Transactional Analysis News 131

index No.14
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第131号     2006/11/07
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,514名に発行
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 みなさま、こんにちは。今日は立冬。暦の上では冬となりました。
 毎月下旬に発行している当メールマガジンですが、今回は少しペースが遅れ
 てしまいました。
 心配して問い合わせメールをくださった読者の方もいらっしゃり、申し訳あ
 りません。
 普段はほとんどこちらから一方的な配信なのですが、パソコン画面の向こう
 で配信を待っていらっしゃる方々の存在をあらためて感じました。
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────


【1】本の紹介:「エゴグラム実践マニュアル
          自己成長エゴグラム(SGE)と対処行動エゴグラム(CB-E)」


【2】セミナー情報1:「2日で学ぶ交流分析基礎理論」


【3】セミナー情報2:「より深く学ぶ交流分析:
               ゲーム分析と脚本分析を中心に」

【4】コラム:「ゲームを避け、思いを効果的に伝えるには」


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【1】本の紹介:「エゴグラム実践マニュアル
          自己成長エゴグラム(SGE)と対処行動エゴグラム(CB-E)」

 
 本書はSGE(自己成長エゴグラム)とCB-E(対処行動エゴグラム)という2つの
 心理テストの活用方法について書かれています。
 
 それぞれ具体的使用方法や臨床での応用の仕方、研究報告などを紹介しており、
 交流分析の理論も含め総合的な「エゴグラム実施マニュアル」となっています。
 そして本書は、新発売の「CB-E(対処行動エゴグラム)」を解説した唯一のマ
 ニュアルです。
 
 SGE とCB-Eは、組み合わせて活用することによって、患者さん・クライエント
 の方のより深い自我状態の把握や、ストレスの緩和・治療に効果を発揮します。
 エゴグラムの本格的活用を考えている方には是非お勧めします。

 ※ SGEチェックリストは、本書に附録として添付されています。




   「エゴグラム実践マニュアル
     自己成長エゴグラム(SGE)と対処行動エゴグラム(CB-E)」


   編著: 芦原 睦(中部労災病院心療内科部長・
        勤労者メンタルヘルスセンター長)

   発行所:(株)チーム医療 発行日:2006年8月

   定価:2100円(税込)

   詳細: http://www.iryo.co.jp/teamiryo/PSY_BOOK/B6076.htm 

   お申込み・お問合せ:株式会社チーム医療 shouhin@iryo.co.jp




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【2】セミナー情報1:「2日で学ぶ交流分析基礎理論」 〜交流分析講座【1】
           

 杉田峰康先生による、交流分析講座です。

 交流分析の入り口から最終ゴールと言われる「脚本分析」まで、1月、2月の
 2つのセミナーに分けて連続してご講演いただきます。

 交流分析を体系的に学びたい方、基礎理論を復習したい方、現場への応用ヒン
 トを見つけたい方などにおすすめです。

 2月のセミナーは、次項「セミナー情報2」でご案内します。



   *交流分析とは?
    
    交流分析(TA)はアメリカで誕生した「わかりやすい自己発見の方法で、
    対人関係の心理学」です。全般に簡潔で、難しい用語を用いないので、
    多くの人々に理解しやすいのが特色です。
 
    その理論や方法のどこからでも学ぶことができ、また学習後すぐに活用
    することができるので、医学界ばかりでなく家庭、教育界、産業界でも、
    性格形成の分析や、よりよい人間関係を築くのに利用されています。



  講 師: 杉田 峰康氏(福岡県立大学名誉教授・同大学大学院院講師)

  日 時: 平成19年1月27日(土)〜28日(日) 
  
  場 所: 食糧会館(東京都千代田区)

  参加費: 1名 27,300円(消費税・テキスト代込)

        2名同時申込の場合 26,250円(消費税・テキスト代込)
       チーム医療セミナー会員・TAネットワーク会員
                 25,250円(消費税・テキスト代込)


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  内容:(交流分析の基礎理論全般)

