Transactional Analysis News 162

index No.17

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
 ■■■ ■
  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第162号     2009/05/31
  ■ ■■■ 
  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2166名に発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 みなさま、こんにちは。

 先日父の故郷を旅行した際、私の亡き曾祖母・祖父母を知る年配の方と偶然
 出会いました。その方が言うには、「あなたのおばあさんは本当に働き者だっ
 た」とのこと。

 そういえば、私の父の口癖は「我が家の家訓は、『働かざるもの食うべから
 ず』だ!」です。祖母から受け継いでいるのですね、きっと。自営業なので、
 一般的な定年の年齢を過ぎてもなお現役でがんばっています。楽しんでその
 生き方を続けているので、祖母の姿はいい意味でのドライバーの一種のよう
 な形で働いているのかもしれません。

 もう一つの家訓が『五葉の“松”より後始“末”』。これも父が祖父母から
 受け継いだものだと思いますが、年末の大掃除の時によく口走っている割に
 は、日頃の父の周辺は、雑然としています。これに関しては、私も、父の言
 葉よりその「姿勢」を取り込んでしまったようです(笑)

 父親から私へとつながるライフスタイルのルーツの一部を垣間見たような旅
 でした。  

  ※五葉松:縁起のよい樹木の一種            (森山貴代)



■CONTENTS■──────────────────────────


【1】セミナー情報:
   
  (1)よりよい人間関係とコミュニケーションスキル
     「BCBベーシックコース/エーブ・ワグナー氏来日指導」

  (2)「脚本分析と再決断ワークショップ」
 
【2】コラム:「傾聴は最高のストローク」



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 セミナー情報(1)よりよい人間関係とコミュニケーションスキル
        「BCBベーシックコース/エーブ・ワグナー氏来日指導」
-----------------------------------------------------------------------


  ●プログラム発案者エーブ・ワグナー先生直々のご指導!
 
  「BCBプログラム」は、わかりやすい対人関係と自己理解の心理学「交流
  分析」自分が望む良い状態を手に入れるための心理学「NLP(神経言語プ
  ログラミング)」を組み合わせた実践的なコミュニケーションスキルです。

 「BCBプログラム」は、

  「あの人」の考え方や行動の意味を理解し、
  「あの人」を変えるのではなく、「あの人との関係を変える」

 そんなよりよい人間関係を築くために、人の行動を動機づける鍵となる要素
  を学び、破壊的なコミュニケーションパターンをさけるためのコミュニケー
  ションの技法について学びます。

 今回は、本プログラム発案者のエーブ・ワグナー先生をお招きして直接ご指
 導を賜ります。


   講 師: エーブ・ワグナー(国際TA協会教授会員・NLP教授)

   日 時:平成21年7月18日(土)〜20(月・祝)  

   会 場:日本工業大学神田キャンパス3F多目的ホール(東京都千代田区)
   
   参加費: 1名 83,000円(ホームページからのお申込み限定)
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1199.html  


  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   1.人の行動を理解する  〜自我状態〜
   2.人の考え方を理解する 〜視覚、聴覚と触運動感覚のチャンネル〜
   3.典型的なコミュニケーションのパターン 〜相補交流〜
   4.非効果的な人間関係のパターン 〜相互依存〜
   5.モチベーションのキー 〜ストローク〜
   6.スマートに問題を指摘する 〜建設的な対応(フィードバック)〜
   7.難しいケースにおいての対応 〜交差交流とペース合わせ〜

  -------------------------------------------------------


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



■□■─────────────────── Transactional Analysis News

-----------------------------------------------------------------------
 セミナー情報(2)脚本分析と再決断ワークショップ
-----------------------------------------------------------------------


 毎回好評を博している杉田先生のワークショップが、この夏もまた開催され
 ます。すでにお申込みが定員の半数となっております。
 ご関心をお持ちの方は、お早目のご検討をおすすめします。

 交流分析の理論、ホット・シート(空椅子の技法)などを用いて、参加者自
 身の抱えている問題や悩みを題材に、実際にワークをしながら、脚本分析や
 再決断の理論・手法について理解を深めていきます。


 「人間は 成長していく過程で“いないことにされた私”を
          外に出して祝福してあげる必要があるんです」
                         
                       (杉田峰康先生のお言葉)



   講 師:杉田峰康(福岡県立大学名誉教授・同大学大学院講師)
           (日本交流分析学会理事長)

   日 時:平成21年8月1日(土)〜2日(日)  

   会 場:日本工業大学神田キャンパス3F多目的ホール(東京都千代田区)
    
   参加費:1名 通常価格 52,500円(資料代、税込)
       ホームページからの申込みの場合 50,400円(税込)
       【いずれも予約前納制】
                
   詳 細: http://www.iryo.co.jp/q1292.html 

 

  -------------------------------------------------------
  
  内容:
   1.「脚本分析」の理論について
   2.ワークショップで取り上げる問題(例)
   3. ワークショップで用いる技法のいくつか

  ※参加者から問題を提示していただき、グループの中での個人ワークを
   行ない、続いてディスカッションによって学習を深めてまいります。
  ※間に休憩をはさみます
   
  -------------------------------------------------------


 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 
    http://www.iryo.co.jp/index.php?main_page=contact_us 



