Transactional Analysis News 122

index No.13
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第122号     2005/01/31
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,516名に発行   
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 みなさま、こんにちは。2006年になってはじめての配信です。
 今年も一ヶ月が過ぎようとしています。私は「早いなぁ」という感じですが、
 みなさまはいかがですか?
 
 TAネットワークの来年度の予定をただいま検討中で、次号ではご紹介できる
 予定です。今回は、交流分析の周辺領域も含めた情報をご紹介します。
 
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】本の紹介:「医療・福祉現場で役立つ
           臨床心理の知恵Q&A」

【2】セミナー情報:BCBベーシックコース(TA+NLP)

【3】イベント情報1:日本交流分析学会 中央研修会2006春

【4】イベント情報2:NPO法人日本交流分析協会
           「1級受験講座、2級受験講座」

【5】セミナーレポート:「医療コミュニケーション基礎講座」
 
【6】コラム:「“心の器”の中身(7):基本的構えと認知の歪み」
        


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【1】本の紹介:「医療・福祉現場で役立つ
           臨床心理の知恵Q&A」

 
 当メルマガに時々登場される、江花昭一先生(横浜労災病院心療内科部長)
 監修の、現場で役に立つ本が発行されました。
 
 交流分析については触れられてはいませんが、交流分析を学ぶ方の中には、
 医療・福祉現場で働いていらっしゃる方も多いと思い、ご紹介します。

 患者さんとのコミュニケーションについて、困った時の対処法、精神医学
 の知識などがコンパクトにまとめられています。

 別冊として「医療・福祉スタッフのメンタルヘルス」もついていて、スタッ
 フ本人のセルフケアにも役立てていただけます。



   「医療・福祉現場で役立つ
           臨床心理の知恵Q&A」


   監修:江花 昭一(横浜労災病院心療内科部長)
   編集:吉村 佳世子(横浜労災病院心療内科臨床心理士)

   発行所:(株)日本放射線技師会出版会 発行日:2005年12月
   定価:3200円(税別)



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【2】セミナー情報:BCBベーシックコース(TA+NLP)

 BCB:よりよい人間関係とコミュニケーションスキルのベーシックコース
 が、6月に開催される予定です。
 
 BCB(Breaking The Communication Barrier)は、交流分析とNLP(神
 経言語プログラミング)を組み合わせた、コミュニケーション・バリアを壊
 すためのプログラムです。

 今回は、提唱者であるエーブ・ワーグナー先生直々の講座です。
 

 セミナー詳細 http://www.iryo.co.jp/bcb/ 


  日 時:平成18年6月16日(金)〜18日(日)
  
  場 所:かんぽヘルスプラザ東京 4F(東京都豊島区)
       http://www.iryo.co.jp/teamiryo/map/kanpo.vs 

  講 師:エーブ・ワーグナー 先生
  通 訳:楯 江里奈 先生
  
  定 員:定員  40名 

  参加費:1名 85,000円(消費税・資料代含む)
      ※2名以上同時申込の場合、または株式会社チーム医療セミナー
       会員の方は、83,000円(消費税・資料代含む)
 

 ▼ お申込み・お問合せ:株式会社チーム医療  sasaki@iryo.co.jp 



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【3】イベント情報1:日本交流分析学会 中央研修会2006春
 
 
 日本交流分析学会中央研修会2006春の予定が少しずつ固まってきているよう
 です。今回は、3つのワークショップが行われる予定です。
 詳細は、決まり次第当メールマガジンでもご案内いたします。

 

  日本交流分析学会 中央研修会2006春

  日 時:平成18年3月25日(土) 13:00〜15:00
            26日(日) 9:30〜16:30
  
  場 所:九州ルーテル学院大学 人文学部

  (会費、定員については未定)

 

  ●ワークショップ1「ゲーム理論とその対応」
  
   講 師: 杉田峰康氏(福岡県立大学名誉教授、同大学院講師)
             (日本交流分析学会理事長)


  ●ワークショップ2「再決断療法の理論と実際」
  
   講 師: 新里里春氏(琉球大学教育学部教授)

  
  ●基礎コース「人間関係に役立つ交流分析」
   (3時間単位のコースが3つ行われます)