   ● 心理療法統合の時代に向けての交流分析

   ● 自己理解の基礎としての自我を学ぶ
     〜 あなたの心の姿とその働き(エゴグラムを読む) 〜

   ● カウンセラーとしての基本的人生態度
     〜 自他肯定の治療的自己を目指して 〜

   ● あなたの感情生活の源を探る
     〜 健全な人間関係を阻む:ラケット感情 〜

   ● 分かっているのにやめられない、なぜ?
     〜 こじれる人間関係(人生ゲーム)のからくりを探る 〜

   ● ひきこもりから親密なふれあいまでの道
     〜 愛(ストローク)を求める時間の過ごし方 〜

   ● 自己実現は“いばらの道”か?
     〜 あなたの人生シナリオの書き換えを目指して 〜


  [詳細・お申込み]  http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/1576.htm#1576 
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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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【3】セミナー情報2:「より深く学ぶ交流分析:
            ゲーム分析と脚本分析を中心に」〜交流分析講座【2】


 先述の「2日で学ぶ交流分析基礎理論」の中から、さらに「ゲーム分析」と
 「脚本分析」に重点を置いた応用編です。

 交流分析の核心を学び、より実践に活かしたい方におすすめです。


    なお、3月には、毎年恒例の自己成長・臨床技法ワークショップ「脚
    本分析と再決断」が開催されます。(3月10日(土)〜11日(日))
 
    ここでは、参加者自らがご自分の問題を提示し、グループの中での個
    人ワークを行なっていきます。自己成長や深い気づき、そしてTAを使っ
    たカウンセリング技法を学べることで人気のワークショップです。

    自分自身や理論・技法についてより理解を深めるためにも、3月のワー
    クショップにご参加希望の方は、当セミナーや1月のセミナーを受講
    され、交流分析の基礎知識を持たれて参加されることをおすすめしま
    す。

 

  講 師: 杉田 峰康氏(福岡県立大学名誉教授・同大学大学院院講師)

  日 時: 平成19年 2月10日(土)〜11日(日)
  
  場 所: かんぽヘルスプラザ東京(東京都豊島区)

  参加費: 1名 27,300円(消費税・テキスト代込)

        2名同時申込の場合 26,250円(消費税・テキスト代込)
       チーム医療セミナー会員・TAネットワーク会員
                 25,250円(消費税・テキスト代込)


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  内容:(「ゲーム分析」と「脚本分析」を中心に)

   ● 自己発見と自己改造のための交流分析
 
   ● こじれる人間関係の解明と解消:ゲーム分析
    1.ゲーム理論の変遷
    2.人はなぜ苦痛なパターンを繰り返すのか?
    3.臨床場面で演じられるゲーム
    4.ドラマ三角形(カープマン)とゲーム
    5.値引きとゲーム
    6.ゲームのやめ方徹底的学習       など

   ● 脚本分析と再決断への道
    1.個人ワークのためのアンケート(抵抗を探る)
    2.脚本チェックリスト(E.バーンら)による自己分析
    3.あなたはどこを、どのように変えたいのですか?
    4.変わった日の姿を描く
    5.人生脚本の母体となる禁止令
    6.再決断療法によるワークの実際     など

   ● ラケット・システムによる自己分析法


  [詳細・お申込み]  http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/1576.htm#1583 
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 ▼ お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp



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【4】コラム:「ゲームを避け、思いを効果的に伝えるには」


 私は時々、親子や夫婦間のコミュニケーションに悩んでいる方々のワークショッ
 プでファシリテーターを務めることがあるのですが、その中で最近ふと考えた
 ことがあり、そのことについて書いてみたいと思います。

 それを試してみたらTAでいうところの「ゲーム」を避けることができないだろ
 うか? という方法です。



 それは、“私の”「気持ち」「影響を受けていること」「ありたい姿」を伝え
 る、という方法です。“相手への”「評価」「行動・態度の非難」「期待通り
 でないことのみに着目したり、自分の希望に応えるような言い方をする」より。

 これはいわゆる、「I(わたし)メッセージ」といわれるものに該当しますが、
 参加者の方と語り合いながら、これはゲームを避けるのに有効でないか? と
 ふと思ったのです。

 それは、「Iメッセージ」が伝える中身は、「You(相手)」が話題の中心では
 ないからです。また、相互尊重をベースとしているため「I am OK」のスタン
 スに立っているともいえるからです。

