Transactional Analysis News 232

index No.24
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News 
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○○■○■○■○ ●交流分析メールマガジン 第232号     2015/03/27 
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○○■○■○■○ http://www.iryo.co.jp/ta-net       1,863部に発行 
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 みなさま、こんにちは。 
 私の家の近所では、彼岸桜が満開です。
 日々あちこちで花が咲き始め、ワクワク季節です。
 さて、交流分析を学んでいる方の中には、対人支援を様々な立場でなさってい
 る方も少なくないと思います。
 今号では、メンタルヘルス・カウンセラーの講座をご案内いたします。 

                               (森山貴代) 
 
■CONTENTS■────────────────────────── 


【1】セミナー情報: 
    
  (1)「メンタルヘルス・カウンセラー養成講座」

【2】コラム:「“聴く”というストローク」
  


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 セミナー情報(1)「メンタルヘルス・カウンセラー養成講座」
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 我が国の自殺者数は2012年に2万人台に減少したものの、依然それと関連の
 あるうつ病等の精神疾患への取り組みが必要であることは誰もが認めるとこ
 ろです。

 加えて、企業・団体の現場では、メンタル不調で休職をした人に対する復職
 支援、再休職予防も企業の大きな課題となってきています。

 国は、働く人のメンタル不調を早期に発見し、適切な相談と支援が受けられ
 るような体制を整えるべく、2015年12月施行としてストレスチェック制度の
 義務化を決め、厚生労働省で運用面の詳細について話し合いを重ねています。

 本講座は、働く人のメンタル不調をとりまく課題に応えられるように、カウ
 ンセリングの基礎知識とあわせ、認知行動療法を実技の主軸に置き、現場で
 それらを実践できる人材を養成するためのセミナーです。

 本講座は、
  ●働く人のメンタルヘルスをサポートするカウンセラーの養成
  ●管理職の方の「ラインケア」の活用
 を目標としてプログラムされています。


   
   講 師:(順不同・敬称略)
       新井典生(産業カウンセラー)
       江花昭一(神奈川大学 特別教授/産業医
            /日本交流分析学会 理事長)
       山本晴義(横浜労災病院 メンタルヘルスセンター長)
       杉田峰康(福岡県立大学名誉教授
                        /日本交流分析学会名誉理事長)
       吉田千晶(シニア産業カウンセラー/家族相談士
            /日本産業カウンセラー協会養成講座実技指導者)
       中村延江(桜美林大学大学院心理学研究科 科長・
       同大学院  臨床心理学専攻教授/臨床心理士)
       小林展子(ポンティキュラス心理研究所 代表/臨床心理士)
       芦原睦(中部労災病院心療内科部長
            同メンタルヘルスセンター長)
       倉成央(メンタルサポート研究所代表/臨床心理士
            /博士(学術))
       梅本和比己(株式会社チーム医療代表取締役
            / NLPトレーナー)



   日 時:2015年5月23日(土)〜11月1日(日)
       ※通学講座と web講座併せて約84時間の講座です。

   会 場:東京都内
   
   参加費:予約前納制

       【一般の方】(消費税・テキスト代、および、
                            メンタルヘルス協会入会金と2015年度の年会費)
        4月6日まで 1名 287,280円 早期申込割引5%  
        4月7日以降 1名 302,400円
 
       【メンタルヘルス協会会員】(消費税・テキスト代)
        1名 272,160円 
              
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q3683.html 


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  内容:

  【通学講座 60時間】(必修36時間を含め、合計48時間以上の受講が必要)
   ・メンタルヘルスとストレスコントロール
   ・メンタルヘルスの意義と管理監督者の役割・労働法
   ・メンタルヘルスと心身症・うつ病
   ・メンタルヘルスの現状と課題
   ・カウンセリングの基礎1
   ・カウンセラーの倫理
   ・メンタルヘルス不調と心理テスト
   ・カウンセリングの基礎2 傾聴トレーニング
   ・うつ病治療と認知行動療法

   ・傾聴実習
   ・筆記試験/カウンセリング実技試験

  【 Web講座 約12時間】
   ・医療機関と産業現場との連携
   ・交流分析・脚本からみたうつ病
   ・メンタルヘルス不調者と
   ・「新型うつ病」への対応法

   ※プログラムの内容は一部変更される場合があります。

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療  
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us  




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 コラム:「“聴く”というストローク」

   ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★ 
      ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp 
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 交流分析でいうところの「ストローク」は、人の存在を認めるための一単位
 と定義されており、「心の栄養」や「承認」などを意味するものです。
 
