Transactional Analysis News 105

index No.11

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Transactional Analysis News
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  ■ ■ ■  ●交流分析メールマガジン 第105号     2004/08/15
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  ■ ■ ■  http://www.iryo.co.jp/ta-net       2590名に発行  
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 森山貴代です。暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?

 暦の上では立秋を向かえ、私が住んでいる神奈川県でも、赤とんぼが姿を見せ
 始め、コオロギや秋の虫たちの鳴き声が聞こえるようになってきました。
 近所を散歩すると、まだ青いですが栗のイガや柿の実を見ることができます。

 すでに夏休みを終えた方、これから夏休みが始まる方双方がいらっしゃる時期 
 ですが、いずれのみなさんも夏バテに気をつけてお過ごしくださいね。


■CONTENTS■──────────────────────────


【1】本の紹介:「心身科学を学ぶ・市民カウンセラー養成講座」

【2】セミナー情報1:「幼児教育に活かす交流分析活用講座」

【3】セミナー情報2:ストレス対策委員会のセミナー

【4】イベント情報:東京セルフ研究会創立30周年記念大会

【5】コラム:「健康創成論とディスカウント」


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【1】本の紹介:「心身科学を学ぶ・市民カウンセラー養成講座」


 交流分析の第一人者、杉田峰康先生の新刊です。
 
 本書は、杉田先生が11年間に渡って北九州・福岡市で講演された「心身科学を
 学ぶ・市民カウンセラー養成講座」をそのまま書名にしたのだそうです。
 一般の方にも分かりやすい事例がたくさん紹介されていて楽しみながら読むこ
 とができ、なおかつ、交流分析を体系的に学ぶことができる良書です。
 


  「心身科学を学ぶ・市民カウンセラー養成講座」

  著:杉田峰康
  発行元:よみうりFBS文化センター株式会社 / 定価:1,500円(税込)
  〒802-0001 北九州市小倉北区浅野2−11−15 KMMビル別館2階
  電話 093-511-6555



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【2】セミナー情報1:「幼児教育に活かす交流分析活用講座」


 交流分析を始め、様々な心理療法を永年に渡って指導・実践してこられた杉田
 峰康先生に2日間で集中的にお話していただきます。

 子供が発達・成長して行くには、親や保育者の適切なかかわりが必要です。
 人生の早期に必要な、言語的、非言語的なコミュニケーションがどんなもので
 あるかを交流分析の視点から学んでいただく予定です。
 そして、子供に問題行動が現れた時にはどのような対応が可能かということも
 合わせて学んでいただけたらと考えています。
 
  なお、このセミナーは、交流分析の基礎的な部分(構造分析、交流パターン
  分析、基本的構え等)を学習された方を対象にしています。



  講師:杉田峰康 先生

  日時:平成16年10月23日(土)10:00〜17:00
         10月24日(日) 9:30〜16:30

  場所:チーム医療研修室(東京都豊島区)

  参加費:29,400円(資料代・消費税込)

  定員:30名

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  内容:・交流分析(TA)の基礎知識を学ぶ
     ・大切な人生早期体験を考える
     ・しつけと性格形成
     ・保護者とよりよい関係を築くために
     ・具体的な問題を共に考える
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  詳細・お申込:株式会社チーム医療
         http://www.iryo.co.jp/teamiryo/PSY_SEM/naiyo/1408.htm




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【3】セミナー情報2:ストレス対策委員会のセミナー

  タイトル:心とからだの健康セミナー 市民公開講座
        「あたたかいふれあいの再認識」


 厳しさで縛られた「こころ」は「からだ」をも損なうのです。
 ひろく豊かなこころに気づくための、臨床経験豊かな先生方の楽しく役に立つ
 お話。
 
  日時:2004年11月14日(日) 10:00〜16:00
  場所:武蔵野公会堂 (東京都内 JR中央線・吉祥寺駅より徒歩2分 )
     会場案内 http://www.musashino-culture.or.jp/koukaido/index.html

  参加費: 2,000円

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  内容:・好ミ、信ジ、楽シム …花岡芳雄氏
     ・心と身体が1つになる時 …花岡啓子氏
     ・心がふれあう対話から …江花昭一氏
     ・ここちよいやりとりのエッセンス …杉田峰康氏
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  講師:花岡芳雄氏(吉祥寺通り花岡クリニック院長)
          (外科・整形外科・心療整形外科)
     花岡啓子氏(PSRストレス医学研究所所長) 
          (吉祥寺通り花岡クリニック内科・心療内科)      
     江花昭一氏(横浜労災病院心療内科部長)           
     杉田峰康氏(福岡県立大学名誉教授)

