Transactional Analysis News 116

index No.12

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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第116号     2005/07/19
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2525名に発行  
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 こんにちは。首都圏もやっと梅雨明けとなりました。
 本格的な夏のシーズン到来ですね。みなさんは、この夏、どんな体験をして、
 どんな思い出を作るご予定でしょうか? 私は心身ともに喜ぶような体験がし
 たいともくろんでいます。今回は、TAネットワークのセミナー情報を中心にお
 届けします。
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────

【1】本の紹介:「医療に活かす癒し術
          〜コ・メディカルのための医療心理入門〜」

【2】セミナー情報1:【再掲】TAネットワーク金沢地方会、開催迫る

【3】セミナー情報2:TAネットワーク東京地方会

【4】セミナー情報3:秋のTAネットワーク主催セミナーの予定
           
【5】コラム:「“心の器”の中身」



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【1】本の紹介:「医療に活かす癒し術
          〜コ・メディカルのための医療心理入門〜」



 医療スタッフ向けの書籍ではありますが、メンタルヘルスに関わる方たちにも
 理解しやすい一冊です。

 交流分析に関する記述が、全体の1/4を占めています。
 医療現場だけでなく日常でも役に立つ交流分析の大枠を理解するという視点か
 ら、初めて交流分析に触れる人でも分かりやすいようにまとめられています。

 また、医療現場でさえまだまだ十分に理解されたとはいえない「心療内科」や
 「心身症」・「うつ病」について、専門外の人でも理解できるように書かれて
 います。ですから、職場のメンタルヘルスなどでも問題視されているいわゆる
 これら「ストレス病」について理解することにも役立つでしょう。



  「医療に活かす癒し術
          〜コ・メディカルのための医療心理入門〜」

   著:芦原 睦、佐田 彰見 著
   発行所:医療科学社  / 発行:2005年4月 
   定価:1200円(税別)



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【2】セミナー情報1:【再掲】TAネットワーク金沢地方会、開催迫る

 
  まもなく開催です。


    「TAネットワーク 金沢地方会」〜 交流分析の基礎理論 〜


 金沢地方会では、「交流分析の基礎理論」と題し、自我状態、エゴグラム、ゲー
 ム分析など、交流分析の基礎にあたる理論や技法を、1日かけてじっくり学習
 していただくために企画しました。
 
 是非ご参加をご検討下さい。

   
  講 師:芦原 睦 (中部労災病院心療内科部長、
            日本交流分析学会常任理事、同認定研修スーパーバイザー)
      
      大平 泰子(中部労災病院心療内科
            臨床心理士・産業カウンセラー)

  日 時:平成17年7月23日(土)10:00〜16:40
 
  場 所:ウェルシティ金沢(石川厚生年金会館)

  参加費:会員:9,000円(資料代・消費税込)
      一般:11,000円(資料代・消費税込) 


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  内 容:・やさしい対人関係の科学「交流分析」とは
      ・エゴグラムの実習とその応用
      ・いつも同じ失敗を繰り返す人たち
      ・まとめとQ&A

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  詳細: http://www.iryo.co.jp/ta-net/SEMI/N78.htm
  お申込:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp

  

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【3】セミナー情報2:TAネットワーク東京地方会 〜困った人びとの交流分析〜

 
 今回の講座では「困った人だなあ」と感じるよくある典型的なパターンをいく
 つかピックアップしていただき、構造分析、ゲーム分析、禁止令、ラケット感
 情、基本的構えなど交流分析で勉強する様々な分析方法や理論を駆使して、
 「困った人びと」との上手な付き合い方を、タイプ別に学習していただきます。

 講師の杉田峰康先生のお話の中から、ご自分の生活を楽にできるポイントを見
 つけて、ご活用いただければ幸いです。
 
   
  講 師: 杉田 峰康
      (福岡県立大学名誉教授・同大学大学院講師)

  日 時: 平成17年10月1日(土) 13:30〜17:00
             2日(日)  9:30〜16:00
 
  場 所: かんぽヘルスプラザ東京(東京都豊島区)

  参加費: 会員:15,000円(資料代・消費税込)
       一般:18,000円(資料代・消費税込) 



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  内 容:・困った人にはどんなタイプがいるでしょう?
      ・困った人たちと交流分析
      ・困った性格の人とつきあう方法
 
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  詳細: http://www.iryo.co.jp/ta-net/SEMI/N79.htm
  お申込:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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【4】セミナー情報3:秋のTAネットワーク主催セミナーの予定


 新たに日程の決まったセミナーです。


   【東海交流分析研究会・例会/TAネットワーク名古屋地方会】

     テーマ未定
     開催日: 平成17年11月3日(木・祝)
     講師: 杉田峰康、芦原 睦、他 


   【京都地方会】
     
     テーマ未定   
     開催日: 平成17年12月17日(土)
     講 師: 芦原 睦

 

 TAネットワークでは、今後9月〜12月の間に、毎月1回、上記広島・東京を含
 む全国主要都市4ヶ所にて、「交流分析の基礎」に関するセミナーを開催して
 いく予定です。

 基礎を学びたい方、復習したい方などは、この機会にどうぞご参加下さい。

   (申込み時期など詳細は、決まり次第ご案内いたします)
    お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp      
   


