Transactional Analysis News 124

index No.13
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第124号     2006/03/29
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2,488名に発行   
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 みなさま、こんにちは。
 いよいよお花見の季節ですね!都内でも先日ソメイヨシノの開花宣言がなさ
 れ、ちらほらと花を咲かせ始めた木も目にとまるようになってきました。
 
                              (森山貴代)

■CONTENTS■──────────────────────────

【1】本の紹介:「お義母さん、あなたのそこがストレスです!」

【2】セミナー情報:TAネットワーク東京地方会
           「あなたの人生脚本を探る」

【3】情報:交流分析学会のホームページから
      学会入会申込書をダウンロードできるようになりました

【4】イベント情報2:第31回 日本交流分析学会学術大会

【5】セミナーレポート:「困った人々の交流分析」「脚本分析と再決断」

【6】コラム:「“心の器”の中身(9):声の記憶」
        


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【1】本の紹介:「お義母さん、あなたのそこがストレスです!」

 
 すごいタイトルですが、どんな中味なのか読んでみたくなるインパクトの強さ
 がありますね。
 
 後半が、花岡啓子先生による交流分析の活用集になっています。一般の方にも
 分かりやすくかつ、とても具体的実践的な内容になっていて、交流分析の勉強
 に役立ちます。(前半は、嫁姑トラブルを嫁側の立場でまとめた事例集です)

 OKグラム、エゴグラム、構造分析、カープマンの三角形にあてはめた事例解説、
 姑のタイプ別交流パターン分析と交流パターンの改善例などが、盛り込まれて
 います。



   「お義母さん、あなたのそこがストレスです!


   著:花岡啓子( PSRストレス医学研究所)&嫁ライターズ

   発行所:河出書房新社 発行日:2006年2月
   定価:1200円(税別)



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【2】セミナー情報:TAネットワーク東京地方会
          〜あなたの人生脚本を探る〜



 杉田峰康先生による人生脚本に関するセミナーです。
 交流分析の最終ゴールは脚本分析と言われます。
 今回はカウンセラーの自己訓練の視点から、このテーマを広く学んでみたいと
 思います。


  講師:杉田峰康(福岡県立大学名誉教授、同大学院講師)
         (日本交流分析学会理事長)
     
  日 時:平成18年5月14日(日)
 
  場 所:全共連ビル中会議室(東京都千代田区)
       http://www.jankb.co.jp/frame_kaigi.htm 

  参加費:一般          18,900円
      TAネットワーク会員  16,800円

  
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  内容:・脚本分析の源を探る
     ・再決断派による脚本分析(グールディングら)
     ・脚本治療(バーン
     ・本当の自分を生きる ―「治療的自己」養成の立場から


   [詳細] http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/N85.htm 

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 ▼ お申込み・お問合せ:株式会社チーム医療 seminar@iryo.co.jp




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【3】情報:交流分析学会のホームページから
      学会入会申込書をダウンロードできるようになりました


 日本交流分析学会のホームページから、学会入会申込書を入手していただくこ
 とができるようになりました。
 
  http://iryo.co.jp/ta-net/jta/entry.html 


 使い勝手に合わせて2種類の申込用紙が用意されましたので、ご利用下さい。

  ・プリントアウトし、手書き記入・・・PDF版
  ・お手元のパソコンに保存し、パソコンから入力・・・Word版
 
 (いずれで作成された場合も、事務局へ郵送することになっています)



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【4】イベント情報2:第31回 日本交流分析学会学術大会


 今年の大会は、2006年国際サイコセラピー会議イン・ジャパンおよび第3回ア
 ジア国際サイコセラピー会議と併催で開催されます。
 (8月28日(月)〜9月1日(金)5日間のうち、本大会は30日(水))

 同期間内に、臨床催眠学会、自律訓練学会、内観学会など、様々な学会大会が
 開催されるのも珍しく、この機会に様々な分野の情報を得るのもいいかもしれ
 ません。

 
  期 日:平成18年8月30日(水)
       http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/program.html#3 

  会 場:京王プラザホテル 南館4階・錦(東京都内)

  大会長:村上正人(日本大学付属板橋病院心療内科科長)

  会 費:大会のみ参加(1日参加)事前登録 10,000円、当日登録 10,000円 
      期間内3日以上参加   事前登録 30,000円、当日登録 40,000円 
     