            
 ▼ お申込み・お問合せ:事務局 PSRストレス医学研究所
             http://www1.odn.ne.jp/~psr
             psr@pop02.odn.ne.jp 




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【4】イベント情報:東京セルフ研究会創立30周年記念大会
          (兼:第19回東京セルフ特別研修講座)
          (  社団法人日本心身医学会公開講座)

  タイトル:「健康創成論−人間的成長が健康を創る」

 記念講演「これからの生きがいと健康づくり 〜池実先生と健康創成論〜」
 シンポジウム「心の成長と健康 〜セルフ30年とこれからの方向〜」
 の2部構成。 

 
  講師:記念講演:
       永田勝太郎氏(浜松医大心療内科 保健管理センター)
     シンポジスト:
       池見葉見代氏(故池見酉次郎夫人、日本心身医学協会理事長)
       山本晴義氏(横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長)
       九島璋二氏(九島産婦人科医院院長)
       和田幸也氏(東京セルフ研究会代表世話人)
       笠伊次郎氏(東京セルフ研究会前代表世話人)

  日時:2004年10月23日(土)13:30〜16:45

  場所:日本橋社会教育会館ホール(東京都中央区)

  参加費:講座: 2,000円、記念パーティー(17:00〜): 4,000円



  詳細・お申込:東京セルフ研究会
         http://www5d.biglobe.ne.jp/~self/selfpage.html



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【5】コラム:「健康創成論とディスカウント」


 今回のご案内したセミナーのタイトルに「健康創成論」というものがありまし
 たが、私は初めて目にする言葉でした。

 読者の皆さま方の中には、もうすでにご存知の方もいらっしゃるのかもしれま
 せんが、今回のコラムでは好奇心で調べたことを少しご紹介したいと思います。



 「健康創成論(サルートジェネシス)」は、日本語では「健康生成論」とも訳
 されていて、ユダヤ系アメリカ人の健康社会学者アーロン・アントノフスキー
 氏が提唱した考え方なのだそうです。
 「健康をどう創っていくかという基本的な概念」で、それと対極にあるの言葉
 を「病因論(パソジェネシス、“疾病生成論”ともいう)=なぜ病気になった
 のかを追求する考え方」です。
 
 アントノフスキー氏の本「健康の謎を解く」を訳した東京大学大学院健康社会
 学助教授 山崎喜比古氏によると、アントノフスキー氏はユダヤ人強制収用所
 の生き残りの人たちのその後の健康状態を研究した際に、苛酷なストレッサー
 にさらされながらも、なおも健康を保持している人たちがいるということに驚
 き、その人たちに共通する要因や条件を「健康要因 (salutery factor)」と
 名づけたことが、健康生成(創成)論を発展させていく発端となったそうです。

 その健康要因の最も中核に、「SOC(sense of coherence:健康保持能力)」
 と呼ばれるものがあり、それをもとに健康生成モデルができ上がっているとの
 こと。

 SOCは山崎氏によって「首尾一貫感覚」と訳されており、それは「把握可能
 感」と、「処理可能感」、「有意味感」の3要素から成り、経験を通して後天
 的に獲得していくもののようです。(SOCについては、メンタルヘルスの書
 籍などでも紹介されつつありますね。)

  「把握可能感」
   自分の直面する出来事は、全て予測と説明が可能であるという確信
 
  「処理可能感」
   困難などに遭遇しても、それを乗り越えていくための有効な資源は得られ
   るという確信

  「有意味感」
   起こった出来事などに対して、それに挑戦していく・関わっていくに値す
   る意味があるというとらえ方


 
 ここまで調べてみて、「ああ、これは、TAでいうディスカントとも関連があ
 るなぁ」と思えてきました。
 SOCが弱い(低い?)人は、ディスカウントをしていると言うことができる
 のではないでしょうか?

 ディスカウントについて「健康創成論」的な視点を持つとすれば、「ディスカ
 ウントをしない人になるには、成育の過程でどんな経験をしてきたらよいのか?」

 ということに着目するということなのかもしれませんね。




   *「ディスカウント」については、以下をご参考に

   ・バックナンバー81号「【2】交流分析ワン・ポイント・メッセージ」
    http://www.asahi-net.or.jp/~vz5y-fnbs/ta-mm/back-no/081.htm

   ・バックナンバー26号「3)ふれ愛・第12回目」
    http://www.asahi-net.or.jp/~vz5y-fnbs/ta-mm/back-no/026.htm



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 発行責任:森山貴代
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