うだけで、みな同
 じことを目指しているんだな」

  ということ。今回のような横断的なセミナーでは、そのことがよく分かり
 ました。


  有滝功先生の「NLPライフコーチング」、梅本和比己先生の「BCB」、
 小林展子先生の「認知療法」、杉田峰康先生の「交流分析」、そして平木典
 子先生の「アサーション」。セミナーに参加された皆様には、自分に一番あ
 う、一番しっくり来るスキルをご活用いただけたらと思います。


  それでは、今回も先生方の仰られたことで、特に印象に残ったことをお伝
 えしたいと思います。



  ◆ 人と人とが100%分かり合えるなんてことはありえないと思う。だ
    からこそコミュニケーションというものは重要なのだし、面白いもの
    なんです。
                            (有滝功先生)


  ◆ 私は交流分析(TA)が好きでずっと勉強してきたのですが、TA単体で
    実際に使ってみるのは難しいと思います。ですが、NLPを学び始め
    TAと組み合わせることによって、両方の長所をより活用できることに
    気づきました。
                          (梅本和比己先生)


  ◆ 人はいつも頭の中で何かを言っています。ですが、それらに気づき、
    引き出して活用するためには訓練が必要です。
                           (小林展子先生)


  ◆ C(子供の自我状態)で深い気づきが訪れなければ人は変わりません。
    言葉で言って聞かせても駄目なのです。「A(大人の自我状態)では
    人は変わらない」とも言えるでしょう。
                           (杉田峰康先生)


  ◆ 自分の想いを口に出す。そしてその言葉に対する相手の返事は「YES」
    であるかもしれないし「NO」であるかもしれない、ということを覚悟
    する。それが自分と相手を大切にするということです。
                           (平木典子先生)



                    文責・佐々木 啓(門前の小僧)

           ご意見・ご感想をお寄せ下さい sasaki@iryo.co.jp


 ・セミナー参加者の声:  
     http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/questionnaire.html#N83 
 


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【5】学習教材情報:DVD「メディカル・サポート・コーチング」


 前号でセミナーレポートコーナーにてご紹介した「医療コミュニケーション基
 礎講座」< http://www.iryo.co.jp/ta-net/ta-mm/back-no/122.htm >のDVD
 が、株式会社チーム医療より発売されました。

  講師である奥田弘美先生、木村智子先生のセミナーを収録したものではなく、
 奥田先生の解説やスキルごとのロールプレイなど、DVD用に撮りおろした完
 全新作です。


  監修 奥田 弘美
     (東京八重洲メディカルケアセンター・八重洲クリニック院長)

  定価  9,450円(本体 9,000円+税5%)
  収録時間 90分

  2月末までにご注文いただいた方は10%割引(税込 8,505円)でご購入いただ
  けます。 
   http://www.iryo.co.jp/teamiryo/PSY_DVD/DVD02.htm 

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 内容:「DVD メディカル・サポート・コーチング」の内容 (90分)
 
    ■コミュニケーションのプロローグ
     ●心の扉を開くスキル

    ■コミュニケーションの本番
     ●「聴く」ためのスキル
     ●「質問する」ためのスキル
     ●「伝える」ためのスキル

    ■コミュニケーションのエピローグ 

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【6】コラム:「“心の器”の中身(8)」
 
 
  「心が、体験やそれにまつわる気持ちを貯めていく器だとしたら…?
 それぞれの人の“心の器”には、どんなものがどれくらい入っているのかな?」
 
 時々そんなことを考えたりします。



 今回は、「相手の中のどこにアクセスするか」についてです。

 

 カウンセリングやコミュニケーション・スキルのワークショップで参加者の方
 と話していて気になることがあります。

 人間関係の悩みを持ってカウンセリングやワークショップに参加されるのです
 が、その関係を改善することは相手が変わることだと考えている方が少なくあ
 りません。

 そういう方に交流分析のスタンスである「過去と他人は変えられない」という
 お話をすると、ハッと目からウロコの気づきを得る人から全く受け入れられな
 い方まで様々な反応です。

 前者の方は、自分の関わり方を変えることで相手の反応が変わってくる可能性
 があること、それが繰り返されることで関係が変わっていくこともある、しか
 し、相手が変わるかどうかは相手自身の選択によるという考え方にも共感を示
 してくださいます。

