Transactional Analysis News 166

index No.17

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第166号     2009/09/27
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2112名に発行
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 みなさま、こんにちは。
 首都圏も、少しずつ秋らしくなってきました。
 
 先日、空を見上げたらウロコ雲とトンボの群れが目に映りました。
 
 シルバーウィークと呼ばれた連休、自宅で静かに過ごしていたある日は、日
 中はセミの名残の鳴き声がし、日が傾き始めたらヒヨドリなど野鳥の声が聞
 こえ、日が暮れた後はコオロギの合唱があたりに響いていました。
 
 ギンモクセイ(白いのです!)が、蕾の段階から香りを放っていたので、そ
 の存在を見つけることができました。

 身近な自然で五感を働かせるのも楽しいものです。     (森山貴代)
 


■CONTENTS■──────────────────────────


 【1】セミナー情報:
   
   (1)杉田峰康先生と島田凉子先生による
      「インナー・コアを学ぶ 〜 自我から自己へ〜」〜

   (2)小林展子先生の「他者援助に活かす認知療法」

    
 【2】コラム:「自然の中に身を置いてみる」



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 セミナー情報(1)杉田峰康先生と島田凉子先生による
          「インナー・コアを学ぶ 〜 自我から自己へ〜」〜
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 ■心理的世界の中心、人格の中核をなす「自己」――■

 最近、今日の問題への対応を示唆する『交流分析:心理療法における関係性
 の視点』(H.ハーガデン、C.シルズ著、深沢道子監訳)が出版され話題になっ
 ております。

 これまで交流分析を学び実践されてきた方々から、その内容が難解なため苦
 労しているという声も聞かれます。

 その一つの理由として、心理療法の対象がこれまでの自我障害から自己感障
 害へと移り、従来の治療者主体の科学的・観察的アプローチから、クライエ
 ントと治療者の相互作用的な出会いの体験へと変化していることが考えられ
 ます。

 今回、心理的世界の中心であり、人格の中核をなす「自己」についての緒論
 を学び直し、その自覚を活かした治療法を学習する機会とするために、本セ
 ミナーを企画しました。TA学徒の皆様のご参加をお待ちしております。

                (日本交流分析学会 理事長 杉田 峰康)

 


   講 師:杉田峰康(福岡県立大学名誉教授、同大学大学院講師)
           (日本交流分析学会理事長)
       島田凉子(人間総合科学大学大学院 人間総合科学研究科
            教授)

   日 時:平成21年11月21日(土)  

   会 場:きゅりあん6F大会議室(東京都品川区)

   参加費:1名 通常価格 25,200円(資料代、税込)
       ホームページからの申込みの場合 23,100円(税込)
       【いずれも予約前納制】
   
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1880.html 

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  内容:
    1.「自己」を探すこと、回復すること、守ること、育てること
        C.G.ユングの自己、H.コフートの自己
        M.ジェイムスの自己、H.ハーガデンの自己
    2.「自己感」の発生・発達を学ぶ
        D.スターンの自己感、R.N.エムディの理論 
    3.自我心理学から関係性アプローチへ
        ベアトリスの症例:Aの汚染解除からCの混乱解消へ
    4.東洋思想とセルフ
        R.アサジョーリ(サイコシンセシス)
        高位のセルフとの交わり(パーソナル・セルフ)
        Y.池見:Sの概念(自然内存在としての生かされている自己)

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▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
   http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 
 



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 セミナー情報(2)小林展子先生の「他者援助に活かす認知療法」
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 うつ病の研究・アプローチから生まれてきた認知療法は、自分自身の「認知」、
 自分の枠組みについて理解しそれを修正することで気持ちが楽になるという
 アプローチをとります。

 たとえば、自分の中にある「〜べき」に気づきそれをもう少し楽にいられる
 方向に修正するという取り組みは、「P」による強い価値観を「A」でより
 現実的・合理的なものの見方にしていく取り組みにたとえられましょう。

 交流分析による他者援助の周辺知識の一つとして身につけられてはいかがで
 しょうか? また、体験学習をもって自ら体験しながらその手法を学ぶので、
 自らの気づきにも役立てることもできます。




   講 師:小林展子(ポンティキュラス心理研究所代表
            心理学博士、臨床心理士)

   日 時:平成21年11月8日(日)  

   会 場:日本工業大学 3F多目的ホール(東京都千代田区)
   
   参加費:1名 通常価格 39,900円(資料代、税込)
       ホームページからの申込みの場合 42,000円(税込)
       【いずれも予約前納制】
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1652.html  


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  内容:
    1.認知療法的アプローチとは【体験学習を含めて】
    2.他者観察のポイント
    3.援助的関わり方実践エクササイズ【体験学習を含めて】 