      事前参加登録詳細・お問合せ
       http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/registration.html 
  

  ◆一般演題(ポスター発表)募集中 
    演題登録締切日 平成18年3月31日(金)
     http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/callforpapers.html 




  ▼お申込み・お問合せ:
    2006年国際サイコセラピー会議イン・ジャパン
    および第3回アジア国際サイコセラピー会議 事務局
     http://www.the-convention.co.jp/06icptj/jp/contactus.html 



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【5】セミナーレポート:「困った人々の交流分析」「脚本分析と再決断」


 株式会社チーム医療セミナー運営者による、セミナーレポートコーナーです。
 TAを中心に、コミュニケーション・スキルアップ、よりよい人間関係に役立
 つセミナーが、いったいどういう内容で行われているのか、紹介していく予
 定です。

 今回は、2月下旬に行われたTAネットワーク東京地方会「困った人々の交流
 分析」と、3月上旬に行われたチーム医療セミナー「脚本分析と再決断」の
 2本立てです。



 ┌────── セミナーレポート:困った人々の交流分析 ───────┐
 └─────────────────────────────────┘

  今回は、去る2月25日(土)〜26日(日)に開催いたしました「TAネッ
 トワーク東京地方会/困った人々の交流分析」のセミナー風景をお届けしま
 す。

  ご存知杉田峰康先生のご講演で、身の周りにいる「困った人」をタイプ別
 に見ていこうというこのセミナー。一つ一つのタイプごとに「そのパーソナ
 リティにはどの様な理由が考えられるのか」「まずい接し方」「望ましい接
 し方」と順に説明が進んで行きます。


  最後には「セラピストととして何ができるか」という一つ突っ込んだ内容
 にも触れ、治療者の方にも専門的な学習をしていただけるボリュームたっぷ
 りのセミナーでした。


  また、そのタイプの見方も交流分析に限らず、精神分析、ゲシュタルト療
 法などいろいろな心理療法・理論の観点からも杉田先生のお話は進んでいき、
 ナルシシズムやエディプスコンプレックス、人格適応論に話が及ぶにつれて、
 「困った人」と一口に言っても根が深いこともあるんだな、と感心(?)し
 てしまいました。


  今回も参加者の方々にアンケートをお願いしたのですが、案外多かったの
 が「私も困った人でした」というご意見。セミナーの直後で気にしすぎてい
 るのかもしれませんが、このセミナーで何らかの気づきがあったとしたら嬉
 しいです。


                     文責・佐々木 啓(困った人?)

           ご意見・ご感想をお寄せ下さい sasaki@iryo.co.jp


 ・セミナー参加者の声:  
     http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/questionnaire.html#N84 


 
 ┌──────  セミナーレポート:脚本分析と再決断  ───────┐
 └─────────────────────────────────┘

  今回は、去る3月4日(土)〜5日(日)に開催いたしました「脚本分析
 と再決断」のセミナー風景をお届けします。


  このセミナーは、講義とは一味違う杉田先生の迫力ある再決断の技法が体
 験・学習できる大人気のワークショップです。1985年の第一回目から毎年開
 催しており、今まで大勢の方にご参加いただきました。


  セミナーの流れとしては、まずはテキストを使い「脚本分析とは?」「禁
 止令とは?」といった説明をダイアナ元皇太子妃など実在の人物の人生脚本
 から見ていきますが、杉田先生も仰っている通り「このセミナーのねらいは
 一つでも多くのワークから学ぶこと」です。参加者の方々に事前にご記入い
 ただいたアンケートをもとに、再決断のワークを希望される方と杉田先生の
 やり取りからワークに入ります。


  このセミナーの目的の一つは「禁止令を早く見つけてどのように処理する
 か」ということ。杉田先生は「禁止令によって禁じられた本当の自分=“い
 ないことにされた私”を探すこと」とも仰っていました。


  その“いないことにされた私”に杉田先生のリードで光が当てられ統合さ
 れていく過程で、ワーク中のほとんどの方は涙を流されます。「いないこと
 にされた本当の自分が出てきたら涙の一つも出てくるのが当然ですよ」と優
 しい言葉をかけてくださる杉田先生。参加者の方々もご自身の問題と照らし
 合わせて、涙を流される方もいらっしゃいました。