■□■─────────────────── Transactional Analysis News


-----------------------------------------------------------------------
コラム:「傾聴は最高のストローク」

   ★交流分析やコミュニケーションについて、ともに学びあいませんか?★
      ご意見・ご感想は… 森山貴代 moriyama@iryo.co.jp
-----------------------------------------------------------------------


 「傾聴は最高のストローク」
 ・・・交流分析を学んでいるとよく耳にする言葉です。

 少し前、「なるほど! 本当にそうだなぁ!」と思った話を聴いたので、今
 回はそれをご紹介します。

  

 ある小学校高学年の男の子が、熱を出して学校を数日休んだ後、そのまま学
 校に行けなくなってしまいました。

 どこか特定のところが痛かったりするわけではなく、検査を受けても何の異
 常もないのに、朝起きると何かしら不調を訴え学校を休む日々が続いたそう
 です。
 
 どうしたらいいのだろう? と悩んだ母親が、ストロークの話を聞き、普段
 は仕事と家事で忙しくして子どもの話をゆっくり聴く余裕を失っていたとふ
 りかえり、この機会にじっくりと子どもの話を聴くことを心がけてみました。

 すると数日して、学校でのクラスの友達との間であった不満をポツリポツリ
 と話し出したそうです。

 さらに「お母さんはお仕事で疲れているから、話しかけない方がいいと思っ
 ていた」とも語ったそうです。

 母親は、こんな小さな胸でそんなことを数ヶ月間も抱えてたんだなぁと切な
 くなったといいます。

 「我慢しないで話していいんだよ」と子どもに伝え、つい仕事で疲れた態度
 を家の中であからさまにしていた自分を改めようと思ったそうです。

 母親が聴く態度を心がけたところ、子どもはそれ以来、母親に少しベタベタ
 と甘えるようになりました。
 
 母親はそれも普段なら「疲れてるから」と邪険にしがちだったところを、子
 どもがなすがままにさせてみたそうです。



 ・・・しかし、それでも、子どもは学校に行けるようにはなりませんでした。
 保健室までは行けても教室には入れない、すぐに帰宅してしまう、などの状
 況が続きました。

 気晴らしにと、休日に母子で久しぶりに遠出してゆっくり遊びに出かけたり
 しても、効果がみられなかったようです。



 それからさらに日々が過ぎたある日・・・
 
 子どもが突然、「習い事をやめたい」と言い始めたのだそうです。

 それは母親にとっては青天の霹靂だったといいます。
 てっきり子どもは楽しく喜んで行っているものだとばかり思っていたからで
 す。

 以前の母親だったら、「ここまで続けてきたのにもったいない」と言うとこ
 ろだったのが、今回は相手の気持ちに寄り添うことを心がけて「そんなに辛
 かったんだったら、やめてもいいよ。ここまでがんばったんだから。」と答
 えました。

 すると子どもは安心した顔で、実は前からやめたいと思っていたと話し始め
 たのだそうです。

 同居しているおじいさんが何とか続けさせようと子どもを説得にかかりまし
 たが、日頃は穏やかな子どもが「やめるって決めたから!」と毅然とした態
 度で自分の気持ちを伝えたのを見て、母親は驚いたといいます。



 その母親なりに子どものことを考えて思い至ったのは、「習い事をやめたい」
 ということが言えずに、かわりにどこか調子が悪くなれば習い事に行かない
 ですむだろうという気持ちが子どもの中に働いたのではないかということ。

 習い事だけ行かないですむ方法が見つけられなかったので、無意識のうちに
 体調不良という形で訴えた結果、学校も休まざるをえない状況になってしまっ
 たのではないかということです。



 学校に行けなくなっていた時期には、病院やカウンセラーに「不登校の入り
 口かもしれないので注意するように」と言われ、母親が「このまま不登校に
 なったらどうしよう?」ととても不安を抱いていたのがまるでウソのように、
 子どもはその後楽しく学校に通い続けているそうです。



 子どもなりの精一杯のSOSを発していたんでしょうね。

 そして、母親が聴こうとする態度を心がけたことにより、最初は無難なとい
 いますか、本人にとって言いやすい不満や悩みを訴えることで親の反応を試
 し(あくまでも無意識に)、さらに親の聴く姿勢が一過性のものでないと確
 信し安心して本音が言えると感じられた時に、やっと本当のことを話せたの
 ではないか。

 私はそんな風に想像しました。

 また、聴いてもらい受容してもらうことで、「I am OK(僕は僕のままでい
 いんだ)」という気持ちが子どもの中に強まり、ちょっと恐い頑固なおじい
 さんにも自分の気持ちをはっきりと伝えることができたのではないか、と思
 いました。
 

 
 「傾聴」という無条件のプラスのストロークの愛の力をあらためて認識した、
 ある母子の物語でした。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 発行元:インターネット交流分析研究会
 発行責任:森山貴代  moriyama@iryo.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
 行しています。( http://www.mag2.com/ ) 発行登録番号:0000006928
 このメールマガジンの他に『まぐまぐ』からの『ウィークリーまぐまぐ』も届
 くようになります。ご了承下さい。必要のない方は『まぐまぐ』のホームペー
 ジから解除できます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
  
 


index No.17