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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
   http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 




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 コラム:「自然の中に身を置いてみる」

 ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★
  ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
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 先日、以前から関心を持っていた「森林療法」についての講演会と体験ワー
 クショップに参加してきました。

 「森林療法」は、もともと知的障がい者の作業療法などにカウンセラーとし
 て携わっていた方が第一人者の一人ということもあり、地域活性化のための
 一つの方法としてだけでなく、対象者も健常者のみならずさまざまな障がい
 のある方やうつなどによる職場不適応、引きこもりの方などの「療法」とし
 ても適用されているようです。

 (似たような言葉で「森林セラピー」という言葉もありますが、こちらはあ
  くまでも私が講演を聴いた感想ですが、どちらかというと健常者寄りの健
  康・癒しに重きを置いている印象でした。)



 例えば、次のような事例の紹介がありました。

 知的障がい者の方の作業療法の一環として、森林でみんなで協力し合って作
 業をすることで、知的障がい者の方の異常行動の回数が減る、他者への思い
 やり行動が増えるなどの結果が見られた。

 うつ気味な会社員の方や忙しい方々のリラクセーションとして、森林内を散
 歩したり自然と触れ合うワークや自分を見つめるワークなどを実施すると、
 ワーク後に体内にあるストレス度合いをあらわす成分が減少する結果が得ら
 れているそうです。

 また、引きこもり・不登校の人たちに、作業療法的なことやリラクセーショ
 ンを実施すると、みんなで作業をやり遂げることで他者信頼感や自己肯定感
 が上がったりすることが功を奏し、学校に戻っていった例も多いようです。 



 私はこの話を聴いて、「あぁ、人からだけでなく自然からも受容とプラスの
 ストロークをもらっているのかもしれないなぁ」と思いました。



  ※もちろん、自然は穏やかな面だけでなく、人を寄せ付けない厳しい一面
   も持っています。私自身、登山で自然環境の厳しさに行く先を阻まれた
   こともありましたし、癒しを求めていった沖縄で本場の台風の破壊力の
   恐ろしさを体感したこともあります。
 
   今回は穏やかな自然環境での人と人、自然と人との関係について取り上
   げます。



 自然の中で何かする時、必ずしもうまくできないことも体験するでしょう。
 しかし、そこに、体験を共にする人たちがいて、うまくできてもできなくて
 も、その人たちと一緒に何かを協力しながらやったことから得る「つながり
 感」や、その人たちから温かく見守られ相互にプラスのストロークを受ける
 ことで、自己肯定感が高まるようです。

 そして私はさらにそこから、「人」だけでなく、「自然」の中に身を置いて
 いることそのものが彼らにとって受容されていることであり、無言の承認
 (=ある種のプラスのストロークともいえましょう)を与えられていること
 になっているのではないかと思いました。

 演者も森林療法が不登校の青少年たちにもたらした効果として、「彼らにとっ
 て“自然は何も言わない”のが良かったようです。」と語っていました。



 私は、「自然は、評価や押し付けのアドバイスなどしないし、“ありのまま
 の自分”を黙って受け入れてくれる存在」だと思っています。

 私自身、そんな自然の包容力を実感しているからです。

 私は、悩んだり、受け入れがたい感情が心の中に落ち着き場所を得られずに
 心がざわついている時、木々が多いところや川辺や海辺などに散歩に出かけ
 ることがあります。
 
 その場で私がどんな感情でいても(たとえば、怒ったり、自己否定感にさい
 なまれていたり、落ち込んでいたり…)、そんな私がそこにいることを黙っ
 て受け入れてくれる。それが実感できた時、自然が私を拒絶せずその中に身
 を置かせてくれていることそのものが、私にとって強力な受容・プラスのス
 トロークになります。
 
 どんな気持ちのコンディションでいても、自然は、そんな自分をその場にい
 させてくれます。そして、ただ黙って見守られているような感覚を覚えます。
 それは、自分を丸ごと受け入れられているような感覚でもありますし、あり
 のままの自分でいてもいい安心感でもあります。
 


 私の場合、土や昆虫、生き物にも抵抗感がなく、またアウトドア的な活動も
 好きだからそう思えるのかもしれませんが・・・。

 土や虫、汗をかくこと、歩くことなどが好きでない方は、また違った感情を
 抱くかもしれませんね。

 リラクセーションは人それぞれ、その人に合った方法でやることがいいと思っ
 てはいますが、常日頃自然からエネルギーをもらっている私としては、今回
 述べたような視点で自然と関わってみるのもオススメしたいと思います。 

 「行楽の秋」、身近な自然にふらりと出かけて、自然と触れ合ってみません
 か?



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 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
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