   講 師:岡本茂樹氏 (九州ルーテル学院大学 人文学部) 
 
   ・入門編(25日午後・26日午前、同内容を2回実施)
   ・応用編(26日午後)


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【4】イベント情報2:NPO法人日本交流分析協会
           「1級受験講座、2級受験講座」


 協会認定「交流分析士1級・2級受験講座」が、各地の支部で始まったり、
 これから開始されようとしているそうです。

 受講・受験には、協会員になる必要がありますが、交流分析の諸理論を体系
 的に学べるカリキュラムです。


  ▼ お申込み・お問合せ:特定非営利活動法人日本交流分析協会
               http://www.j-taa.org/ 



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【5】セミナーレポート:「医療コミュニケーション基礎講座」

 今号から、株式会社チーム医療セミナー運営者によるセミナーレポートを、
 ご紹介することになりました。
 TAを中心に、コミュニケーション・スキルアップ、よりよい人間関係に役立
 つセミナーが、いったいどういう内容で行われているのか、レポートされて
 いく予定です。

 今回は、コーチングスキルから医療従事者に役立つものをメインに習得でき
 る「医療コミュニケーション基礎講座」です。


 ┌─── セミナーレポート・「医療コミュニケーション基礎講座 ───┐
 └─────────────────────────────────┘

  今回は、去る1月22日(日)に開催いたしました「医療コミュニケーショ
 ン基礎講座」のセミナー風景をお届けします。


  平成16年から始まったこのセミナーは、医療・健康分野へコーチングを応
 用されている精神科医師の奥田弘美先生と、コーチング等をベースにコミュ
 ニケーションセミナーを展開しているBCBファシリーテータの木村智子先
 生にご講演をお願いして、好評につき5回目の開催となりました。


  まず感じたことは、進行のテンポの良さ。奥田先生の解説したことを受け
 て木村先生の実習が始まり、またそれを応用するような奥田先生の実習が続
 き・・・
 ・・・、というように有機的なつながりのあるセミナーでした。


  また、「聴くこと」「質問すること」「伝えること」の実習で学ぶスキル
 は、医療現場用にコーチングを特化させた、本当に明日からでも使えるもの
 ばかり。
 終了時間が午後3時と早めだったのですが、とても密度の濃い内容だったと
 思います。


  それらの内容を奥田・木村両先生は、時には参加者の方を巻き込んでのデ
 モンストレーションで、はたまた全員参加のゲーム形式で、と楽しく指導し
 ていただき、実習中も笑いの絶えないセミナーになりました。


  それでは、先生方の仰ったことで、私が特に印象に残ったことをお伝えし
 たいと思います。



  ◆ デモンストレーションに協力してくれた方や、ワークで感じたこと・
   気づいたことを発表してくれた方には皆で「承認の拍手」をします。こ
   の「承認の拍手」は、あなたの存在を受け止めているよという意思表示
   で、とても大事なことなのだそうです。

  ◆ 医療現場におけるコミュニケーションスキルをもっと深めたいという
   方は、「TA(交流分析)やNLP(神経言語プログラミング)を勉強
   されたらいいと思います(奥田先生)」。
    実際、いま奥田先生はNLPを学習されているそうです。


  ◆ これは以前のセミナーで奥田先生が仰っていたことなのですが、こう
   いったコミュニケーションスキルのセミナーや社内研修を受ける方が増
   えていくことによって、医療従事者より患者さんのほうがコミュニケー
   ション能力が高いといった状況になってきている。そのため、医療従事
   者は今まで以上にコミュニケーションスキルを学習する必要性に迫られ
   ている、とのことでした。


                    文責・佐々木 啓(門前の小僧)

           ご意見・ご感想をお寄せ下さい ●●●@iryo.co.jp

 ・セミナー参加者の声:  
    http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/questionnaire.html#1502 



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【6】コラム:「“心の器”の中身(7)」
 
 
  「心が、体験やそれにまつわる気持ちを貯めていく器だとしたら…?
 それぞれの人の“心の器”には、どんなものがどれくらい入っているのかな?」
 
 時々そんなことを考えたりします。



 今回は、「基本的構えと認知の歪み」についてです。

 