 ゲームが「You are not OK」または「I am not OK」の結末を迎えるならば、
 そうでない視点からのメッセージを発信することで、不本意にこじれた会話に
 なっていくことを防ぐことができるのではないかと考えました。

 すでに、Iメッセージがゲームを避けることに有効だという考えは存在してい
 るのかもしれませんが、私がワークショップで参加者の方々の日常会話を聞き
 ながら考察してみたことを以下にまとめます。

 次の3つの例は、ゲームの種類は別として、いずれも「You are not OK」また
 は「I am not OK」の結末を迎えるであろう会話へと発展することが予想でき
 る「序幕」です。



 【こじれる会話への序幕1:相手が期待通りでないところばかりを話題にする】


   夫:「お前は整理整頓できないよな。」
   妻:「私だっていろいろ忙しいのよ。あなたこそどうなのよ!」

   母:「いつもあんたは手伝ってくれないんだから。」
   子:「うっせーよ!」


 ・・・「(私は)綺麗に片付いた部屋は気持ちがいい」「(私は)手伝ってく
 れると嬉しい」と、自分の思い描く「ありたい姿」や「気持ち」を率直に伝え
 た方が、こちらが何を望んでいるのかが伝わると思うのですが・・・

 「言ってもきかないから!」とおっしゃる方もいるかもしれません。
 そういう方にはよく振り返っていただきたいのですが、相手にも都合があるの
 に、それには耳を貸さず、「自分がして欲しい時にすぐ期待に応えてくれなけ
 れば“not OK”」といったような裏のメッセージが含まれていませんか?




 【こじれる会話への序幕2:
     禁止事項ばかり言う、または、こちらのありたい姿を強要する】


   妻:「ちょっと、靴下を脱ぎっぱなしにしないでよ」
   夫:「いいじゃないか、そんな小さなことでイチイチ・・・」

   父:「うるさい!部屋の中で暴れるな」
   子:(・・・萎縮・・・)


 ・・・「脱ぎっぱなしの靴下を拾って歩くのは、なんだか惨めな気がするわ。」
 「父さんは疲れているんだ。声が頭にガンガン響くよ。」など、相手の行動を
 コントロールするようなメッセージの発信ではなく、相手の行動によってこち
 らがどんな気持ちでいるのか、どんな影響を受けているのかなどを伝えてはい
 かがでしょうか?

 または、こちらのありたい姿を「強要」するのではなく、「理解して欲しい」
 という気持ちを込めて伝えてはいかがでしょうか?「強要」=「私の考え・方
 法のみが正しい」=「You are not OK」と受け取られかねません。




 【こじれる会話への序幕3:相手の話を聞かないで自分の主張ばかりする】


 ・・・これは、いうまでもなく「You are not OK」の態度ですね。

 ワークショップに参加した方に、次のようなことを提案してみました。


  【まずは】相手の話に耳を傾け、それがたとえ自分の価値観とそぐわなくて
  も、【まずは一旦】「あなたはそう感じたのね、そう思うのね」と相手への
  理解を示すメッセージを発してはいかがでしょうか。

  そしてしばらくは相手の話を聞いてみてはどうでしょうか?

  いつもみたいに、自分の言いたいこと、自分が聞きたいことだけに心を向け
  ている(=「You are not OK」)のではなく。

 
・・・それを自宅で実践してくださった方から報告がありました。
 

  息子から

  「おかあさん、いつもそうだったら、穏やかに語り合えるのに」

  と言われました。   と。



 ・・・いかがでしょうか?
 みなさんは、「Iメッセージ」と「ゲーム」の関係を、どのようにお考えにな
 りますか?



 不本意なのについついやってしまうゲーム、分かってもらおうと一生懸命言え
 ば言うほど本当に伝えたいことが伝わらなくなる会話・・・。

 なるべく避けたいものですね。
 
 もし、お役に立ちそうでしたら、試してみて下さい。
 そして、結果を下記編集部あてメールに送っていただけると、私も勉強になっ
 て嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。



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 発行元:インターネット交流分析研究会
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 moriyama@iryo.co.jp
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