 しかし、後者の方は、「何で私が!」という反発の雰囲気を見せたりされます。
 背景には、その場に来るまでに相手との関係で相当深く傷ついたり怒りが溜まっ
 ていることが予想されます。
 また、その方の「人間関係観」が「勝ち負け」だったりすると、自分が変わる
 ことは「負け」に通じると考えてしまわれるようです。


 こうなってくると、人間関係の改善は難しいだろうなぁと思います。

 つまり、どんなに「スキル」を身につけても、ベースとなっている人間関係観、
 相手に持っているイメージを変えない限りは、人間関係の改善は難しいと私は
 思うのです。


 
 相手に対してマイナス感情を抱いている時、マイナスイメージを抱いている時、
 私たちはつい、相手のマイナスの部分にアクセスします。

 「あなた、ちょっとは手伝ってよ!」
 「あんたって子は、いつもぐずぐずして!」
 「お前はいつも気が利かない」

 これは、相手にマイナスのストロークを与えているわけですが、ともすればそ
 れは、あわせて「私はあなたのマイナス部分にしか関心がありません」と伝え
 ていることになりはしないかと思いますが、みなさんいかがですか? 

 相手のマイナスの部分にアクセスし、そこにストロークを与え、刺激すると、
 当然、相手もその部分で反応してくることが多いことは予想できます。

 それだと、テクニック的に言い方だけを変えても、多分いい関係にはなりにく
 いでしょう。 
 
 また、たとえプラスのストロークを与えたとしても、自分は折り合わず(変わ
 らず)相手だけを変えようとする意図が裏に仕組まれていたとしたら、相手は
 そちらにも反応し、いい関係を築きにくいでしょう。



 このように、自分の相手や関係に対する見方を変えず、また自分は考えや条件
 を変えようとしないまま関わり方だけ変えても、よりよい関係は得られないと
 いうことです。
 
 
 
 参加者の方には、時々エゴグラムをつけていただきます。
 ご存知の通り、5つの自我状態には、それぞれ肯定的な面と否定的な面があり
 ます。

 一見、否定的に感じる相手の行為なども、その自我状態が肯定的に働く時はう
 まく機能します。
 どんなに否定的な面を持っている人でも、それがあるということは、肯定的に
 も機能する可能性があるのではないかと参加者と一緒に考えます。

 人の短所と長所は紙一重であるのと同じことです。

 相手のマイナス的な部分も、見方を変えたり、違う場面では長所として働いて
 いる時もあるはずです。

 口先だけのテクニック的な言葉より、口下手でもそういう相手のプラスの面に
 アクセスして素直な自分らしいこ言葉でかかわったほうが(ストロークを与え
 る)ずっといいのではないかと思います。



 人はたいてい、自分のいいところを認めてくれる人が好きです。
 自分を肯定的に見てくれる人が好きです。

 その人との関係を改善したければ、相手の肯定的な面を見つけ、そこにアクセ
 スすることが一つの取っ掛かりとなるでしょう。
 たとえ「よい関係」にまでなりたいと望んでいないとしても。
 
 それができたなら、自分の心の中にある、相手や相手との関係に対する見方が
 変わっていくことに気がつくでしょう。

 見方が変わったら、自分のかかわり方がさらに変わっていくでしょう。

 そのやり取りの積み重ねの結果、気がついたら相手との関係が変わっているこ
 ともあるかもしれません。
 相手も、肯定的な面であなたと関わってくるかもしれません。


 
 このように、自分の見方やかかわり方を変えることは、決して「負け」ではあ
 りません。

 気持ちよく日々を過ごすための「戦略」です。
 
 理想は「勝ち負け」という味方そのものから解放されることがよいのでしょう
 けれど、長年それを身につけてきた人には手放すこともそう簡単ではありませ
 ん。
 
 そういう方が進んで自分からかかわりを変えようとしていただくための動機づ
 けとして、「戦略」という言葉は理解しやすいようです。
 勝つための戦略でなく、「周囲の人と気持ちよく日々を過ごすため=自分がもっ
 と気持ちよくいられるため」に、相手の肯定的な面を見つけ、ぜひそこにアク
 セスしてみてはいかがですか?

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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
 moriyama@iryo.co.jp
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