 認知療法では、本来中立的である「起こったできごと」に対して、どうとら
 えているか、認知しているかの偏りを「認知の歪み」と呼ぶことは、みなさ
 んもご存知のことでしょう。

 認知の歪みがあると、物事や、自分や他人に対して、否定的な見方をしてし
 まい、それにより否定的な感情が生まれてきます。

 最近、基本的構えとこの認知の歪みは深く関係しているなーと思う体験を、
 しました。
 そして、基本的構えだけが幼い頃に身につけるものでなく、認知の歪みも、
 もしかしたら小さい頃からの思いグセなのかもしれないと思ったのです。



 それは、私自身にまつわる体験でした。

 年が明けてから、「人間関係グループワーク」のセミナーに参加しました。
 グループワークには、葛藤場面の中で、自分が他者とどのようなコミュニケー
 ションをとるのかを体験するプログラムがありました。

 葛藤状態が強くなると、私の時々しでかす望ましくない特徴の一つとして、
 自分が納得行かないもの・相手が会話の中である言葉を自分と違ったイメー
 ジで使っていそうなものは、しっかり確認しないと気がすまなくなり、それ
 にこだわりすぎると、結果、話し合いをペースダウンさせてしまうというも
 のがあります。

 先日、久しぶりにその「悪いクセ」が出てしまいました。
 自分では「あーあ、やっちゃった」という自己嫌悪。メンバーとのコミュニ
 ケーションがゲームになっていたことでしょう。

 ゲームは自分特有のラケット感情を得るもの、自分の基本的構えを確認する
 ものといわれていますが、まさにそんな気分を味わいました。

 

 その日は1日を振り返って、メンバーから「あなたの強み・弱み」と題した、
 メモによるのフィードバックがありました。

 もちろん、弱みのところに「こだわりすぎること」と書かれていました。

 私はそれを読んで、さらに自己嫌悪に陥りました。


 
 しかし、「強み」として書いてくれている人もいたのです。
 「妥協しない」「流れてしまいそうな話し合いの中で、確認することができ
 た」などです。

 そのコメントにも私は目を通しているのに、「自分のあの態度はよくなかっ
 た」という思いからしばらく抜け出せませんでした。

 肯定的な面を無視して、否定的な面だけに着目してしまうのは、認知の歪み
 です。

 頭では、「長所と短所は紙一重」ということもわかっています。
 他人が同じ状態になっていたら、そんなことを言って励ましたりもします。
 それなのに、自分自身のことに関しては、そうは思えない状況に陥ってしま
 いました。

 

 もともと、私には、自分自身に対するかなり強い減点主義評価の視点があり
 ました。かつては、これにがんじがらめになり、もっと生き辛さを抱えてい
 ました。

 いつも自信がなく、つまづくと他者批判よりも自己批判を多くしがちな傾向
 がありました。

 それは、振り返ると小学生くらいの時からあったような気がするのです。



 いつだったか、「自分が自分に一番イジワルなのではないか?誰もそこまで
 期待していないのに、自分が一番厳しく苦しめているのではないか?」と、
 その存在に気がつき、それ以降、少しずつそこから開放されてはきました。

 それでも、このような状態の時に、古くからの認知のパターンが出てくるの
 です。

 基本的構えと、認知の歪み(そしてラケット感情も)、どこかでつながって
 いて、年代は違えど、いずれもかなり小さい時から持っているものではない
 だろうか、と、これらの体験から思ったわけです。
  
 

 先日、TAネットワークの東京地方会「コミュニケーション・スキルアップセ
 ミナー」に参加しました。TAとその周辺領域のコミュニケーション関連の理
 論のお話でした。

 先生方のお話から、やはりそうだったのか!と、このところの自分の体験や
 考えていたことが腑に落ちました。
 理論的な説明は、まだうまくできないのですが・・・。

 


 セミナーには、100人前後の方がいらっしゃっていました。
 参加された方は、あのセミナーから、どんな気づきをされたのでしょうか?

 

  (運営事務局であるチーム医療のホームページに、受講された方の声が
   掲載されていますので、ご参考までにこちらもご紹介します。)
    http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/questionnaire.html#N83 

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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
 moriyama@iryo.co.jp
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