  スタッフの私も感動する杉田先生のワークとその姿勢は、ご自分の問題解
 決や技法の学習に来られた参加者の皆様にとって、大いに役立ったことと思
 います。そして、20年間ものロングランを可能にした魅力を改めて感じま
 した。


  最後に、杉田先生の仰られたことで、特に印象に残ったことをお伝えしま
 すが、今回はなんと言ってもこの言葉に尽きます。



  ◆ 人間は成長していく過程で、“いないことにされた私”を外に出して
    祝福してあげる必要があるんです。



                     
              文責・佐々木 啓(自分の脚本が気になります)

           ご意見・ご感想をお寄せ下さい sasaki@iryo.co.jp


 ・セミナー参加者の声:  
     http://www.iryo.co.jp/shinri/seminar/questionnaire.html#1513 



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【6】コラム:「“心の器”の中身(9)」
 
 
  「心が、体験やそれにまつわる気持ちを貯めていく器だとしたら…?
 それぞれの人の“心の器”には、どんなものがどれくらい入っているのかな?」
 
 時々そんなことを考えたりします。



 今回は、「声の記憶」についてです。

 

 つい最近の夕方、自宅の最寄り駅で電車を降りたすぐそばの、スーパーの前の
 横断歩道にて、バギーを押したお母さんが小さな男の子に向かって・・・

  「道路は走らない!」
  「○○(子の名前)!だめよ!そっち行っちゃ!○○っ!!」
  「ちゃんということ聞きなさい!」


 横断歩道を渡って少し歩いていると、別のお母さんと小さな兄・妹。
 お兄ちゃんに向かって・・・。
 
  「お母さんが一番荷物が重いんだから、これくらいあんた持ってよ!」
  「早く来なさい!早くっ!」
   
  「あーー!そんなの取り出さないの!ボロボロになっちゃうじゃない!」
  「バッカじゃないの!そんなことして」
  「もーぅ、怒らせないでよ!」



 ほんの5分ほど道を歩いただけで耳にした、母親達のマイナス感情たっぷりの
 大声。

 街中は危険が一杯だし、夕食の支度のために早くうちに帰りたい時間帯だし、
 母親の立場としたらついつい大声になってしまうのもしかたないだろうなと思
 いながらも、はたで聞いていた私はイライラっとした後、ドッと疲れてしまい
 ました。

 

 そして、歩きながら自分の子ども時代を思い出しました。
 親からかけてもらった「声の記憶」には、どんなものがあっただろうと。

 語気強く大きな声で「禁止」や「否定」のメッセージをもらったことがあるなぁ。
 冷たく言い放つような声もあったな。

 励ます声、褒める声・・・

 安心するような、包み込まれるようなメッセージももらっているはずですが、
 マイナスの声の印象の方が多く残っている感じがしました。

 「〜してもいいですよ」という許可を与える声より、
 「〜しなさい」「〜してはいけません」と強制、禁止の声の方がより鮮明に再
 生できる感じがしました。

 大人になってもずっと心に残るものもあるのだなぁと、あらためて思いました。
 
 

 そういえば、ゲシュタルトのワークショップや杉田先生の「脚本分析と再決断」
 ワークショップなどでも、幼い頃に親から感情まかせに言われたマイナスメッ
 セージの記憶を思い出す方が少なくありません。

 そして、その親の声の記憶には、たいていその人の子ども時代の「悔しさ」
 「怒り」「悲しみ」などの記憶も伴っており、ワークの場でそれを思い出し、
 まるで今体験しているかのように怒りや涙がこみ上げてくるのです。

 ワークに参加していると、このような記憶が、大人になってもその人がその人
 らしく生きることを阻んでいることがあるのだということが分かります。

 しつけや教育のためにはマイナスのストロークも必要だとは思いますが、口を
 開けば親自身の感情まかせの発言や、八つ当たりや人格否定ばかりだとしたら、
 いかがなものでしょうか・・・。
 

 時々、子育ては闘いだというたとえを聞くことがありますが、それは子どもと
 の格闘というだけでなく、親が親自身の心と格闘することでもあるのではない
 か・・・。ふと、そんな風に思いました。



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 発行責任:森山貴代
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