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【4】コラム:「“心の器”の中身」

 
 「心が、体験やそれにまつわる気持ちを貯めていく器だとしたら…?
  それぞれの人の“心の器”には、どんなものがどれくらい入っているのかな?」
 
 時々そんなことを考えたりします。

 今回は、心の器の中身について最近気づいたことについて、「ストローク」と
 「自己評価・自己概念」の視点から書いてみようと思います。



 つい先日、書棚やパソコン周りの整理をしました。
 長い間とっておいてもめったに見ることのないモノの中から、本当にもう不要
 なものを捨てることにしました。
 
 その時出てきたのが、過去にワークショップなどに参加した時のノートでした。
 ちょうど10年前のものです。



 その中のワークシートのひとつに、今まで身近な他者から言われてきた言葉を
 書いてみるというものがありました。

 9つの空の枠があり、「誰から」「どんなことを」という2点を自由に書いて
 いいものでした。
 私は、友人、家族、職場の上司などから言われた言葉を、プラス評価のもの・
 マイナス評価のものをほぼ半々ずつ書いていました。

 その時どんな気持ちで書いたのか思い出せませんが、こんな感じでした。
 最初の書き出し2つ目まではマイナス評価を書き、その後バランスをとりたく
 なったのでしょうか、プラスのことをまた2つ書き…。
 
 …結果、プラス評価4つ、マイナス評価5つという割合でした。

 ただ、欄外に、次点候補みたいに10個ほど他の言葉も書いてあったのですが、
 その大半はマイナス評価のものでした。

 自分自身のことを肯定したい、でも、他者から言われたマイナス評価にもかな
 り影響を受けている…そんな「私」が、そこにありました。

 

 そのノートを見ながらあらためて気づいたことがあります。

 プラス評価にしてもマイナス評価にしても、他者から何度も言われると「私っ
 てそういう点があるんだ」と、それらを「自己概念」「自己評価」として取り
 入れてしまっていることがあるということを。

 プラス・マイナス、どちらの評価にしても、それ以外のことももっとたくさん
 言ってもらえてるはずなのですが、私の「心の器」には、ある特定のキーワー
 ドだけが強調されいつも目に付くようなところにある…。そんな気もしました。
 
 要するに、他者からいろいろなフィードバックを受けるのですが、それらの中
 からある意味「自分に都合のいい(プラス面もマイナス面も)もの」、あるい
 は、「自己評価と合致するもの(他者から言われて、そうだと思い込んでいる
 ものも)」には注目するけれども、そうでない評価については素直に聞く耳を
 持っていないときがあるから、そういう風になっていくのではないかというこ
 とです。



  114号の「ほめられ上手」のコラムで、他者からプラスのフィードバックをも
 らった時、しっかり受け止める前に、「いえいえ、そんな」と否定してしまう
 癖がかなり強かった過去の私について書きました。
  http://blog.mag2.com/m/log/0000006928/105592092?page=1#105592092

 10年前に書いたシートの欄外のキーワードの多くがマイナス評価のものだとい
 うことも、その当時の心の傾向を表しているような気がしました。

 このような反応のあり方が、自らプラスの評価の自己概念を増やしていく機会
 を無駄にしてきたのだとしたら、残念なことです。



 カウンセリング場面や研修などで、自分のプラスの面・マイナスの面をあげ
 ていただくことがありますが、「マイナス面は思いつくけれど、プラス面は
 思いつかない」という方が時々いらっしゃいます。
 
 極端なケースだと、本当に1つもプラス面を書くことができない人がいます。
 
 今まで他者からどんな評価を受けてきた記憶があるのか聞いて見ると、マイ
 ナス評価を受けたエピソードばかり出てきます。

 でも、もしかしたら、心の器の中からそれらの記憶を繰り返し思い出して、
 記憶を強化してきただけで、プラスの評価をもらった記憶は器の奥底に追い
 やってしまっているのかもしれません。

 実際、ゆっくり記憶をたどっていってもらうと、プラスの評価をもらったこ
 とも思い出されたりすることもあるからです。



 思い出すためには、きっと、相手から言われた時、その発言をいったんは聞
 く・受け止めるという必要があるような気がします。
 そのためには、心をオープンにして相手の言葉をキャッチするという努力
 (人によっては)をすることだと考えます。

 そうすることで「心の器」に、とりあえずは入るのではないでしょうか。
 その後、そのことを忘れてしまっても。
 
 しかし、聞かずに「いえいえ」と否定してしまったら、そもそも「心の器」
 には入らないのかもしれません。

 「心の器」に入れる工夫をせずに、「私は誰からもプラスのフィードバック
 をもらえない」と落ち込んでいるとしたら、それは自分で自分を落ち込む方
 向へと追い込んでいってるといえるのではないでしょうか。


 
 交流分析では、人がその幼児期にどんなストロークをどの程度もらってきた
 かが「基本的構え」を決めるといいます。

 そして、その後も生きていく中で、その基本的構えを確認しようとすると。



 それを打破できるのは自分自身のみです。

 幼い頃の「心の器」に入ったストロークの質を今から変えることはできませ
 ん。
 しかし、これからどんなストロークを「心の器」に溜めていきたいかは、今
 の自分が決めればいいことです。
 
 確かに、幼い頃「心の器」に入れて今も持ち続けているものは、今の自分に
 もずいぶんと影響していることでしょう。
 でも、これからもその影響を受け続けるかどうかは、今の自分が決められる
 のです。
 

 
 ひょんなことから10年前の自分自身と出会ったことで、いろいろ考える機会
 になりました。
 
 え?そのノート、どうするかって?
 また「めったに見ないけどとっておく」コーナーに保管しておきます。
 今回のコラムをプリントアウトしてそれも一緒に…。

 すぐに保管したことすら忘れてしまうのでしょうけれど、自分を振り返る機
 会がまた訪れて今回のように偶然にそれを見つけたとしたら、その時の私は
 どんなことに気づくのか、興味がわきましたので(笑)

 
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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代
 moriyama@iryo.co.jp
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 このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
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