 
 その中の「無条件のプラスのストローク」の中でもひときわパワーがあるの
 は「傾聴」と言われています。
 
 「傾聴」という言葉を一度でも耳にしたことのある方は、かなりいらっしゃ
 ることでしょう。
 
 ただ、「実際にはどうやったらいいのかわからない」という方も少なくない
 ように思います。
 
 それをわかりやすい文章と「図解」で解説している本を見つけました。
 
 日本に「アサーション」を紹介した先駆者のお一人である平木典子先生の著
 書です。
 
 
  「図解 相手の気持をきちんと<聞く>技術
   〜会話が続く、上手なコミュニケーションができる!〜」
 
  PHP研究所
 
 
 「アサーション」とは自分も相手も大切にするコミュニケーションのスキル
 であり、「考え方・人間関係観」です。
 
 元々は、「Noと言えない」人のための、自己表現トレーニングとして紹介
 されていた時代もるため、「言い方、伝え方」を扱うものという認識の方も
 多いかもしれませんね。
 
 しかし、相互尊重のコミュニケーション、よりよい人間関係を継続していく
 ためには、「聞く(ここではあえて、著書タイトルと同じ漢字を使います)」
 ことも、伝えることと同じくらい大切なのです。
 
 そして、伝え方の勉強、スキルアップをする人は多いですが、むしろ、聞く
 ことの方が本当は難しいかも知れません。
 
 平木先生のこの著書には、次のような文章があります。(P.40)
 
  −−−−−−−−−−
  「話すこと」と「聞くこと」を比べると。「聞く」の方が難しい作業です。
 
  わかりやすく「話すこと」は容易ではありませんが、自分にその気があれ
  ば、何かを話すことはできます。
 
  しかし、「聞くこと」には、精神を集中する覚悟が必要です。
 
  そのため、私たちは聞くことが負担で、つい軽視しがちになります。
 
  私は、アサーション・トレーニングの一環としてよく「聴く練習」を行い
  ますが、仕事の場では聞く人が少ないのがよくわかります。
  
  会社にかぎらず、現代は聞いてくれる人がいないために自分の思いを伝え
  られず、心がいっぱいになっている人がたくさんいます。聞くのが上手な
  人は貴重な存在です。  
  −−−−−−−−−−
 
 
  
 上記最後の2文、「会社にかぎらず・・・」から「聞くのが上手な人は貴重
 な存在です」というところを読んで、ミヒャエル・エンデの「モモ」を思い
 出しました。
  
 いつのころからか古い円形劇場の廃墟に住み着いていた少女モモの元に、様々
 な人が訪れては、語っていく。
 
 モモはそれをじっと聴くのです。  
  
 20代半ばにその本を読んだきりですが、じっと他者の話を聴く少女の存在は
 印象的でした。
 
 しかし当時は、その役割・存在の大切さにはあまり気が付いていませんでし
 た。
 
 
 
 「どんな物語だったかな?」と少し情報収集してみたところ、興味深い論文
 を見つけたのでみなさんにもご紹介しようと思います。
 
 
  「『モモ』における時間性:教育における計画再考」 筆者:生越達
    http://ir.lib.ibaraki.ac.jp/bitstream/10109/1762/1/20100335.pdf 
 
 
 モモの「聴き方」について触れ、「聴く」ことは「待つ」ことにも通じ、
 「待つ=他者に時間を与える」ことである、と述べています。
 
 論文の主旨は、教育における時間に関する概念をどう考えていくかといった
 ものですが、その中で取り上げられる「モモの聴き方」は、「傾聴は最大の
 ストローク」であることを思い出させます。
 
 以前、なぜ傾聴が最大のストロークになるのかについて、どなたかから説明
 を聞いたことがありました。
 
 その方は「相手のために自分の時間を与える」ことであり、それは相手への
 「愛情」でもあるとおっしゃっていました。 
 
 論文には、そこにも通じるようなくだりもありました。
 
 また、「時間」についての筆者の考えに刺激され、私自身の時間についての
 概念を点検する機会にもなりました。
 
 
 
 あわせて、久しぶりに、「モモ」も読みたくなりました。
 
 若い時には難しいなと思いながら表面的にさらっと読んだだけでしたが、物
 語の深い部分を今ならその時よりは理解できるのではないか? 生越氏の論
 文を読んで、そんな気になりました。
 
 
 
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